ヨーロッパ一九五一年に投稿された感想・評価(★4.1 - 5.0)- 2ページ目

「ヨーロッパ一九五一年」に投稿された感想・評価

さっ

さっの感想・評価

4.5
子どもが死ぬところからテンションが異常。労働は刑罰だ、などと女がひとたび自分が「見たまま」の世界を語った瞬間、彼女は精神病院に叩き込まれ〈矯正〉されねばならなくなる。ホラー

何とも凄まじい。
途中から呆然としてただスクリーンを見つめるしかない。
息子を自殺で亡くしたバーグマンが彷徨い辿る現実。工場で働き、瀕死の夜の女を助け、強盗殺人犯の少年を逃す。挙句の精神病院。
なの…

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『シークレット・サンシャイン』かと思ったら結構違った。息子を失ったブルジョア女性が短期間に社会のいろんな側面を見て極端な人類愛に目覚めていくが、エゴで出来た社会が脅かされるのを恐れた人々により狂人認…

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このレビューはネタバレを含みます

「他者への愛は自己嫌悪から生まれた」
(イレーネ)

◉比較的裕福なイレーネは息子を失った悲しみ、自責の念がきっかけで弱い立場の人々に関わり肩入れする様になる。貧しい生活を目の当たりにし、価値観を揺…

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ENDO

ENDOの感想・評価

4.2

全ての権威の外側に行ってしまう無性の愛は文字通り檻の中へ。心の貧困と生活の貧困の狭間で。遣る瀬無いことしか起こらなくて共産主義者の言葉も工場労働の前では空疎。神父に至っては彼女の崇高さに耐えられず危…

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berThe

berTheの感想・評価

5.0

2019.05.16 再見
2019.12.04 再見
戦後映画のあまりにも崇高な始まり。女が見てゆくものひとつひとつに宿る圧倒的強度とその中に強力に刻印されてゆく彼女の視線。「ドイツ零年」後の風景…

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ぴこ

ぴこの感想・評価

4.1

範例的なネオリアリズモの作品。冒頭は子どもらしく行動する可能性を奪われ立ち尽くす息子のシーンがあり、母親の愛を求めるプルースト的な状況がある。次に次第に見者となるのは母親のほうで、いくつもの社会の矛…

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カラン

カランの感想・評価

4.5



我が子に対する罪悪感から、世界に愛を、貧しき者に施しを、孤独な者に慰めを、仕事もしないが子供だけはたくさんいる、適当でふしだらなダメ女(ジュリエット・マシーナ)には仕事とくだらない情事の手伝いを…

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【詳述は、『自由は何処へ』欄に】ロッセリーニの内面世界の緊張追求が、最も強く明晰になされた作。
アノ

アノの感想・評価

4.1

ロッセリーニの映画は心理的な突き放しと脅迫的なアップショットによってまるで幽鬼を撮っているかのように思えることがあるが、これも正にそう。
息子が死んで間もなくソファに座って抱き合うバーグマンとノック…

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