回想シーンでご飯3杯いける

ミズ・マーベルの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ミズ・マーベル(2022年製作のドラマ)
4.0
MCU作品に関しては、スコア平均が低めの作品ほど楽しめる傾向が顕著になってきた。シリーズ物があまり好きじゃなく、作品単体で楽しめるかどうか?が大事だと思っている僕の考え方は、一般的なMCUファンと正反対の価値観なのだろう。

というわけで、アメリカに住むパキスタン系二世の女子高生カマラ・カーンは「アベンジャーズ」オタクという設定で、本作品の時点では他のMCUヒーローとの直接的な接点は無し。一方で、兄の名前がアーミル・カーンっていう時点でインド映画好きならニヤけてしまうはず。基本的なテイストはマーベル映画というより、ボリウッド作品に近い。

歴史をさかのぼってインド・パキスタン分離独立に関わるシーンも登場するし、華やかなダンスシーンもある。カマラは特にキャプテン・マーベルのファンという設定で、そこからムスリムに於ける女性に対する抑圧に関する描写へと繋がっていく。母、娘、孫、の三代に渡る秘密のドラマは、同じ時期に配信が始まった「私ときどきレッサーパンダ」(こちらも脚本&舞台がアジア系)と共通していて興味深い。

ニューヨークのグラフィティともひと味違う、アジアならではの派手な美術効果も、これまでのMCUには無かった感じ。全6話を夢中になって鑑賞した。