回想シーンでご飯3杯いける

エコーの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

エコー(2024年製作のドラマ)
3.9
MCUドラマの新機軸。「スパイダーバース」にも登場していたニューヨークの犯罪王フィスクと、その弟子である女性マヤを中心にした、ダークなクライム・アクション。ストーリー的には「ホークアイ」と繋がっているが、作風は同じくフィスクがヴィランとして登場する「デアデビル」に近い。

あくまで生身の人間が訓練によって力を得る設定になっている事、更に主人公が聴覚障害者である点も「デアデビル」に近い(デアデビルは視覚障害者)。この設定により、ドラマ全体の台詞の量が少ないのも特徴で、その分、所作や表情による感情表現が重要な役割を果たしている。

主演のアラクア・コックス自身が、ドラマの設定と同じ聴覚障害者で、下腿切断者で、ネイティブ・アメリカンの末裔である。まだ20代の彼女が、聾者や先住民の代表としてマーベル・ドラマに出演すること自体に大きな意味があると思うし、その期待に応える存在感を放っている。

これまでのMCU作品とテイストが違う事から賛否両論になっているようだが、「デアデビル」等、かつてNetflixで展開していた一連のマーベル・ドラマに通じる、生身の人間によるドラマはとても魅力的だ。先住民族の保留地が多く存在するオクラホマがロケ地になっている点にも注目したい。