昼行灯さんの映画レビュー・感想・評価

昼行灯

昼行灯

ヒロシマモナムール/二十四時間の情事(1959年製作の映画)

3.8

どうしても埋められない原爆との距離を持つ意味では、わたしもこの映画の女であり男なんだなあ。原爆を他者の視点から描いた作品で、自分が他者として共感するとは思わなかった

最初の場面では2人の重なった肌が
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色暦大奥秘話(1971年製作の映画)

3.3

小川節子の美貌と肢体を堪能するだけの映画。ほんまに美しい人よ…😭🫶
見ただけで処女かどうか分かるの?ラストは近松物語への侮辱だろ!怒りで胸踏み潰すのは態度変わりすぎで草などツッコミどころ満載
濡場は胸
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過去を逃れて(1947年製作の映画)

3.6

誰が誰だか分からねえ…人数も多すぎる…
回想がながすぎて現在の時点で何をしていたのか忘れてしまう、物語自体にも翻弄されてしまう💦まるで過去が現在を食い尽くしてしまうような、、キャシーが最後まで悪女で助
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泥の河(1981年製作の映画)

4.0

あまりにすばらしくて…全てを理解することはできないけどなんとなくその重みをわかってしまう子供の悲哀。子供の俯きや涙を通して、大人も構造に由来する格差を実感して空元気になるしかない。そのやるせなさが澱ん>>続きを読む

麗猫伝説 劇場版(1998年製作の映画)

3.8

まあこういう映画を撮るのはシネフィルの欲望だし、わたしもだからこそ見てみたいとずっと思っていたんだけど、かつての銀幕の女王の栄光への鎮魂歌というよりも、見世物の繰り返しなんだよなこれ。怪猫じゃなくて麗>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

-

バストショット多すぎて途中からそれ以外のショットを数えてた
日本ワンショットも映らなくておもろ
原爆投下成功を喜ぶアメリカ人の上に原爆が落ちたかのようなCGは、オッペンハイマーが愛国心と日本に対する罪
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

・自然の脅威と恵の二面性が作中では中心的に描かれていた。鹿猟の音画面外から響いてきたり、銃にやられた鹿の死骸が山中に転がっていたり。自然の中でならやって行けそうと思う芸能プロダクションの男も、実際に自>>続きを読む

悪魔のような女(1955年製作の映画)

3.7

後半になってようやく犯人わかったけど、サスペンス好きならもっと早く、というか冒頭で分かりそうな気もする🥹というかシモールシニョレのスター性が最大のヒント🥹
めまいと同じ原作者ということで鑑賞。めまいと
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映画監督って何だ!(2006年製作の映画)

3.5

名作のワンシーンを新たに3人の監督が撮ってみたら?という企画が面白かった。鈴木清順が鈴木清順すぎた。後年現代劇を撮ってたらこんな感じだったのか~と思う
裁判シーンの顔面ズームインはやや冗長

赤ちょうちん(1974年製作の映画)

3.8

ほんと、バカな若いカップルって感じ…ガキがガキ産むんじゃねえ堕ろせよなじゃなくてまずはお前が避妊しろよ…食い散らかした食器の後片付けもしないような22歳男性が産まれたての赤ん坊と2人で生活していけるの>>続きを読む

戒厳令(1973年製作の映画)

3.7

スタンダードを柱や天井によってさらに狭めるような構図の切り取り方に、北一輝や将校たちの置かれた時代の閉塞感を見た。北一輝は自分では動かないし、物語の中でも冒頭の殺人以外は直接的に出来事はえがかれず、登>>続きを読む

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

3.6

視点ショットであるということがカメラのフレームが映像に挿入されていることで、同じく視点ショットの特徴的なめまいよりもわかりやすくなる。
題名や精神科医との話ほど窃視症は問題になってないのかなと思う。視
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青春の殺人者(1976年製作の映画)

3.8

市原悦子のキモエロさ加減壮絶。躁鬱のジェットコースター加減が凄かった。いい歳して子供を若い夫扱いしないでください。特に心中を誘うところが、「順ちゃん、アレしよう」という台詞なのと身体を妙に近づけている>>続きを読む

怪談蛇女(1968年製作の映画)

3.5

花嫁なんも悪くなくてかわいそう
蛇女とはいうものの、蛇じゃないの父母がバコバコ登場してってラストは暴走状態
こういった霊の偏在性、罪なき人が霊の乗り移る対象になるのは四谷怪談にも通じる中川信夫印。
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怪談雪女郎(1968年製作の映画)

3.5

怪談と言うよりも異種婚姻のメロドラマ
雪が特撮で移動したりするのがすごい

ヒロインの顔が平ペったくて能面みたいなのが雪女に合ってる。鼻が高くて、横からのショットが映えてた。目があくほど見られてるよう
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牡丹燈籠(1968年製作の映画)

3.7

新三郎と寝てるお露の身体がガチ骸骨というよりかは骨が皮膚から浮き出てるって感じが新しい。理科室の標本みたいな骸骨だったらギャグだけど、骸骨と人間の狭間っていうのがまたアブジェクション。
あと足を隠すん
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青いガーディニア/ブルー・ガーディニア(1953年製作の映画)

3.5

新聞社にあるウォーターサーバーめちゃ気になる笑そんな昔からあったんだ
犯人が唐突すぎて、もっと観客も一緒になって推理出来れば良かったのにと思う。まあサスペンスで推理したことないが✋
淡島千景的姉御肌友
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.5

