あの暴君ぶり、刃先を握って眉根も動かさない不遜さに憧れてしまう。みんなそうだろう。ただ、我妻には家来がなければ臣民もいない、殴って制圧すべき周囲があるだけだ。ところが見渡せばクビにしようという署長は>>続きを読む
貧血少年を狙う吸血少女という趣のところ、少年には同性愛、少女は強姦被害者という背景があって、それが二人のあいだとその周囲、クラスの空気をさざ波立たせる。
やがて同性愛の件から事が拗れてゆくが、それ>>続きを読む
オナラすればわたし。ため息がクサいのもわたし。これが私ならどこで誰とでもやっていける?
と思うのかどうか。とりあえず、おんなじクサい者同士、あちらはどんなクサいかななんて想像すると盛り上がれるかも>>続きを読む
「シン」が何事か全編通じてさっぱり分からない。罪、深、芯、真、心、神、死ん、辛、新、当て字ならほかにも幾らでも当てがあるが、どれがD&Pの狙う「シン」だろう?観衆に委ねるとは思わせぶりが片腹痛い。浅>>続きを読む
息子が弄ぶテニスボールが死ぬまであの手から逃げられそうにない。そんな、獲物を逃がさないような顔つきのまま、頭を撃ち抜かれた父イヴァンの葬儀の隙に父が奥の手と隠し置いたワルサーを当然のように一存で相続>>続きを読む
13歳の女子が詮索好きなのも、同い年の男子が詮索嫌いなのも普通の事だろうし、その歳ぐらいになれば挑戦的に交友関係と活動の幅を広めることも、他人の目を気にすることも不思議ではない。それが幼馴染へのネグ>>続きを読む
君臨すれど統治せずな津川専務は名前の通りなら五男坊でお調子者、神輿の飾りがお似合いだ。町の一店スーパー「正直屋」を長男でご当地名代の企業グループの大殿からあてがわれてのほほんとしていると、いつしか店>>続きを読む
エミリーの「とりあえずセックス」とのあけすけな言、白地があったら黒く塗っちまえ風なのはいけ好かない感じだがあとから笑わされた。その言葉自体もそうなんだろうが、思ったことを明から様に言葉で吐き出してし>>続きを読む
ドラゴンも機関車もアルノーを食いたくないから止まるので、彼の勇気に恐れをなしたわけじゃあない。
そのとき自分が負け犬で、眼鏡を掛ければ「瓶底お化け」の妖怪小僧、眼鏡をはずせば夢見あたまの落ちこぼれ>>続きを読む
心ここにあらぬうちに人を殺してしまったら民事でも敗けはしない?
アツシ君は弁護士4人に断られて、5人目でやっと取り合ってもらったら、今度は弁護士都合「辛くなっちゃう」のでキャンセルを食らう。公的保>>続きを読む
人生七転び八起き、パスカル父ちゃんからのApibeurzdé「あぴぶぉずでぇ」は緊急出動の消防車乗車体験プレゼント。コルシカ人らしくフランス語でなんか祝わない。いい日で終わりたいから調書は明日にして>>続きを読む
東京は神田のひと、アートギャラリー環の川妻さんはチェコのトーポルのところまで乗り込んで行ったそうで、ずいぶん褒めていたのを思い出す。お加減はいかがでしょうか。無沙汰で恐縮です。橋本です。
10年>>続きを読む
金回りもよさそう、映画にも出て来そうな女たちがぞろぞろで何やら気持ち悪い。それに亭主かパートナー、子どもまで。表向き仲良さ気でもどうせこそこそなんか言ってそうだ。
集まってどうする?しかも親譲りの>>続きを読む
アンニュイな旧大陸からリバティーな新大陸に渡った人の子孫が新世紀を迎えると戦争に疲れた老大陸に逆戻り、もう生きて戻らない。そんなアーサーが袂を分かったカンザスだが、ジャズの「カンザス・ファイブ」ある>>続きを読む
アリシアの「ブルー・バイユー」を聞きながら、それがアントニオのたどる未来かと思えて来る。迷走暴走するこの男への苛立ちもほどけてゆくようだ。
どちらかと言えば、「ダラス・バイヤーズクラブ」のような>>続きを読む
上映開始早々ジャンおじさんの病気入院が暴露され今後の映画事業に赤信号が点る?後ほど打ち明けられるが、先の映画製作での資金流用(費目偽装)がバレておじさん監督は白眼視を受け映画界から干された状態、そり>>続きを読む
政治資金欲しさに娘(水戸)を闇屋(河津)に売り飛ばす父親に娘の方から三下り半を出す。戦争に負けてあれこれ変わった日本だが、こんな父ちゃんがいつか組閣することを金権力を豪語する闇屋から嘱望されるような>>続きを読む
無駄を嫌うならトースターひとつでタバコも吸えるし手も温まる。ついでに人生最後の企ても。
