保安官の皮を被った実は強請たかりの犯罪者で、のらくら者のくせに正義のかけらが支えであったりとブルース・ウィリスに求められる役は複雑怪奇だ。
こんな男がNY市警ではうだつが上がらなくて、ではなんであ>>続きを読む
映画の特徴は出来事の様相、その外貌を動かして見せて余計な想像を省いてくれるところにあるだろう。その分、そのような事件を被る、または推進させる人物の心中を推し量る、こころの働きを助長させるだろう。>>続きを読む
WW1下のアフリカ中東部、内水域で最大の脅威は排水量100トン、6ポンド砲を搭載したドイツ帝国砲艦。兄の死期を早めた怨敵ドイツへの報復にこれ以上の獲物はあるまい、と女提督ローズが日和見なボギー船長の>>続きを読む
あんなことになったのは40年も前。ホワイト・クリスマスの歌に記されたような懐かしいよろこびとは裏腹な家族の第二の破綻に際して、私は父を選び、弟マチュウは新しい家族を選んでしまった。
あのときはまだ>>続きを読む
単に老け顔の「ぼく」はビーバー似と自称するが、そのほうが笑いをとる余地が多いだろう。笑いを取るとは「ぼく」が校内で非同盟、全方位外交を旨とするうえで手放せない緊張緩和のカードだ。
中立を叫ぶほど危>>続きを読む
気に入らぬ風もあろうに柳智衆
細君はとみに口うるさくなったし、長男は父親の敗因分析で理屈づいて取っつきにくい、それを見てると次男の子ども子どもしてるのもいつまでの事やら。
それもこれも、うだつ>>続きを読む
聞けばイスラムでもキリスト教でも、さらにはユダヤ教でも拝む神は同じだそうじゃないか。ところが各時代に神から受け取った言葉の受け止めの違いがあるんだそうで、結果、新しいのは異端とされ、古い奴は言葉足ら>>続きを読む
東ひとりでは心許ないと思ったのか里見を付けて敵役近衛対策も十分、大剣劇がダブルで楽しめりゃあ東の優男でもいいか、と思ったら、意外にも東決戦が早めに訪れて薩陀峠から近衛ともども場外転落でドロー。
>>続きを読む
監督の性癖を思い返すと、どの面下げてこんな映画作りやがったか、と思う向きも多いのではないか?悪党なら悪党らしく精々悪ぶってりゃいいだろう、というところかも知れないが、そんな分かりやすい事で何が面白か>>続きを読む
「上京」という言葉の湿っぽさは、京が自分を待っているというのぼせの裏にその地に食われゆく自分への哀惜が潜むからだろう。それでも、東京の毒っぽさを振り払い躱して生きる自分に期待を覚えれば、ちょっとはパ>>続きを読む
お堅い鉄屋も火が着きゃ熔ける、てなわけだが、そんな下世話なところに低回なんてしない、何となく景気のいい感じ。なにせオリンピックと新幹線の半年前だし。
とは言えだ。若い香山ホステスに暖められた笠氏が>>続きを読む
渡といい吉永といい、昭和の男、昭和の女を演じる代表格、しかも日本史の津々浦々、やんごとなき際から白刃の修羅場までくぐって来たというわけで見てるこっちがどこか構えてしまう。その肩の凝る感じというのも、>>続きを読む
ドイツ人?シュトロツェク(Stroszek)という名前にはどこか異国風を感じる。そこで探してみると、現在のポーランド南部、シレジア地方の東の端、つまりポーランド⇔プロイセン⇔ボヘミア⇔ハプ>>続きを読む
横領と殺人の罪を着せられて警察の面汚しとされたローマン氏が一か八か、彼が第一容疑者と目す内務調査局長を人質とし執務室に立て籠り、わざわざ遠くの他人ながら腕利きらしい交渉人を名指しして自身の潔白と局長>>続きを読む
尾州西尾の夜は大繁盛。盛り過ぎて町奉行が四月に一人あたまが変になってもう三人も辞めていった。夜の西尾のお堀の外、お上の支配の埒外「堀外」で何が起きてる?
