あんずさんの映画レビュー・感想・評価

あんず

あんず

映画(580)
ドラマ(14)
アニメ(0)

波紋(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「オーレ!」
もっと早く、心の赴くままに踊って叫べたら良かったのに。あんな変な踊りを踊っていないで。

枯山水の庭と家の中に買い溜められた大量の「緑命水」。人から見える庭と見えない家の中。人の外見と内
>>続きを読む

パレード(2024年製作の映画)

3.8

坂口健太郎目当ての鑑賞。映像が幻想的で美しい。ストーリーはどこかで観たことがあるような。でも、意外な終わり方だった。

現世に悔いを残さずに亡くなる人なんているのだろうか。そんな人はごく稀な気がして、
>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

3.7

ドロステという言葉は人生で初めて聞いた。劇中で説明を受けてもよく分からず。でも、分からないなりに繰り返される2分先の未来からの伝言劇(?)を楽しめた。よくこんなストーリーを思い付いたなと感心した。>>続きを読む

理想郷(2022年製作の映画)

3.9

いや~、怖かった。そして、奥さんが強すぎる。観る前は都会(異国の)から来た新住民と地元の人たちとのご近所トラブルの話だと思っていたのに、もっと根深く壮大なスケールの話だった。

事の発端の風力発電はど
>>続きを読む

蘇える金狼(1979年製作の映画)

3.5

ストーリー自体がよく分からなかったのと、なんで松田優作演じる朝倉に風吹ジュン演じる京子があんなにも入れ込んでしまうのか、色々分からなかった。風吹ジュンは当時からアンニュイな雰囲気が漂っていて素敵だった>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

4.0

赦すって何だろう。真実って何だろう。観る人に静かに重く問いかけて来た。途中、かなり辛かったけれど、観て良かったと思える作品だった。

またいつもの記憶違いで、ドキュメンタリーと思って見始めて、だとした
>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

闇が深すぎる家族の話。こんなことって実際にあるんだっていうくらいに、次々と悲劇が起こる。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のような自ら呪いを引き寄せているような一族。防ごうと思えば防げるのに、断ち>>続きを読む

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.0

結構好きだった。
木村文乃演じる妙子の丁寧で冷静に話してはいるけど、すごく圧が強い感じが苦手でもありつつ、自分には出せないオーラなので羨ましくもある。木村文乃はこういう役がうまいなと思う。

また、妙
>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

美しい映像の中で繰り広げられる、初めましての俳優たちによる大人のラブストーリー。でも、頭に浮かぶこれまでの大人の恋愛映画とは違った趣だ。キーワードとなる「縁(イニョン)」は、日本語だと「袖振り合うも多>>続きを読む

探偵物語(1983年製作の映画)

3.4

出演者の誰にも思い入れがないせいか、ちっとも面白くなくて、もし映画館へ足を運んでいたとしたら「お金を返せ~」と内心叫んだに違いない。

でも、この映画が大ヒットしたという80年代の空気のようなもの興味
>>続きを読む

名もなく貧しく美しく(1961年製作の映画)

3.7

高峰秀子生誕100周年のWOWOWの企画で観られた作品。手話を使った演技に女優魂を感じた。戦後の貧困の中、聴覚障害者の暮らしの中で起こる悲劇や様々な差別に衝撃を受けるけれど、劇中の人たちはそれほど驚き>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.6

モンゴルの映画、初めて観たと思う。大草原を想像してしまう私の頭の中は、いつからアップデートされていないのだろう。

思っていたような感じの話ではなく、真面目なテーマのお話だった。髪型とメイクで主役のサ
>>続きを読む

遠いところ(2022年製作の映画)

3.6

明らかな方言以外にもイントネーションの違いなのか、音声の問題なのか、聞き取りにくい部分が多くて、内容が入って来にくかった。とはいえ、去年、戦後沖縄の夜に生きる女性たちのNHKのドキュメンタリーやWOW>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.6

なんだか面白くなかった。私が高校生のような瑞々しい感性を失ってしまったからなのか。全体的に演技も演出も自分に酔ってる感じがしてしまった。

主演の河合優実は、他の作品の方が印象に残る演技をしていたよう
>>続きを読む

花椒の味(2019年製作の映画)

4.5

たまに自分を天才って思う時がある。それは、その時の気分にピッタリの映画を無意識に選んでいた時。この作品は公開時に観たいと思っていたものの既にあらすじをほぼ忘れていて、観始めたら「うわ、今の気分にピッタ>>続きを読む

零落(2023年製作の映画)

3.6

最近、月9であの世の案内人の斎藤工ばかりを観ていたから、生きている斎藤工が観られて嬉しかった。でも、生きてはいるけれど生き生きしていなくて、描けない漫画家の負のオーラがスゴかった。

原作は未読。竹中
>>続きを読む

めぐりあう時間たち(2002年製作の映画)

3.2

公開当時、ニコール・キッドマンの鼻の特殊メイクが話題になり、アカデミー賞主演女優賞も受賞したので観てみたいなと思っているうちに何年も経ってしまった。

ヴァージニア・ウルフを名前くらいしか知らないこと
>>続きを読む

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.6

題名も内容も何となく知ってはいたが、実際に観てみると思っていたのとかなり違った。クライドが女性が苦手という設定にも驚き(後から調べると、実際にもそうだったよう)。

