SOR

灼熱の魂のSORのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.1
静かに激しくたぎる1人の女性の魂。

双子の娘と息子が母ナワルの遺言をきっかけに、彼女の生きた歴史を探す旅に出る。
現在と過去を行き来する構成で次第に明らかになっていく母の過去と彼らのルーツ。
残酷で壮絶な彼女の半生はとても重たく、目を背けたくなるものだった。

"人は真実を前に沈黙する"

ストーリーが実に良くできており、最後まで何が真実かわからない。
そしてそれがわかった時、観ているこちらまで息を呑み沈黙する。
母であるナワルの心情は彼女にしかわかり得ない壮大なもの。
愛だのなんだの、言葉で形容できないそれはそれは哀しく優しく壮大なもの。

トム・ヨークの歌声が寂しく流れる。
辛くてもう2度と観たくないけれど、しっかり心に刻まれた素晴らしい作品だった。
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