回想シーンでご飯3杯いける

ロキ シーズン2の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ロキ シーズン2(2023年製作のドラマ)
4.3
「アベンジャーズ/エンドゲーム」のラストシーンから始まるシーズン1は、やはりどうしても「アベンジャーズ」や「マイティ・ソー」のファンに向けたスピンオフという趣きだったが、このシーズン2では、タイムトラベル物としての面白さや、1960年代を思わせるレトロフューチャーな世界観に磨きが掛かり、独自の魅力に溢れる。画面を見ているだけでも楽しい。

前シーズンとは変わって、「ムーンナイト」を手掛けていたジャスティン・ベンソンとアーロン・ムーアヘッドが監督。解離性同一性障害を患う男が主人公だった「ムーンナイト」と、時空を超えて同一人物の変異体が登場する「ロキ」の世界観は、確かに共通する部分があり、本作での場面の切り替わりは、激しくも鮮やか。テクニカルであるが、同時に分かり易さの点でも前作を凌いでいると思う。「エブエブ」で人気を博したキー・ホイ・クァンがエンジニア役で登場し、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に於けるドクのように、SF設定を解説してくれるのも有難い。

かつては“裏切り王子”と呼ばれたロキが、強制的に働く事になった組織TVAでの経験から導き出した、新しい役割りとは? SFであり、コメディでありながら、後半は感動で心を持っていかれる。MCUドラマの中でも1、2を争う素晴らしい作品に仕上がっていると思う。