昔のコダカラーフィルムで撮って、そこから濃度ボリュームを抑えて仕上げたような湿気がなくパステル感のある画質が、この映画のストーリー進行とよくマッチしていました。
ただ、ストーリーとメタストーリーの関係が複雑で、お互いのメタ情報に差異を感じるところもあり、全体がうねうねとした印象を与えている気がしましたが、本作はファンタジーだし、このうねりもまた楽しみの一つなんだと思います。
また、年少の子どもがみると意味は分からなくても、親と一緒に見た思い出とともに長く残るシーンもあり、一方で大人の事情も入っており、いろいろな要素が詰まった作品です。
最後、エンドロールで子守歌風の「眠らなければ覚醒しない」が流れた時は、これが本作の最上位にあるメタ情報のように思え、思わず笑みがこぼれました。
面白い映画でした。
蛇足 子どもに特化した作りにしていたら、オズの魔法使いのように全米の子どもが年一回は必ず見る映画になっていたかもしれません。
