風ノ助さんの映画レビュー・感想・評価

風ノ助

風ノ助

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パパは、出張中!(1985年製作の映画)

4.0

少年マリクの父メーシャは国家の体制批判をしたため逮捕される
父が帰ってこない理由を母親は「パパは出張中よ」と言ってごまかす

1950年頃のユーゴスラビアはスターリン主義の影響下にある社会主義国家で警
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

4.5

公園で魔法陣を描くもじゃもじゃ赤毛のジュリーとやたらと物を落としながら歩くセリーヌとの出会いが最高にかわいい
セリフなしの不思議な追いかけっこが20分くらい続く

ジュリーになりすまして幼馴染の男友達
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ディス・イズ・イングランド(2006年製作の映画)

3.5

同級生たちと上手く付き合えず年上のスキンヘッズたちとつるむ12歳のショーンの目線で描かれた80年代のリアルなイングランド

スキンヘッズとはサッチャー政権に批判的な極右思想を持つ労働者階級のカルチャー
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ブラ! ブラ! ブラ! 胸いっぱいの愛を/ブラ物語(2018年製作の映画)

4.0

列車の線路上にテーブルを置いてお茶を飲んだり洗濯物を干していて、列車が近づくと少年が走って笛を鳴らして知らせるような牧歌的な街でのお話

鉄道運転士は勤務最後の日に列車に引っかかっていたブラの持ち主を
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ツバル(1999年製作の映画)

3.5

解説字幕なしで観たらセリフも少ないし何の話なのかよくわからなかったけどわからないなりに面白かった

モノクロを彩色したような色調の映像で人種も言語もバラバラですごく実験的な作品

屋上が船みたいで室内
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.5

生きる意味を見失い無気力になっていた映画監督のサルバドールが身心の痛みと後悔に向き合って再生するまでの物語

身体の痛みを和らげるためにヘロインに手を出してしまうサルバドールは小さな村で過ごしていた子
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あこがれ(1958年製作の映画)

4.5

年上の綺麗なお姉さんのスカートから伸びた脚や揺れるおっぱいを覗き見る12、3歳くらいの少年たち
この5人もトリュフォーの投影なんだろうな
それが恋と呼ぶものなのかどうかもわからず彼女の婚約者に嫉妬して
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逃げ去る恋(1978年製作の映画)

4.0

とうとう最終話

現在の物語に過去4作の回想が挿入されたり現在の話に1話目の母親の愛人、2話目の恋の相手も出てきて当時知り得なかった本人たちの想いを回収するという総集編的な作りなので過去作は観ておいた
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家庭(1970年製作の映画)

3.5

その後クリスティーヌと結婚したアントワーヌ

二人の物語というよりは普遍的なエピソードが連なるコント番組みたいで生活感もあまりなくてファンタジック

不器用で惚れっぽいところは相変わらずで今回の浮気相
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夜霧の恋人たち(1968年製作の映画)

3.5

失恋の痛手を忘れるため軍に入隊したアントワーヌだが指示に従わず脱走の常習犯で遂に除隊となる
ここで1話目エピソードをカブせてきた

ポーカーフェイスで飄々としてて不器用で惚れっぽく女性へのアプローチが
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アントワーヌとコレット/二十歳の恋(1962年製作の映画)

4.0

17歳になったアントワーヌ・ドワネル
更生してレコード工場で働いている
製造工程が見られるの嬉しい
悪友ルネとの親交も続いている
一途な初恋を描いているが何より彼がちゃんとした生活をしていてよかったと
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.0

アントワーヌは学校では先生に目をつけられいつも罰を与えられる
家に帰れば課題よりも家の事をしてと母親に言われる
状況は全然違うけど『友だちのうちはどこ?』を思い出す
子どもから見た大人は本当に自分勝手
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危険なプロット(2012年製作の映画)

4.0

高校教師のジェルマンは受け持ちの男子生徒クロードの書く「週末をどう過ごしたか」という課題作文の内容に魅了される
ジェルマンも彼の妻も観ている私たちもクロードが綴る虚実入り混じった世界に惑わされ続きが気
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テオレマ(1968年製作の映画)

