DWさんの映画レビュー・感想・評価

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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

5.0

■オフビート感を出しつつ、優しく、とても重いテーマを扱った映画です。

松山ケンイチさんもムロツヨシさんも満島ひかりさんも、彼らの撮り方も全部好き。

ムコリッタ=牟呼栗多とは、仏教の世界で時間の尺度
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.0

■普段こういうタイトルの映画はスルーしてしまうのですが、THE KLOCKWORX配信、16mmカメラ撮影で傑作の予感がしました。

躁鬱&過眠症の趣里さんのブッ飛び演技に拍手です👏冒頭の酔っぱらい方
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怪物(2023年製作の映画)

5.0

■時系列が整うまでの一時間とその後の一時間の印象がまるで違う…。

この作品は二人の少年の関係や廃線の列車が出てくることもあって、自分にある美しいアニメーション映画を思い出させます。
(その映画には、
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地獄の警備員(1992年製作の映画)

4.5

■会社内での男たちの気持ち悪さは置いといて…(ある意味伏線だけど)

撮り方がカッコ良すぎて惚れ惚れする❗
資料室、地下室、ほの暗い廊下、螺旋階段、警備室のモニター、揺れる白熱電球。

どれだけの知識
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

4.5

■監督が北九州出身・ロケ地が筑豊という時点で既にホラー&修羅の予感。

傑作💡

このシュールな世界(笑)ホラーというより『ミッド・サマー』的な何かなのでは?

カット割や古川琴音さんの表情が全部良い
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

4.0

■前作でモノクロ×超スタイリッシュなヴァンパイア映画を作りあげたイラン系女性監督の二作目。
前作とうって変わって思いっきり色彩と音楽を入れてます。

カラフルなニューオーリンズの街並みと、無表情なチョ
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この日々が凪いだら(2021年製作の映画)

3.5

■旧友と歩く昔住んだ町。
海、菊の花束。

世の中には自分たちの10年先を現在として生きている人もいれば、10年前を現在として生きている人もいる。
それを「世代」と言ってしまったらとたんにつまらなくな
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.5

■サクサク男を殺っていく復讐劇かと思ってたらかなり重い内容↔️それと相反するポップな色彩。
賛否ありそうな最後の復讐を読めた人はなかなかいないのでは。。。

一番印象に残ってるのは冒頭の男たちのダンス
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蛇の道(1998年製作の映画)

4.5

■リメイク版が公開間近(監督も黒沢清監督❗)ということで観てみました。

このホラースレスレの不条理劇の中で柴咲コウさんがどんな役回りを演じるのか、今から楽しみです💡

『降霊』もそうだったけど、この
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雪夫人絵図(1950年製作の映画)

3.5

■この監督の映画の女優さんたちは、ときどき亡霊みたいに見える。

男女の依存関係の話だけど、ただ、もっと俗な言い方をすれば、これは題材としてポルノに近い。

乱れる(1964年製作の映画)

4.5

■息を呑むほどの高峯秀子さんの表情、仕草、視線。

1964年から現在に至るまで、(この映画で)全てのラブロマンスを蹴散らし続ける名女優さんの鳥肌演技です。

…評価が割れるとしたらラストシーンでしょ
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それから(2017年製作の映画)

3.5

■街や登場人物を取り巻く空気がとても良い映画。その中でもキム・ミニさんが映るシーンは格別、さすが❗という感じ。

キム・ミニさんも愛人の女性も頻繁に、
「卑怯」
という言葉を使うので、同じセリフが出て
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.0

■蒼井優さんが出てきてから雰囲気がガラッと変わる。
残酷なドビュッシー。

痛々しい日本映画はたくさん作られてるけど、2001年のこれが頂点な気がする。

トラジディ・ガールズ(2017年製作の映画)

3.5

■ポップで可愛い青春スプラッター。
ところどころで本気のサイコ感出してくるあたり、
「続編作りますよ」っていう目配せを感じます😨🪓

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

5.0

■再観賞。
これ程キモく、ブッ飛んでて、
凄惨で美しい映画を他に知らない。

ターミネーター(1984年製作の映画)

4.0

■どう考えても面白い👏
やっぱりこのシリーズはジェームズ・キャメロン❗

東京暮色(1957年製作の映画)

5.0

■小津安二郎監督作の中で一番好き。
ひたすら暗く、ストーリーもまとまりがないけど…その散らかり具合が魅力的というか。

有馬稲子さんが本当にきれい。
このジャケの表情😣

賛否あると思うけど、この時代
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蛇にピアス(2008年製作の映画)

4.0

■刺青の色彩に監督の美学みたいなものを感じる。

後半の井浦新さんの闇深さ(事件への関与のほのめかし)、そこから離れない吉高由里子さんの姿に人の感情の面白さを見た気がする。

全くの余談だけど、序盤に
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空気人形(2009年製作の映画)

