このレビューはネタバレを含みます
(別媒体から感想を転記)
2023/02/25
アンスティチュ・フランセの建築映画館2023で世界のMizoguchiを初体験。ありきたりなストーリーだけどバチバチのショットが連なるから観てられる…
鏡花物を得意とする溝口健二監督ならお手の物と思われたが、養子夫柳永二郎と妻木暮実千代の夫婦関係が獣物対魔性では、幼馴染で琴の師匠上原謙も、女中久我美子も、書生加藤春哉も、婆や浦辺粂子も立ち入れない、…
>>続きを読む今まで見た溝口の中ではかなり好き。
溝口健二の映画って、演技、画面設計、カメラワーク、音楽、それぞれにおいて過剰さが魅力であることは理解しているが、それでも今回は音楽が邪魔だった。
ここ無音だった…
柳英二郎が小暮実千代を強引に抱こうとし簾を下ろし部屋を閉め切ったところに久我美子が水を持って戻ってくる場面や、何度か加藤春哉が覗きを試みる場面、山村聡にそそのかされて階段を登り洋間へ小暮実千代が入っ…
>>続きを読む余程体の相性が良かったんだなあ、、雪が他の男を知れたらまた状況の異なる未来があったのかも、とは思う。でもまあ上原謙に流れなかったのはやはり夫が好きだったからなのか…変態的シーンの数々に嫌よ嫌よと言い…
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原作:舟橋聖一
雪夫人あまりにも弱すぎるよ〜。
旧華族のおひぃ様で養子に迎えた夫は愛人や女遊びに散財しお家は没落していく...。雪夫人の想い人まさやの助言で、最後の財産である熱海の住居は資金繰り…
現代劇で、こんな俗な話なので、溝口らしくない面白さがある
霧シーンの幽玄さなどは、さすがに溝口
あとはボートのシーン、異様に洗練
ラストはあの見事なクレーン撮影のまま終わった方がかっこよかったに…