SORさんの映画レビュー・感想・評価

SOR

SOR

碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.7

原作未読。

正々堂々、清廉潔白に生きようとした男と
真っ直ぐで芯の強い娘の復讐劇。
碁と刀の両方で誇りをかけて戦う格之助は静かで謙虚だが、心の中に鬼を飼っているような人物。
草彅剛が見事に演じていた
>>続きを読む

フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)

3.7

人生楽しまなきゃ!と衝動的に思い立ち、両親と学校をだましてズル休みするフェリス。
彼が周りも巻き込みつつ特別な1日を過ごす。

コントみたいなやりとりが滑稽で、いつでも気楽に楽しめそうな作品。
ルパン
>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.1

静かに激しくたぎる1人の女性の魂。

双子の娘と息子が母ナワルの遺言をきっかけに、彼女の生きた歴史を探す旅に出る。
現在と過去を行き来する構成で次第に明らかになっていく母の過去と彼らのルーツ。
残酷で
>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.0

This is me!
心が震えた。

挑戦し続けること。人を大切にすること。
名曲揃いの素晴らしいミュージカル映画だった。
夢見る者と支える者、一緒に夢を目指す者。
綺麗事かもしれないけどこういう作
>>続きを読む

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.0

余命わずかな2人が海を見るために旅に出るお話。

怖いものなしの2人があの手この手で海を目指すのだけれど、犯罪もお構いなしのはちゃめちゃなストーリーだった!
破天荒なマーチンに引っ張られながら、結局な
>>続きを読む

無名(2023年製作の映画)

3.4

第二次世界大戦下の中国で、共産党・国民党・日本軍のなかで繰り広げられる諜報員たちの話。

物語の大筋はわかったけれど正直とてもわかりにくかった。
アクションはかなり少なく、とても静かに攻防を描いた作風
>>続きを読む

007/ゴールドフィンガー(1964年製作の映画)

3.5

シリーズ第3作目。
ボンドは引き続きショーン・コネリーが演じる。

何も起こらない時間が結構長めだった印象。
少し退屈に感じるところもあるが、ところどころに登場するカーチェイスやアクションは健在でやは
>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

3.8

ヌーヴェルバーグの代表作の一つと評される、フランソワ・トリュフォー監督の長編1作目にして自伝的作品。

多感な年代に家庭環境が及ぼす影響はとてつもなく大きい。
判ってくれるどころか判ろうとしてくれる大
>>続きを読む

ペット・セメタリー(1989年製作の映画)

3.8

死者を甦らせようとする人間の心と
そうはいかない自然の摂理と。

なかなかにホラー色の強い作品にも関わらず、大切な人を想う気持ちに共感してとても苦しくなった。
時代も相まって若干チープな映像表現ではあ
>>続きを読む

ウェザリング(2023年製作の映画)

3.0

黒人女性にとってこんな現実もあると訴えかけた作品のようだが、メッセージ性があまり感じられなかったのが残念な点。
サスペンスのような雰囲気を纏ってはいたものの、大筋のオチは最初から読めてしまった。
ラス
>>続きを読む

フォロウィング(1998年製作の映画)

4.0

4Kリストア版を劇場にて鑑賞。

創作活動のため町で見かけたさまざまな人たちを尾行しその生活ぶりを覗き見る男。
ある日尾けていた人物にばれてしまい、歯車が狂い始める…と言ったお話。
モノクロ⚪️⚫️
>>続きを読む

殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)

3.8

実在の連続殺人鬼たちとその事件から着想を得たサスペンススリラー。

一貫して青暗い色味の映像の連続で、陰鬱な雰囲気がにじんでいる。
めちゃくちゃ偏見入るけど、寒い国の映画って映像も話もなんとなく暗いの
>>続きを読む

ダークナイト(2008年製作の映画)

4.0

クリストファー・ノーラン監督による3部作の第2作目。

ゴッサムシティに現れた究極の悪の象徴ジョーカー。
いわずもがなヒース・レジャーの演技がえげつない。怖すぎる。
全体的に重く、無慈悲な展開が続くた
>>続きを読む

数に溺れて(1988年製作の映画)

3.8

服や部屋の小物とか色使いがめちゃくちゃ素敵だった。
人間の裸も虫や生物の生々しさも絶妙に融合してたな。
美しい狂気とはその通り。

シシーという名をもつ3人の母娘たちがそれぞれの夫を溺死させるのだが、
>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.7

まったく違う生活を送る旧友2人が久々に再会し、キャンプしながら温泉を目指す小旅行的なロードムービー。
自然の映像美はやはりとても素敵。
ほんとうに静かに穏やかに進む物語。
なにか派手な出来事があるわけ
>>続きを読む

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

4.0

クリストファー・ノーラン監督による3部作の第1作目であり、バットマン始まりの物語。
なお、過去に観たバットマン関連の作品は『ジョーカー』のみ。

悪が蔓延る絶望の街、ゴッサムシティ。
気高い両親を目の
>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

3.7

自然のヒーリング音楽のような作品だった。

事前にあらすじすら調べず鑑賞しました。

土木作業の男性と苔学者の女性。
それぞれの生活が淡々と丁寧に描かれてゆく。
ふたりが交わるシーンも優しく心地よい。
>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.0

