アむーレ

劇場版 アーヤと魔女のアむーレのレビュー・感想・評価

劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)
2.3
え!?それで終わり?的な不完全燃焼、モヤモヤが残る。
スタジオジブリ作品として期待して見たけど、残念ながら駄作としか言いようがなかった。

始まりの黄色い車に追いかけられるシーンは物語を進めていくうちに繋がってくるのだけれど、アーヤは赤髪の母親と誰の子供だったのかわからないし(マンドレーク?)、マンドレークとベラが孤児院にアーヤを引き取りに来たけど、それは母親との関係で分かっていて引き取ったのかたまたまだったのか不明。
そもそも母親はなぜアーヤを捨てる必要があったのか謎だし、12人の魔女の言いなりになるのが嫌で魔法の世界から手を引いたあと何をしていたのか謎。そのあと、なぜカスタードと一緒にアーヤの家のパーティに参加してきたのかも謎。

そもそも、魔女のシステム自体が謎で、アーヤの母親は12人の魔女から逃れることでどんな制裁があるのか、逃げなければどうされるのか、なぜ逃げることになったのかすべてが未解決のまま終わる。

トーマスがなぜ捕まってあの家にいるのか、なぜ人間の言葉を喋れるのかも謎。

原作があるようで、ハウルの動く城と同じ著者だそう。原作の完全版を読めばもしかしたら理解できるのかもしれないけど、この映画作品では謎だらけで伏線回収もされることなく終わるのであまりにも雑なストーリーに感じました。

アーヤの母親のCVがあまりにも棒読みで下手だと思ったら、担当しているのがインドネシア人の女性歌手らしい。
アーヤと魔女の挿入歌およびエンディングテーマ曲のボーカル?のようで、アーヤの母親=バンドのボーカルだったことと掛かっているのかな?
しかし、日本語のセリフでの表現力があまりにもひどく、音楽ありきのキャスティングで、内容はそっちのけの扱いなんだなと感じたのが残念だった。

まず、魔女の世界でバンドを組んでることが意味がよくわからないし、そのバンドが物語とリンクして挿入歌とEDテーマとして使われている=だから母親役はこのインドネシア人で、というのは分かる。
でも、一番大事な部分ってそこじゃなくない?
バンドを物語に組み込まなければならない理由が納得感がないし、まずセリフまわしがまともに出来ることが観る側にとって一番気にするポイントじゃないのかなって。

この作品はジブリで初めてNHKが関わって作られた作品だとのことだけど、作品自体の出来よりもプロモーション的な何かが優先されているのではないかと疑いたくなるような印象で、ジブリ作品というにはブランドに傷つけるような駄作だったと思う。
正直、ものすごく残念でした。
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