ニューランドさんの映画レビュー・感想・評価

ニューランド

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新バビロン(1929年製作の映画)

3.4

✔️『新バビロン』(3.4)『スポーツの女王』(3.5)▶️▶️ 

サイレント映画は、滑らかさ優先、決まりごとの語り口に準じた展開、に慣れた我々には、妙にゴツゴツして、常識を越えた流れに引き
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スーヴェニア 私たちが愛した時間/ザ・スーベニア 魅せられて(2019年製作の映画)

4.4

【詳述は、『リバー、流れないでよ』2023-11-25欄で】この作家は、自伝的教養小説系青春映画や、ゴシックホラー、といったジャンルに半端かつ甘えて浸かり、いかにもヤワにも見える。が、その弱気を離れた>>続きを読む

フィフィ・マルタンガル デジタル・レストア(2001年製作の映画)

3.6

【詳述は、『メーヌ・オセアン』2019-1-13欄で】10数年前には肩透かしの感も、スーパー入りで感銘へ改善。レネやリヴェットの演劇虚実相互作用世界への倣いから抜け出ず、大自然の介入なく、人とその内面>>続きを読む

アデュー・フィリピーヌ(1962年製作の映画)

4.2

【詳述は、『トルテュ島の遭難者たち』2019-5-1欄で】創作の苦難も悦びも表立たない、記録の再構成方向も拒み、切断され行き来不可能を持った侭の現実に、素直に従い、客観視も失わない中での脱力自然な親し>>続きを読む

恐怖の背景(1943年製作の映画)

3.5

✔️『恐怖の背景』(3.5) 及び『戦場を駆ける男』(3.3)▶️▶️

 第二次大戦中のプロパガンダ映画も、職人ウォルシュは作っている。しかし、当然ながらか、国家や民族を背負っての悲壮感や使命
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バワリイ(1933年製作の映画)

4.1

✔️『バワリイ』(4.1) 及び『男の魂』(3.2)▶️▶️

 フォード的なアイリッシュものも、ウォルシュにも、そういった血があるのか、似てある。のか、そういった当時の一般ジャンルなのか。時代の近
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金髪乱れて(1932年製作の映画)

4.4

 38年前観た時は、勿論ノースーパーで、英語を全く解さない私には、間違いなく秀作以上の作としか分からなかった。が、スーパーが入ったので観ると、一瞬やほんの片隅の緩みも全く存在しないない、惹き付け続け、>>続きを読む

私の彼氏(1947年製作の映画)

3.5

✔️🔸『私の彼氏』(3.5) 及び🔸『路上のライオン』(3.5)▶️▶️

 下高井戸の、ルピノの監督キャリア一時中断後の60年代作と、ビグロー(の中では珍しくレンタルVでしか観てない)の長編処女傑作
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死の砂塵(1951年製作の映画)

3.7

 テーマやスタイルをスッキリ絞り込み、伸びやかで心地いい。成功してるかどうかは二の次で、この作家の時に妙に暗くタッチが被り執拗な引力を感じさせるのよりは、表現の方向として、個人的には好ましい。新しく挑>>続きを読む

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

3.6

✔️『リンダ リンダ リンダ』(3.6) 及び『カラオケ行こ!』(3.7)▶️▶️

 『カラオケ~』は今年封切り映画への初参戦だった。まぁ、気になる映画はあるはあったけど、田舎はロードショーでも二本
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虹を掴む男(1947年製作の映画)

3.4

✔️🔸『虹を掴む男』(3.4) および🔸『アラスカ珍道中』(3.1)▶️▶️

観てない、観てても流しみてた、ヒューマン喜劇の、後には重鎮ともなった名優らの名作・ポピュラー作を、今更ながらあ
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けだもの組合(1930年製作の映画)

3.9

✔️🔸『けだもの組合』(3.9) 及び🔸『御冗談でショ』(4.0)▶️▶️

 我々の世代だと、三大喜劇王というと、キートン・チャップリンの次に当然の如くマルクス兄弟となる。が、それは活字での喧伝の
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山河あり(1962年製作の映画)