4.5

■ペ・ドゥナ主演、音楽 world's end girlfriend。詩 吉野弘「生命は」。

いつかは消える人の生活で、苦しみや悲しみ、微かな美しさを感じる何か(映画でそれは心と呼ばれています)が無
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

5.0

■テーマは全然違うけど直前に『しとやかな獣』(川島雄三監督/62年)を観たので、室内劇つながりでファスビンターのこの作品も。

巨大な「ミダス王とバッカス」の絵画、鏡越しに映る登場人物たち、不気味なマ
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しとやかな獣(1962年製作の映画)

5.0

■団地の一室がほぼ全てのシーン、な昭和最強のブラックコメディ。
『すばらしき世界』の西川美和監督が絶賛していたので観てみました。

もう底が知れないです。
台詞回し、人物の配置、カメラの角度、内容のシ
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ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)

3.0

■ティーンエイジャーの恥ずかしい面とシリアスな面をずっと見せられる100分間。

ひたすら空回りしてスベりまくるロンコ、好きなのに冷たくしたり“壊してしまいたい”と言うミンミ、実は一番闇が深そうなエマ
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

4.5

■コン・リーの全てのカットが美しいロウ・イエ監督の最新作。
日中戦争のさなか、魔都上海を舞台にしたスパイたちの暗躍戦です。

いろんな思惑が交差、多重衝突。日本、英仏、中国(一枚岩ではなく重慶サイド、
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彼岸のふたり(2022年製作の映画)

3.5

■曼荼羅と包丁。

映画史の中でもトップレベルにダメな母親が出て来て、「こんなブサイクな人間は久しぶりに見た」とか思っていたのですが、ダメすぎて段々とこの人が主役に見えてくる不可思議。娘のオトセさんは
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ザ・ワン・アイ・ラブ(2014年製作の映画)

4.5

■シュールでコミカルでほんと面白い。謎に包まれた状況で狂い咲く男の嫉妬(笑)

繰り返し観るほど深みが増すようなストーリーだと思います。自分の知らなかった自分/相手、こうありたい・あってほしい自分/相
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ユリゴコロ(2017年製作の映画)

4.5

■吉高由里子さんの魅力あふれる映画。

いろんな要素/山場がありすぎて、サイコパスの映画としては観れなかったです。。。また、この女性がなぜそんな衝動を持つに至ったのか、少し想像しづらい所もありました(
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夜よ、さようなら(1979年製作の映画)

3.5

■幼稚なヒモが「俺にも感情がある」と言うけど、それは感情ではなく腐ったドーパミンだと思う。

SM趣味の男が言う。
「苦しめば苦しむほど、それだけ君は金持ちになる」
残念ながら、品性だけが、金では買え
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アザーズ(2001年製作の映画)

4.0

■ニコール・キッドマンの神経症の話かと思ってたけど…途中から幽霊話を絡めた犯罪サスペンス?…でも子どもたちもなんか不気味なんだよね…どうなるんだこの映画⬇️

結局最後まで先が全く読めませんでした❗
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.5

■北欧・花柄のイノセントな部屋でのグロテスク。

少女期のペルソナの揺れ、毒親、愛情の空回り、摂食障害…。色んな要素が詰まってます。
もう少しこうしてれば❗という箇所は多々あるものの、最後まで面白く観
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ハッピーエンド(2017年製作の映画)

4.5

■永遠に続けばいいと思うほど不穏で退屈。全員が壊れている。

亀裂の入った平均台を知らずに歩くこの世の人間すべてに当て嵌まる映画。

ミヒャエル・ハネケ監督らしく不快感と爽快感が入り混じっている。構図
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

4.5

■このジャケは有名なので昔から知っていたのですが、まさかミヒャエル・ハネケ監督の作品だったとは。。。

まー、いろいろ凄いです💨完璧な構図の中で起こる胸糞、それに伴う素晴らしい?演技、エンタメ暴力への
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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

3.5

■きらびやかに見える世界の残酷さ、狂気…という(実は)ありふれたテーマなのだけど、ナタリー・ポートマンが良かったです。演出は好みが分かれると思いますが👀

こういうクラシカルな芸術の世界って、実際に狂
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市子(2023年製作の映画)

5.0

■強烈。息止まってしまう。
杉咲花さんの目、凄い。

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)

4.5

■ジャンキーの映画にこんなに感動するとは思わなかった。
この監督の中では最大級の色彩とフラッシュ。

(あらすじ通り)途中から主人公は東京の空を漂い始めるのだけど、迫りくるフラッシュバック/走馬灯の中
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暁に祈れ(2017年製作の映画)

3.5

■絶望的なドキュメンタリー、みたいな映画(主人公の自伝が原作)。

出てくる囚人たちが全身刺青&銀歯で怖すぎる。日常的なケンカ、レイプ、死の脅迫の連続で息が詰まる。主人公もついヘロインに逃げてしまうし
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