無駄が嫌いだから光も節約、いやな相手には呼び出しにも居留守。それでも出かけるノースピア、空は北風オフシーズン>>続きを読む
自分かわいさも愛の内ならリヴァーの男も相当愛に溢れている。音楽コンテストの応募に遅刻して、滑った同士のミランダを出汁にしてでも自己愛を捩じ込もうという。そこから来年に向けて反りの合わない二人でやり直>>続きを読む
あと半年でアジア初のオリンピックだしね、拳銃魔と聞いて射殺マニアなんかを思い浮かべてちゃ小さい小さい、今やオール・ジャパンで密輸拳銃を捌くのが当代日本の魔の実像なんだぜ。というわけだが、その元締めが>>続きを読む
パパとママはロシアのスパイ?いかにもジュブナイル級な設えで当のスパイ夫婦もアメリカよいとこ、いやいやながら潜伏してきた風だったりして、10年前の「テレフォン」の催眠術で有無を言わさず自爆に走らされる>>続きを読む
赤青黄色で信号機かと思ったら実際に交差点で出会い頭事故、いずみと達怡が出来上がってしまうので可笑しい。いや自動車事故だから笑っちゃいけない。しかし、それで達怡が担ぎ込まれたのが築5年の厚生年金病院で>>続きを読む
オクラホマ州オーセージ郡の夏。郡都ポーハスカのある日の14時37分、晴れ、雲量0、気温は摂氏42度。日本ではこの件ひとつでドラマが作れるだろう。
そんな酷暑の地になぜ人が入植したのだろう、先住民を>>続きを読む
木暮美千代のツラが愛だか恋だか抑圧気味な性欲絡みな不満だか知れんが、紳士の前で上流の体裁を取り繕う下での複雑な心理描写のためにブヨブヨするのが気持ち悪い。さらに、それに負けない年増ぶりが三島原作の読>>続きを読む
おまえ俺の女房とできてんな。といわれて共に三大キレットのひとつを目指すか?その前に最も身近な山仲間で上司でもある人の細君を寝取るか?
全然平気そうなヤツなら逆に小細工されて崖から落っことされるのが>>続きを読む
討伐軍の銃撃に倒れるデ・ニーロ神父が身をよじって見つめる先では非戦のアイアンズ神父が弾雨に怯みもせずに教会を後にする。デ・ニーロ神父はそのとき奇跡が起こる事を望んだろう。信徒らを率いた神父が皆と共に>>続きを読む
ハーパーの身に起きている事に恐怖せよといわれても、第三者には先ず、事の発端であるジェームズとの別れ話の始まりが除られているようなところが不審だ。
そこが監督の作為なのは承知だが、終わりのひとつ前で>>続きを読む
カモもただでは葱なんか背負わない。その背負わない葱をカモに背負わせるのがサギ師の腕の見せ所。此度の鴨葱団の大一番は石鹸会社。このカモ、工場廃液は垂れ流すわベーグンのナパームで儲けるわの自称アウシュビ>>続きを読む
善人はお呼びでない。田宮からして堅気風のばくち打ちという柄で落ちぶれ株屋から転じて郷里岡山の俄か不動産屋。同類の臭いに儲けごころが悶えたのかデベロッパー加東の身辺、腹中なぞ確かめもしないのだろう、土>>続きを読む
合衆国でのことだが、遺体の写真を撮ったのは肖像画より時間を要さず費用も安く、とはいえ辺境の入植者には一生に一度の散財というくらいの高額ではあった時分、撮影の機会を得られないまま亡くなった身内、とりわ>>続きを読む
金鉱王の婿に来い。それを真に受けてあんな緑の魔境にやって来たオルメイヤー。娶った王女は金鉱王を目指す山師リンガード船長の養女でマレー人、そういえば女というだけで名前も聞いてなかった。
緑のモノが死>>続きを読む
偏見かも知れないがフランス男なら岡惚れした娘をつけ回すぐらい朝飯前かとも思うが、これがどうして、ベントレーに座乗したシモンの無表情、底意の知れない空気を纏って始まると新手の「コレクター」によるプルー>>続きを読む
殺人強盗が後ろめたいのかと思えば共犯者の消息が知れず神経衰弱気味な根上、新聞広告と手紙の遣り取りで商工特報なるでっち上げ会社の調査員を募り、福岡を根城に高崎在住の元共犯者の身辺を探らせる。
考えて>>続きを読む
監督ももう卆壽、なにを叫ぶと思ったら、巻末、13の若者から譲られた雄鶏の「マッチョ」が「朝だぞ」と怒鳴る。年寄りなら無駄に早起きすんなとけしかける様で笑わされた。しかし、ときは1980年、マイロの御>>続きを読む
結果的に、面白い。
廃病院と1988年五輪の競技場。いかにもフィルム映画時代と訴える撮影現場だが、そこで起きる「愛」を巡っての映画製作上の意見の対立が説明もないまま発展して殺人事件に絡んでゆくら>>続きを読む