ロッツォ國友

プリティ・ウーマンのロッツォ國友のレビュー・感想・評価

プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)
3.6
美しい宝石は
手放すのがつらいものです


大変プリチィな作品でござんした!!!!

企業買収のスペシャリストって本来悪役側のポジションだと思うけど、本作はそれが主人公なんですね。
30年経った今でもここは珍しいポイントだし、流用しにくい設定感だとおもうます。
話のトーンに対してかなりハードな設定や。


ジュリアロバーツかわいいなーーー
金持ちフルカスタムを受けた後が本当に見違える。
そして、映画業界のスタイリストすごすぎ。

今やオトナの女性キングダムの女王みたいなポジションになってるので、こういう軽薄な役ってのは逆に違和感がありますよね。
もちろんそれは本作の不備とかでは断じてなく、その後の彼女の目覚ましい成功を裏付けるものと言えるだろう。



主人公役のこの人……これがリチャード・ギアか……
観たことのある映画だと出演作は少ないかもしれない。「この人○○役の人だ!」とはならなかった。

ところで顔の見分けはハッキリとつくんだけど……
リチャード・ギアを見ると"ハリソン・フォード"って言っちゃうし、
ハリソン・フォードを見ると"リチャード・ギア"って言っちゃう……
雰囲気も似てるっちゃ似てるけど…名前のイメージが自分の中では逆かもしれねえ…

すっげえどうでもいい話。
この人は、リチャード・ギアさんです。
こんにちは。


ハンサムなのは言わずもがなだけど、割と序盤からジュリア・ロバーツ様に鼻伸ばしてるようにしか見えないっすよね。
すげえスケベ顔じゃないすか?
当時の女性があの顔見て恋したのかどうかメチャクチャ気になる。俺があんな表情したら警察呼ばれると思うけどな。

スケベ!!って感じの目つきが逆に新鮮でした。
鼻の下を伸ばすな。


BGMはまぁーーー「この時代だなぁ」としか思わないっすよね。
緊迫感が底抜けするようなテンションにしか感じられないけど……上映当時の鑑賞者的には、最先端のクールで気の利いたさりげない音楽だったのかな。

Roy Orbisonの「Oh, Pretty Woman」はメチャクチャ良いっすけどね。大好きな曲です。
本作に使われてるのは知らなかったし、この曲のために書き下ろした曲ではない(曲は64年リリース、映画は90年公開)ってのも知らなかった。映画とピッタリな組み合わせじゃないすか。
挿入歌はどれも良かったな。良いMVを見たような清涼感。



スケベエドワードがやってるのは買収業であり、ヴィヴィアンがやってるのは言ってみれば買収される業。

その実際の是非はともかくとして、二人はこの仕事を謂わば自傷行為として捉えている面がある。

自分を壊すように買う男と、
自分を壊すように売る女の話。

売る側・買う側という立場は普段と変わらずだが、二人が出会ったことで、取引はある意味建設的・再生的なものになった。
自分を壊す為の乱暴な売り買いではなく、互いが互いになれるような時間。

あまり難しいノリにせず、軽妙でキュートな語り口で人生が再生していく過程を描く、良いラブストーリー・良い喜劇ですね。



着てる服と立ち居振る舞いで、つまりは
「金」
で全てを判断される息苦しさと痛快さの双方ともが描かれることで、金そのものに罪はなく、ただそれを使い得る人の心にこそ真価が委ねられているのだとするような思想性が、楽しい物語の中で象徴的に語られており、しかし説教臭さは感じない。
爽やかなノリで、シンプルにいいっすよね。


あと、見た目がよろしくなければ内面なんか見てもらえないよって感じの話ということで、登場する人々の目つきや目線の演技が超良いですよね。
目は口ほどに物を言うもんですよね。

見る行為そのものは一方的だが、目つきや目線そのものは極めて表情豊かな受け手として機能しており、二人の変化を常に客観的に捉えることができる。


変身前のヴィヴィアンに向けられる「こいつマジか」って目つきも、変身後に向けられる憧れや惹かれるような視線も、エッジを立たせた演出になっており素晴らしい。

トンプソン支配人がまじでイケオジだったなぁーー仕事できる粋な男ですよ。
彼の気の利かせ方、見た目を指導しつつも見た目で弾かない人情の厚さ。
いいキャラでしたわ。



そんな感じっすかねえ!
キャラクターの背景の暗さ重さにも関わらず極めて軽快で爽やかなお話でした!!

リチャード・ギア……スケベ顔やんねえ……
ロッツォ國友

ロッツォ國友