陪審員の12人の男たちによる有罪無罪の議論が、ひたすら密室で繰り広げられる。
当初は適当に取り組んでいた者たちも、1人の指摘を発端に次第に真剣に考えていくことになる。

偏見や思い込みが邪魔をして中立
>>続きを読む

リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

3.7

モンタナ州ミズーラで生まれ育った兄弟たちの成長とその後の物語。
自然の風景があまりに美しく、若き2人の青年が瑞々しく映える。
何かが劇的に起こるわけではないが、静かで優しくて儚い物語だった。

命も川
>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2024年度アカデミー脚色賞を獲得した本作。

"白人の免罪符のため"の黒人文学とは鋭い切り口だなぁと。
いわゆる黒人作品あるあるを強烈に皮肉った新しい映画だった。
観ているこちらも無意識のうちにモン
>>続きを読む

コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

3.7

ドラマ版未視聴。

犬猿の仲だったCIAのソロとKGBのイリヤ。
彼らがとある任務のためタッグを組み、遂行していくさまを描いたスパイ映画。
スタイリッシュでありながら意外にも人間臭い彼らの追跡劇は見応
>>続きを読む

フィラデルフィア(1993年製作の映画)

3.8

エイズを理由に不当解雇されてしまったアンディが、彼の所属していた法律事務所に訴えを起こす。
最初こそ偏見に溢れて協力的ではなかった弁護人ジョーや、アンディを愛する家族や友人たちと共に立ち向かっていく。
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

原作未読。

ヤクザの狂児に目をつけられて歌の先生になった聡実。
交流を続けていくなかで、2人の心境にも変化が訪れていく。
とくに思春期の聡実の移ろいがとても繊細でリアル。
綾野剛のキャラめちゃくちゃ
>>続きを読む

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

3.8

様々な背景をもつ移民の少年たちに、料理に対して強い信念をもつ女性シェフが調理のノウハウを教える。
そして彼らにフランスで生きる道を拓こうとしていくお話。
実在の女性シェフがモデルとして存在するらしい。
>>続きを読む

ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.9

落ち目の舞台俳優たちが話題作りのためにとあるレズビアンの少女に目をつけるも、次第に心から彼女を応援するようになり、一丸となってジェンダー差別に立ち向かっていくミュージカル。

社会派でメッセージ性の強
>>続きを読む

卒業(1967年製作の映画)

3.5

サイモン&ガーファンクルの音楽が胸に沁みる。

将来有望と期待されていながらも希望を見出せなかった青年が、不倫ののち本当の恋に落ちていく話。
シンプルな恋愛ものにとどまらず、複雑な青年の心境が絡む本作
>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

「頭の中で考えたことは誰にも奪えないからね。」

シベリアの収容所、ラーゲリで必死に生きた者たちを描いた実話ベースのドラマ。
いかなるときも希望を失おうとせず、他者を思いやる心に満ち溢れた山本に胸が苦
>>続きを読む

最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

3.8

余命宣告をされた2人の男が
共に"死ぬまでにやりたいことリスト"を実行していく。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンというレジェンド級の名俳優の共演。

残された時間が短いと知って初めて気づく
>>続きを読む

バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

4.0

最高に楽しいフレンチコメディ😂

真面目な方向にいくのか?と思う展開があってもすぐにマヌケなカットが登場する。
最後までコメディに徹しており、何度もクスッと笑ってしまった。
とはいえアクションシーンの
>>続きを読む

危険なプロット(2012年製作の映画)

3.7

クロードの作文の才に魅了されたジェルマンが堕ちていく。
そしてクロードも人の暮らしをのぞき見ることにどんどんハマっていき…。
周りの人間を翻弄していくものが作文というのはなかなかに斬新な設定だった。
>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

伝説的なプロレスラーを父に持つ兄弟たちの物語。
実話をもとにしているが、この界隈にはあまりにも明るくないため無知な状態での鑑賞でした。

プロレスに取り憑かれた父。
自分が成し得なかったタイトル獲得の
>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.8

職を求めアラスカへ向かうウェンディと愛犬ルーシー。
立て続けに災難に見舞われたうえ、ルーシーとはぐれてしまい…といった内容のお話。

決して甘くない現実のなかに、一筋の温かい光が差したり差さなかったり
>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりに豪華な役者さんが揃っていて観る前から身構えてしまった。

ブラックジョークをふんだんに盛り込み、コメディに徹した本編。
決して明るい内容ではなく、救いようのないラストにも関わらずなぜか後味が悪
>>続きを読む

最期の祈り(2016年製作の映画)

3.8

終末期医療の現場を生々しく映したドキュメンタリー。

元気なうちにいかに対話をしておくか。
それ次第で迷いと後悔の葛藤も軽減されるような気がします。

少しでも長く生きていてほしいこちら側と
早く楽に
>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.7

じっくり時間をかけて撮られたことがよくわかる。風景が壮大。
厳しくもあり美しくもある自然の姿がとにかく印象的。
自然を前になす術がない人間たちがあまりに無力であり、醜くもあり。
逆に自然や動物とうまく
>>続きを読む

007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発(1963年製作の映画)

3.4

シリーズ第2弾。

1に比べるとやや地味でありつつ、デジャヴに感じる場面も多々あり。
しかし本作の方が裏切りなどの人間模様が描かれており、敵か味方か…といった王道のストーリー性には長けていた印象。
>>続きを読む

>|