うーん面白かったんだけど、何度も寝落ちして100分映画を見終わるのに2時間超えた、悲しみ😭アルファ60のボイスオーバーがすごい眠気を誘うんよね、、
話としては、非人間化してしまった女性を再人間化すると
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

3.7

ファム・ファタール映画だがその描かれ方にはあまりピンと来ず。やっぱり意図的な男への翻弄とか、仮装性に興味があるんだなあと。このジャンヌ・モローは無邪気で奔放で美しいだけでたぶらかそうとはしてなかった。>>続きを読む

ピアニストを撃て(1960年製作の映画)

3.8

フィルム・ノワールのスタイルを踏襲しつつも、実態はほぼコメディ。フィルム・ノワールの原型はフランスにあったはずなのに、アメリカを参照した結果、どちらでもないフィルム・ノワールが出来上がったのが面白い。>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

3.8

遂に、、!U-NEXTネ申
大人の事情は難しくてよく理解できないけど疎外感だけは確かにあって、かといって学校の友達と仲はいいけどお金持ちでやっぱり断絶を感じていて、でもそれを上手く言葉には出来なくて、
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追悼のざわめき(1988年製作の映画)

3.5

セックス出来なくてもがく苦しさ、セックスしても残る虚しさ。それらが破壊衝動に繋がってしまうのは性に対する後ろめたさ故に性の現実をなかったことにしたいからなのかな。男性の性衝動はその人の特性として描かれ>>続きを読む

セックス・チェック 第二の性(1968年製作の映画)

3.5

安田道代の睨みつける視線がよかった。全然笑わないし、初登場シーンのバスケの練習でのコーチに対する攻撃以外感情を感じない。ふたなりで被差別経験があるからこんな性格になった?と思わなくもない。

足のクロ
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マルサの女(1987年製作の映画)

3.8

マルサというお堅い男社会に身を投じた紅一点という役どころではあるけど、それを中年の宮本信子が演じてることで、お決まりの逆ハー感はなかったのかなと思う。
ちゃん付けで呼ばれてたり、女が来てくれて嬉しい的
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.8

ストップメイキングセンスのみんなで楽しむというグルーブ感を引き継ぎながらも、デヴィッドバーンの関心はより広く政治や人種までに及んでいた!皆同じグレーのスーツなのだけど、いやだからこそ、それぞれの体格の>>続きを読む

ドグラ・マグラ(1988年製作の映画)

3.8

ドグラ・マグラの構造って映画というメディアにめちゃ合ってるなと思わせられたDVDのインタビュー観たらロゴス中心主義の西洋に対抗するためにこのような語りの形式を選んだとも言ってて、それは同時に物語のコン>>続きを読む

赤目四十八瀧心中未遂(2003年製作の映画)

3.6

キャスト陣からして、浪漫三部作☝️水色がかった画面や水琴窟のような音楽(監修も三部作の人)、朴念仁な主人公の行動が常にほかの登場人物に把握されてるところなどまさに陽炎座。主人公が一心に串打ちするうちに>>続きを読む

天城越え(1983年製作の映画)

3.8

田中裕子ヤバすぎ~…妖艶おきゃん聖母おねいさん全部やっててすごすぎる まるで泉鏡花に出てくる女みたいでもあり、伏見直江に繋がるおきゃんヒロインだったとも思うわ。

その一方で、まあ泉鏡花でもそうなんだ
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天使の恍惚(1972年製作の映画)

3.7

学生運動のエネルギーと虚無両方を捉えた作品。マルクス主義に傾倒しながら革命を実行しようとするけど、革命したいだけで目的も必要もないから、残るのはやりどころのないエネルギーを持て余すためのセックスだけだ>>続きを読む

赤い砂漠(1964年製作の映画)

3.6

ミケランジェロ・アントニオーニは話に起伏がなくてしんどいから90分以内にしてほしい🥺まあ精神に異常をきたしてる人の話だから論理的な話になるわけがないのだけど…

子供が足を悪くしたと嘘を言ったのは母親
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Wの悲劇(1984年製作の映画)

3.6

冒頭からしてアイドルが処女喪失するシーンってなかなかすごいのでは…その後もガニ股で歩いたり安全日をカレンダーにマークしてたりしてやばい。処女キャラとしていじられてるから、そりゃそうなるわな…って感じ。>>続きを読む

喜劇 女は度胸(1969年製作の映画)

3.7

パンスケは人間だという肯定、今でも全然通じるし、当時だったら尚更だったのでは?女の胸や尻をことある事に触り、空気の読めない渥美清の役どころというかスター性はやっぱり苦手だったが、境遇の異なる3人の女が>>続きを読む

実録・阿部定(1975年製作の映画)

3.8

よかった。局部どうするのかなと思ったら上手く見せずに処理してた。ロマンポルノのなかでもずっとセックスしてる方、2人のセックスに合わせてカメラがずっと動き回るから、カメラと合わせて3Pしてるみたい。局部>>続きを読む

英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

3.8

台詞が多い割に感情があまり伝わってこなくて、登場人物の本心は推測するしかない。けどそこに事件の真相があるという、、歴史と美術、神話の知識を総動員させられたら、すごい面白いんだろうな わたしは極東の若造>>続きを読む

素直な悪女(1956年製作の映画)

-

つまらなくてすごい

トランティニャンに往復ビンタされてバルドーが微笑んでたのは、本気で接してくれてありがとうっていう意味なんだと思う。自分の性的魅力に嫌気が差してるけど、それでも自分の性欲に屈して
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