回想シーンでご飯3杯いける

ムービングの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ムービング(2023年製作のドラマ)
4.5
韓国の高校を舞台にした超能力アクションとして始まる序盤。女子に迫られると足が浮いてしまう少年キム・ボンソクと、自己治癒力を持つ少女チャン・ヒスによる一風変わった青春ドラマだと思っていたら、、、、。

どうやら彼らを監視する謎の大人がいる事が分かり「X-Men」的な展開を見せ、更には2人の親にも何やら背景があって、という韓国ドラマらしい要素が加わる。この親子要素がとても重要で、過去に遡る中盤以降はどんどん物語の世界が広がっていく。

親を演じるリュ・スンリョンとハン・ヒョジュの演技がとても良い。「X-Men」同様に、本作の中でも超能力者は奇異な目で見られる存在。そんな彼らを親としてどう見守っていくか?が、大きなテーマとして浮上してくる。特にハン・ヒョジュはこれまでのイメージを覆す人物像で、心に残るシーンがいくつもあった。

韓国ドラマ史上最高の製作費とも言われる大迫力の映像と、韓国ならではの親子愛を軸にしたヒューマンドラマ要素がせめぎ合う、さすが韓国と言う感じの力作。ヴィランだなんて薄い言い方はしたくない。敵陣営として登場する人物にも豊かな描写が用意され、物語の行方から目が離せない。