3.4

✔️🔸『山河あり』(3.4)  及び🔸『銀座カンカン娘』(3.3)▶️▶️

 高峰秀子は映画を見始めた頃変な癖があって、言い回しなど、あまり上手くないなぁと思ってきた。併せてあの気遣いや立場を考えな
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愛していると伝えて(1977年製作の映画)

3.4

✔️🔸『愛してると伝えて』(3.4)  及び🔸『毒薬と老嬢』(3.7)▶️▶️ 

 サイコ(パス)として、病や障害を、科学的社会的に鋭く分析切り出し俎上に上げてく近年の映画からは、下がった位置から
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(1929年製作の映画)

4.4

✔️🔸『母』(4.4) 及び🔸『花籠の歌』(3.6)▶️▶️

 高峰秀子生誕100年特集かぁ、と新館長のやったことと言えば、メインホールを外国風のヘンテコなネーミングに変えたくらいで、その無気力さ
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ロイドのスピーディー(1928年製作の映画)

3.8

 ロイドは(少なくともクレジット上は)監督は担当してなくて、一貫した独創性も少ないので、キートン・チャップリンのようなカルト的人気を今日まで保つことは出来なかったが、単純に映画として見れば、一般性ある>>続きを読む

カルプナー(1948年製作の映画)

4.5

【詳述は、『無防備都市』´24-1-18欄に】個人映画でありながら国民映画、伝統文化追求と同時に国統一や階級軋轢・民族と文化交流に関する改革着手、様々な別れ出逢いと苦悩。ライやアラヴィンダン、ゴトクや>>続きを読む

進めオリンピック(1932年製作の映画)

3.9

 映画ファンはまさにこのような作品の存在を確認するために生きているのだろう。チラシに書いてあるのは本当か知らないが、正にマルクス兄弟の為に書かれたような作で、『~カモ~』に匹敵の快作・怪作。が、W・C>>続きを読む

モルエラニの霧の中(2019年製作の映画)

3.5

✔️『モルエラニの霧の中』(3.5) 及び『美式天然』(3.3)▶️▶️

 以前は、地方の工場勤めだったせいもあるが、1.2ヵ月映画を観ないことも普通だったが、今は長くても10日以上映画を観ないとそ
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夜明けの国(1967年製作の映画)

3.6

【詳述は、『ともだち』欄で】様々にコントロール不能の、巨大さ・人の理解を超えた流れを感じる。偶々遭遇した文革のスタート、まだ悪夢が見えてない変な明るさ・スケール。本来のローや俯瞰の鋭い退き図に、望遠が>>続きを読む

燃える平原児(1960年製作の映画)

3.8

✔️🔸『燃える平原児』(3.8) 及び🔸『殺し屋ネルソン』(4.1)▶️▶️

 今月のラスト1週間は映画を観ない予定だったが、不意に空きが出来たので、気楽に楽しめて、そう高くない料金の再見二本連続会
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ある正直者の人生(1953年製作の映画)

3.9

【詳述は、『トア』欄で】安っぽいコミカル・ミステリーになるところが、しんみり怖い、ブレず透明な人生観照映画に。それは独創と定型を食い合う、映画術極めた密度と才によるもの。この作家にとって映画のウェイト>>続きを読む

サタンのラプソディ(1917年製作の映画)

3.1

【詳述は、『狂った一頁』’24-1-30欄で】旧い中短編集の掉尾飾る作。勧められたが、単純な力ではなく、ディーバ映画、著名作曲家参加、染色と内の美術衣装、おっとりデクパージュ、『ファウスト』的・若さ志>>続きを読む

トア(1949年製作の映画)

3.8

✔️🔸『トア』(3.8) 及び🔸『ある正直者の人生』(3.9)▶️▶️ 

 戦後のスタート期から間もない頃か、『トア』。なんとも映画的なうねり、拡縮・緩急があるわけでもなければ、演劇的な世界の概念の
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地域をつむぐ 佐久総合病院小海町診療所から(1996年製作の映画)

