回想シーンでご飯3杯いける

ナルコの神の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ナルコの神(2022年製作のドラマ)
4.0
南米の小国スリナムの麻薬王 vs 韓国で働く中年ビジネスマン。前者をファン・ジョンミン、後者をハ・ジョンウが演じている。

他に、中国系のマフィアや国家情報院の捜査官等も登場して、騙し合い、マウントの取り合いの前半は、実生活でのほほんと暮らしている僕には難しく、3話の途中で一旦リタイア。最初から見直す事にした。

それが良かったのか、2回目の鑑賞では冒頭でのビジネスマンの生い立ちや苦労話が、中盤以降の背景としてしっかり活かされている事が分かって、感情移入も高まった。

教会の牧師として国民に愛されながら、実はコカインの取引で裏社会を牛耳るファン・ジョンミンの胡散臭さも当然良いのだが、対するハ・ジョンウが徐々にヒートアップしていく演技も負けていない。アジョシ(おじさん)俳優の層が厚い韓国映画界の神髄を見せてくれる。

最近は世界配信前提というのもあって、アジョシがジャージャー麺をぐちゃぐちゃかき混ぜながら食べる、いかにも韓国らしい映画やドラマも減ってきて、やや寂しい気持ちになっていたのだが、本作では冒頭と後日談で、短いながらも韓国庶民の生活と家族愛を感じさせるシーンが挿入される。一見、ド派手なアクション作品と見せかけて、権力 vs 市井の人、という構図もしっかり描かれていて嬉しい。

それにしても、宗教の牧師と国の大統領が裏で繋がってるって、日本の状況まんまじゃないか、、、。