アむーレ

ガタカのアむーレのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.6
想像してたより全然SFじゃなくて、宇宙飛行士として出発目前となった主人公が本当の自分をさらけ出さないために捜査の追っ手から逃げるサスペンスドラマだった。

また、生まれつき不適正者と烙印を押された主人公が、宇宙飛行士になりたいという夢を諦めきれず身分詐称してまでも努力し夢を追うヒューマンドラマ。

彼の本当の姿に気づきながらその努力を認め、やってることは犯罪であることを知りながら協力してくれた周囲の人物には感謝だね。彼一人では切り抜けることは絶対に無理だった。
この物語の、生まれながらにして烙印を押される社会という設定を暗に否定・皮肉った作品で、将来的にこのような社会になることは可能だけど全ての人に人権ある世の中であり続けて欲しいという願いも込められた映画かな。

ただ、映像的にはとても地味だったと思う。
主人公のヴィンセントは不適正DNAの烙印を押されたけどそれを自らの努力で宇宙飛行士に選ばれるレベルまで這い上がったという点をもっとフューチャーして見せても良かったと思う。
どちらかというと身分を詐称していることのほうがインパクトが大きく、悪いことをして逃げているほうが大きく見えてしまう。
この作品の言いたいことはそこではなくて、不適正DNAの烙印を押された人物には夢も将来もないという世の中にはなるべきではないという点と、優秀な遺伝子を生まれもってきたわけではないが努力によってその限界を超えることができる人間の可能性は無限大なのだという点の2点が要点だと思う。
そこがぶれないような描写の仕方がもっと伝わりやすく描かれていれば良かったなと。
そこがちょい不満足。


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赤ちゃんをDNA操作で産むことができる近未来…余計な不安因子を取り除き、男女好きな性別で健康な赤ん坊を細胞レベルで選択しこの世に子を授かる。そんな時代がもうすぐ来るのかもしれない。

ヴィンセントには弟がいたが弟はいわゆる優秀な遺伝子を持ち体力知力ともに約束された『適正者』だった。ヴィンセントは生まれつき体が弱い『不適正者』。宇宙飛行士になるという夢を諦めきれなかったヴィンセントは数々の身体検査を通過するためにある契約を結ぶ。
優秀な遺伝子を持っていたものの、事故など不慮の事態により使えなくなった体を他人に提供することは高値がつく。
ヴィンセントが提供を受けた人物は水泳の世界的なアスリートで事故により車椅子生活となった人物だった。
ヴィンセントの努力もあり、宇宙研究機関であるガタカに入社、土星の衛星タイタンへ向かう宇宙飛行士にも選ばれた、しかし身を偽って…。

出発まで一週間…組織の中で殺人事件が起きてしまう。そこであろうことか、ヴィンセントの睫毛が現場で見つかってしまい事件の容疑者として追われる身になってしまう。身を偽って生活しているヴィンセントにとって捕まれば本当の自分(不適正)がバレてしまう。
果たして彼は宇宙へ行くことができるのか…
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