3.7

【詳述は、『ともだち』欄で】より最前線の分院、医師二人看護師七人他のフル回転。診療所連携や介護の集いも。忙しなさはより無く、在宅での穏やかな死へ望み迎えさせる、だけの側面は大事。

農民とともに 地域医療にとりくみ50年(1995年製作の映画)

3.7

【詳述は、『ともだち』欄で】地方地域との繋がりと医療費教育、在宅検査・介護・診療、巡回と訪問の外来後張り巡らし、診療所との連携、当院医療の歴史と農村特有の病・問題の推移、それら一体化の親密・必然はどこ>>続きを読む

杉の子たちの50年 -学童疎開からの明日へのメッセージ-(1995年製作の映画)

3.4

✔️🔸『杉の子たちの50年 学童疎開から明日へのメッセージ』(3.4) 及び🔸『ベアテの贈り物』(3.1)▶️▶️

 『杉の子~』。ブアマン監督の最高傑作の一本は英国学童疎開を扱った作だが、それが何
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町の政治 -べんきょうするお母さん-(1957年製作の映画)

3.4

 ✔️🔸【時枝初期】『町の政治 べんきょうするお母さん』(3.4)『This is TOKYO』(3.2)『新しいガス源をもとめて』(3.5)🔸【時枝の文京区】『文教の歩みをたずねてー文京の文化財』(>>続きを読む

新妻下半身 わしづかみ(1991年製作の映画)

3.7

✔️🔸『新妻下半身わしづかみ』(3.7) 及び🔸『川奈まり子牝猫義母』(3.3)🔸【九条映子製作集】①『迷宮譚』(3.4)②『疱瘡譚』(3.3)③『審判』(3.5)▶️▶️

 ラピュタのピンク映
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これで三度目(1952年製作の映画)

3.7

 ギトリの映画は、ベースの軽演劇的な所からの、どんくささや薄っぺらさも感じる。その点、本作は晩年作なのに、映画の何たるかを追及を怠らなかった若さ伸びやかさの成果として、驚くべき外内の真の意味の豪華・す>>続きを読む

ともだち(1961年製作の映画)

3.7

✔️🔸【時枝幼児教育’60s】『ともだち』(3.7)『ケンちゃんたちの音楽修行~ヤマハ音楽教室四才児初期の記録~』(3.7)🔸【時枝幼児教育’70s】『学級集団の成長~ある教師の保育日誌~』(3.7)>>続きを読む

きこぱたとん(1993年製作の映画)

2.8

✔️🔸『きこぱたとん』(2.8) 及び🔸『わらじ片っぽ』(2.6)▶️▶️

 上映前にプログラム担当の女の子が出てきて、今回の特集の目玉だとか言った時、もうダメだと直感した。前に偶々少し喋る機会があ
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カントナックの財宝(1950年製作の映画)

3.9

 じっくりでもないが、今年はアカデミー賞授賞式録画中継の粗方を観てしまった。授賞結果は明らかに変だが、ノミネート作品群はなかなかのもの。が、作品賞に限らずあらゆる部門で、ノミネート全作品(最低数十本か>>続きを読む

私の父は正しかった(1936年製作の映画)

4.6

 ギトリの名前は、国内のフランス映画ファン(彼の名作は『トランプ譚』に限られてた)よりも、仏留学帰り、NV礼賛者が勢いに任せてかなり以前から大々的吹聴・映画祭での取りあげ、をしていた記憶がある。しかし>>続きを読む

ふたりの女、ひとつの宿命(1980年製作の映画)

3.4

【詳述は、『アダプション ある母と娘の記録』欄で】
 歴史ものとしてパターンもしっかりしてるので、この作家の中では映画的には、くっきり魅惑的に伝わりくる。

マリとユリ(1977年製作の映画)

3.9

【詳述は、『とにかく見にきてほしい』´23-6-23欄で(但し、機器不良時で内容不全)】【再見時感想は、『アダプション ある母と娘の記録』’23-9-3欄で】

 身内的俳優と、仏スターを組合せ、間口
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