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デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士のmanamiのレビュー・感想・評価

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手話が「母語」である人々の手話と、後からマスターした手話とは全く同じではないという話は聞いたことがある。日本手話というその「言語」が使える、それだけで「仲間」と呼んでもらえる、もしくはひとくくりにされる。
「おじさんは私たちの味方?敵?」予告でも流れていて、本編でも繰り返しインサートされるこの場面は、作品全体のテーマにもなる。
作中に登場する「フェロウシップ」も仲間という意味。あ、この団体については、10年以上NPOの業務に携わっていた立場からすると、さすがに私物化しすぎだろってツッコミたくなるわ。
他にも無理矢理な設定・展開が多いなぁ。過去を消すための選択だったのに、おおっぴらに会いすぎ、とか。父親にあんなことされたのにその息子にって、倒錯著しいな、とか。コメディならともかく、こういうシリアスなドラマであまりにも非現実的な描写が多いのはいかがなものか。
みゆきの元夫との取り引きも本筋と無関係で必要なかったし、そもそもあれは普通にアウトだろ。あんなことされたら百年の恋も冷めるわ。
メインとなる事件よりも、草彅くん演じる荒井が通訳するおじいさんとの会話とか、母や兄との話の方が良かったな。
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