1930年代の大恐慌を知っていれば
>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.2

フィルムのザラザラした感じが懐かしくて良かった。上白石萌音と松村北斗の共演は『カムカムエヴリバディ』の大恋愛を思い出す。でも、本作は恋愛映画ではなくて、そこがまた良かった。2人の演技も素晴らしかった。>>続きを読む

縁路はるばる(2021年製作の映画)

3.7

IT企業に勤める青年が、香港のド田舎と呼ばれる地域に住む女性たちと知り合い、香港中を彷徨うラブコメ。見たことも聞いたこともない場所の景色が観られたのは嬉しかった。『深夜特急』を読んで以来、香港はいつか>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.2

パク・ボゴム目当てで観ていたドラマ『恋のスケッチ~応答せよ1988~』でボゴムの幼なじみでメインキャストの1人だったリュ・ジョンヨルが主演。失礼ながら映画の主役をやるような俳優と思わなかったので、その>>続きを読む

山女(2022年製作の映画)

3.7

なぜ生け贄は女、しかも生娘と相場が決まっているのだろうか。そこからして憤りを感じる。つまり、神様は男で、男が求めるのは若い女ってことでしょ?でも、昔の人たちはそんなことに疑問はまるでないかのように、村>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

3.8

朝ドラ『ブギウギ』で淡谷のり子を魅力的に演じている菊地凛子の、また違った一面が観れた。

引きこもり歴20数年の陽子が父の出棺に間に合うよう青森へ帰郷するというシンプルなストーリー。だけれども、その道
>>続きを読む

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.3

予告を観た時にこれは劇場で観たいと思っていたのだけれど、評価が芳しくなくてWOWOW放映を待っていた。

ライブシーンは楽しかったけれど、ストーリーがよく分からなくて、途中、カオスなシーンも入って来て
>>続きを読む

俺物語!!(2015年製作の映画)

3.4

まだ初々しい坂口健太郎が砂川にピッタリ。鈴木亮平も人間離れした郷田猛男を熱演。永野芽郁も可愛いし、凛子の雰囲気がある。豪華共演。でも、原作ファンからすると実写化はやっぱり無理があるよ~と思ってしまう。>>続きを読む

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

4.3

名字が変だから別れたとか、目の色がよく見たら青くないから別れるとか、子どもの学校のお迎えを初対面のよく知らない人に頼んじゃうとか……突っ込みどころ満載ではあるが、音楽(『キャラバンの到着』がこの映画の>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.0

ジャケ写から、ザリガニが沢山生息する沼で次々と変死体が発見されるホラーを勝手に想像してしまい、劇場鑑賞を逃した作品。湿地の自然や生物がとても美しく、スクリーンで観たかったなと後悔。原作は、2021年本>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.6

「人間とはなんぞや?」と鑑賞後もひたすら問われているような、後に引きずる強烈な作品だった。ベラという女性の成長物語という以上に人間の進化の過程を観察しているような気になり、時には目を背けたくなることも>>続きを読む

愛しきソナ(2009年製作の映画)

3.8

ヤン・ヨンヒ監督が可愛い姪っ子ソナちゃんやその家族を撮影しているホームビデオのよう。劇的なことは起こらないし、外食や誕生会は楽しそう。けれど、ソナちゃんと家族の日常は私たちからすると、非日常で異常とい>>続きを読む

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.0

淡々としていて台詞も少なめで気付いたら寝ていた。予告編以上の展開にならず、期待していたのになんか残念。またいつかWOWOWで観たい。


→2024.2.12 WOWOW録画鑑賞

約1年ぶりのリベ
>>続きを読む

インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

4.0

劇場鑑賞以来の再鑑賞。好きだったな~、この作品。トニー・レオンにアンディー・ラウが眩しい。わりと最近観た『淪落の人』のアンソニー・ウォンが出ていたり、ケリー・チャンが出演していたことをすっかり忘れてい>>続きを読む

かぞくのくに(2012年製作の映画)

3.7

自分の住んでいる国で起こっていることなのに、全然知らないこと。でも仕方ない。学校で教えてくれないし、メディアにも取り上げれないから。当事者たちは関係のない人にそんな話はしないだろうし。この映画でも、お>>続きを読む

サイド バイ サイド 隣にいる人(2023年製作の映画)

3.0

坂口健太郎ファンなのに、評価が低い&眠くなりそうだったので劇場に行かなかった作品。行かなくて良かった。確実に寝ていたと思う。

台詞が少ないし、表情も乏しく(敢えて)、風景は綺麗だけれど、話が掴めない
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.3

カラオケが好きなのでこれは観ておかないと、と謎の義務感に駆られて劇場へ。カラオケ以外にも合唱、映画と私の好きなものばかり出て来て、予想以上に楽しめた。ストーリーもうまく出来ていて、エンドロールで脚本が>>続きを読む

ハッピーニューイヤー(2021年製作の映画)

4.0

たまたまだけれど、雪の日に観られて良かった。寒い中、心がホッコリ。高級ホテル〔エムロス〕を舞台に、様々なドラマが展開して行く。私が知らないだけで、有名な韓流スターがたくさん出ているみたい。それぞれの人>>続きを読む

ほかげ(2023年製作の映画)

4.1

森山未來が出ているので見たかったのに、見逃してしまった作品。横浜シネマリンにて監督舞台あいさつ付きの回を運良く観ることが出来た。簡単に言えば、戦後のPTSDに悩まされる人々の物語で『戦争と女の顔』に通>>続きを読む

>|