なんてことが御公儀に知れると大変だ。国許>>続きを読む
むかしから女が花なら男は蝶々でこころは移ろいやすい。たとえば経済が逼迫すれば働きに出にゃあなぁ、となり、こころの内に育てていた何かを閉じるのもやぶさかじゃない。なかなか趣味が合う気が合う大学生同士の>>続きを読む
お酒が配給から自由販売になってやれ嬉しと思ったら今度は家族の出費がかさみ出す。次女は修学旅行で関西へ、息子は名野手らしいグローブをとせがむ。これにはおちおち酔っぱらってもいられない。おまけに酔っ払い>>続きを読む
松本清張以前の贈賄者サイドのあれこれ、舟橋聖一による社長に追及の手が伸びる前夜から控訴断念に至るまで。
そんな渦中で、愛を求める社長とこころ揺れる愛人、証拠隠匿を幇助する部下と検事への色仕掛けを拒>>続きを読む
国民主権を知らんのか、新憲法を知らんのかボケがぁ、っと言うのは松方らしくないので俺が言ってしまう。
身ィもこころも空っぽなムショ暮らしだから何から何までお上頼み、ブタ飼うくらいでなんの文句があるん>>続きを読む
全能は大変だ。と言っても悪さをするには最高、どいつもこいつも悪くなるだけなので。ところが、みんなにいいように計らおうとすると政府のばらまき行政のように変な具合に結実する。南極のアパートは監獄によさそ>>続きを読む
こっちは今わの際だってのにロベールのうそつき野郎が嬉しがらせを抜かす。
レティシャがどんな女かロベールより知っているとは言わないが、少なくともあの孤独なユダヤ女は俺を選びはしなかった。ロベールが>>続きを読む
「国破れて山河あり」杜甫は続けて家族と離別する辛さに何の慰めがあろうか、と語る。
大正期、高峰の生国日本は夫・髙廣と暮らす事に寛容でなく、ならばとふたり移住したハワイで刻苦の20年、日本は今また大>>続きを読む
なんというか、これは20世紀人、小清水家・仲代のこころの断面の数々というか。
仲代本人だけとも言えない、物語を牽引する高峰にせよ、その父・加藤嘉、元の恋人・佐田、小清水家先代・永田靖、そして、夫婦>>続きを読む
フランキーおじさんの敬天ポーズに三島由紀夫も冥土で笑うだろう。ついでに未だUFOの正体が解明されず、核戦争も起きずな21世紀に何を思うかな?
小説を出した頃は朝鮮での使用が却下され(知られてなかっ>>続きを読む
旅行記であなたに貢献したいわたし。なわけだったんだが、「Welcomeコザ顔」で東京に戻っていくだけでおつりがくるくらいコザに貢献しちゃったろう。所属旅行誌も大評判、取材突撃部部長のわたし、もう記事>>続きを読む
秘数9を奉じるホルガの民の前回の祭りは1929年。その年、大恐慌が起こるのは9月、直前の夏はまだ景気のよさそうなアメリカで一旗揚げようなんて向きもボチボチいただろう。つまり誰が不意にいなくなってもさ>>続きを読む
死別一回、離婚一回。男運が悪いわけでもあろうが、それ以上に自分の運を男任せにしたくない女35歳ペトラ、フォン・カントが服飾デザインで頭角を現して3年でもう大物。その間、アシスタントのマレーネを顎で使>>続きを読む
ハムレットになるためにどれほど恥をかかにゃあならないんだ?しかし、誰がハムレットにしてくれと頼んだバカヤロー、と思ったかどうか。
ハムレットは縁遠くとも街娼役は食うため、ねぐらのため、恥も外聞もあ>>続きを読む
男と女。俺は男だからそう呼ぶのだが、女なら、女と男と言うだろうが、どっちでもねえよ、という人は何と言うだろう?単に二人とでも云うだろうか?
ともあれ、その二人があってやっと子どももできるわけだ。第>>続きを読む
「粗にして野だが卑ではない」
連邦議会の公聴会に大戦での軍事支出を濫費した廉で召喚されたハワード・ヒューズ、その正念場で廉を咎にすり替えようとする聴聞者の議員に対して彼が取った徹底抗戦の態度に感じ>>続きを読む
恋は言葉じゃなく. . . なんて、ね。二人だけの物語がダンスで触れ合う手と身体で通い合うんだなぁ。日本人ならサザンのメロディに合わせてそいつがピンとくるわけよ。野暮天の酢キャベツ喰いどもにゃ千年早>>続きを読む
「テイラー」と聞けばスパイで裏切者、そいつがシカゴでアウトフィットになってるならヤバい話に決まってる。
と思い込んで見始めると、そのテイラー氏は英国人?で、ますます「もぐら」臭くなって、やってくる>>続きを読む
モナという娘については身分証の類はまるでないそうで、ならば「モナ」という名も本当かどうか、ただ、気に入ってるならそうなんだろう。
気に入っているなら、捨てた親に付けられた名でもいいのだろうか?嫌い>>続きを読む
1956年の修くん、戦争がなかったらなぁ。
と云う映画ではないのだが、おそらく戦後生まれであろう修くんではあるものの、もし戦争が無かったら、母ちゃんは死ななかったかもしれないし、父ちゃんも新母ちゃ>>続きを読む
一年前意気揚々と里帰りしたおきんちゃん、もといカルメンであったが、その芸術家魂は相棒、朱実の女剣劇への転向により大いに揺らぎ、今またカルメン自身、フランス帰りの前衛芸術家に秘めた恋を寄せるに至って更>>続きを読む