主婦・パートの篤子さん（天海祐希）が、少しボロくなってきたバッグを手に、10万弱のバッグを展示するショーケースを眺めるところから。街頭ビジョンでは、老後の資金は2,000万円どころか4,000万円が必要と謳う。バッグを変えるどころか、義父の葬儀・娘の結婚・失業で全然お金ないんですけど〜！！な話。
深刻かつリアルな話なんだけど、コミカルな要素も多く、面白く観入ってしまいました。最後はとってもハートウォーミングで救われます（根本問題が解決したかは別として）。あらゆるキャストが個性的で面白いんだけど、押さえるべきところはきちんと実力派で押さえてる、みたいな。
いやしかし他人事として笑ってられないリアリティで、心が痛いのも現実で。笑 親（もし結婚したら義理の親も）の介護・葬儀、家、失業リスク、子どもの教育・結婚時の支援、、、お金が全てではないですが、お金がないとあらゆる選択が苦しくなる。その選択を「自分たちはそれでいいんだ」と関係する人みんなが納得できれば良いのですが、そうはならないことの方が多いんだろうなぁ。そうか人生にはこんな可能性もあるな、という良い学びになりました。
篤子さんは決して贅沢をしている人でも、お金の管理が杜撰な人でもないのに、こうなってしまうのは。必要だったのは、自分の仕事が失われるリスクを常に見極めること、不測の事態に備えてある程度の蓄えをしておくこと、何かあっても悲観的になりすぎないメンタルを持つこと。けど、あらゆる人との関係性を良好に保っておくことで救われるところも多分にある、と気づけた良い映画でした。
