回想シーンでご飯3杯いける

佐藤家の朝食、鈴木家の夕食の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

佐藤家の朝食、鈴木家の夕食(2013年製作のドラマ)
3.0
あの伊坂幸太郎に「脱サラして小説家になる事」を決意させたと言われている斉藤和義の名曲「幸福な朝食 退屈な夕食」から着想を得たと思われるタイトルが目を引く。厳密には映画ではなくBSで放送された2時間ドラマである。

レズビアンの両親を持つ男子高校生と、ゲイの両親を持つ女子高校生の話。LGBT映画というとフランスやアメリカの作品を観る事が多いので、いざこうして日本人で描かれると、予想以上に生々しくなるものだと感じる。また、同性愛者本人ではなく、その子供の視点で描かれているのもなかなか個性的だ。

生物学的に同性愛の夫婦が普通に子供を産む事はできないので、そこに両家の事情が絡んでくるわけで、LGBTそのものというより、関連して発生する現実的な諸問題の話と言えなくもない。その事もあって、両親が妙にペコペコ頭を下げたり、日本的な道徳を感じさせる描写が多く、根本的な部分は完結してないのでは?というモヤモヤが残ってしまった。

伏線を回収するラストシーンは秀逸。