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パーフェクト・ケアのpandenのレビュー・感想・評価

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)
3.8
主演の彼女は、サイコパスバリキャリ女子のキャラとして完全に立ちましたね。最高。
テーマが「高齢者のケア」って時点で不穏な空気しかなかったけど、
実際ダークなとこに切り込みまくっていて、ちょいコメディチックにして見やすくしてても「こんな闇が本当にあるのか」と思わせる何かがあります。

序盤は彼女の野心と、正義を歪めて利用するダークなアメリカンドリーム、高齢者保護の闇を見せられて「うわぁ…」となってくのですが、
そこからの「転」が上手い。

成功する彼女に忍び寄る影。
得体の知れない人物が現れ、「お前は誰だ…?」となる辺りは、ある意味
『ゴーン・ガール』のようなサイコスリラー感があって良かった。
ここでまたGOTのピーター・ディンクレイジがいい味出してる…

中盤が中だるみっぽかったり、
「いやいやんなこたーないだろ」と思ったり、終盤はかなり読めた展開だったりと、
引っかかる所はあって漫画的ご都合主義はモリモリ入ってるんですが、
そこは「まぁコメディやし」で片付けて楽しもうって乗り切れる作品でした。
『ゴーン・ガール』とは監督が違うので、もちろんそこ期待しちゃダメというのは分かった上で見た方が良いです。

昨今の「女性が主役として活躍する映画」の流れをくみながら、
あまりにぶっ壊れた主役の突っ走り方にもはや気持ちよさすら覚える、そんな映画でした。
テイストとしては『ナイトクローラー』が似てますが、あれより明るくまだ笑って見られる感じが、「コメディ」としてる所以かも知れません。
少し社会派な楽しめるクライム・サスペンスを見たい人は是非。
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