4.0

いつの間にかするりと家に入り込んできた青年の性的魅力に取り憑かれ次々と体の関係を持ってしまうブルジョワ一家
彼が去った後一家は崩壊する

本人が何もしなくても関わった人の闇の部分が炙り出され破滅してい
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.0

エルヴィラは究極の寂しがり屋さん
好きな男ができて妻子を捨て性転換手術を受けるがその人と付き合えない
新しい恋人にも捨てられる
性欲も上手く処理できない

劇中いろいろな人と出会う
対話するのではなく
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

4.0

別れ話をするために夫の生まれ故郷の漁村へやって来た夫婦の物語とドキュメンタリーのような漁村の物語が交わることなく並行して描かれている

ストーリーは特にないので夫婦の哲学的な会話や独特な構図、音楽の組
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画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)

4.0

パリで暮らしていた画家が妻と上手くいかなくなって田舎に戻ってくる
そこで雇った庭師は一緒によくイタズラをしていた幼なじみだった

二人はすぐに子どもの頃の気持ちに戻ってずーっと喋り続ける
二人の会話が
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さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

4.5

近代中国激動の時代に京劇という特殊な環境下で育った蝶衣(ティエィ)は共に育った小楼(シャオロウ)へ想いを寄せる
虚構の世界の中でしか生きられなかった蝶衣と現実にいる女性菊仙と結婚してしまった小楼はすれ
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ノベンバー(2017年製作の映画)

3.5

エストニアの貧しい村では悪魔と契約して魂を吹き込まれた生活用具で作られた“クラット”を使って互いの物を盗みあって生活している

精霊や人狼がいたり死者が戻ってきて家族と食事したり魔法が使えることが当た
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八月の鯨(1987年製作の映画)

4.0

小さな島の海辺の別荘で鯨が来るのを楽しみに夏の間毎年やって来る老姉妹
家の掃除をして庭の花を摘んで飾り外で絵を描く
姉の方は視力が失われているけど二人で海岸まで一緒に散歩して鯨を探す
お客様を迎えると
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

昨日テレビで東京裁判のドキュメンタリーを観ていて、日本の戦争犯罪を扱いながらエンタメ作品に仕上げたこの映画を思い出した
劇場で観た後地上波でやってたのを2回観ました
プロットを考えた濱口竜介と野原位は
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木靴の樹(1978年製作の映画)

4.0

タイトル、ジャケから靴をめぐっての少年の物語を想像していたら、貧しくとも堅実に日々を過ごしている小作農家の日常をドキュメンタリーのように淡々ととらえている映画でした
木靴の樹はその中の一つのエピソード
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殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)

4.0

雪に覆われた街、声が出せないからセリフゼロの主人公、法に従う悪党、有色人種のヒロイン、見たことない銃、意外な終わり方

いろいろと想定外のマカロニウエスタンだった
法に守られた権力者が普通の人たちを犯
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キンスキー、我が最愛の敵(1999年製作の映画)

-

キンスキー面白い
あんなにイカれた猛獣を使いこなしたヘルツォーク監督すごいなぁ

監督は自然相手の過酷な撮影状況に加え彼が奇行を繰り返すのでどんなに苦労したかを真面目な顔で、時々笑いながら語る
反面彼
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アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

4.0

『フィツカラルド』に続いてアマゾン過酷ロケの映画を観る

伝説の黄金郷を求めてアマゾン奥地を探索するスペイン人の一行が破滅に向かっていく物語

目の錯覚かと思うような断崖絶壁を下っていく長い列
濁った
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清作の妻(1965年製作の映画)

4.0

家族を支えるために身を削ってきたお兼
天涯孤独となり村八分で寂しい思いをしているお兼に優しくする村の英雄、模範兵清作
当然惚れてしまうよね
清作もお兼の匂い立つ色香にやられてしまう

清作が徴兵される
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ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

5.0

スウェーデンの富裕なエクダール一家の1907年から2年間の物語

プロローグは誰もいない大邸宅で遊んでいる10歳のアレクサンデルが不思議なものを目撃する場面から始まる
もうこれは大好きになる予感しかな
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日の名残り(1993年製作の映画)

4.0

英国名門貴族ダーリントン卿に執事としての品格を重んじながら忠実に仕えてきた人生を回想していくスティーブンス
厳かだけど音楽のせいでなんとなく不穏な感じがする

語りの途中から、忠誠を尽くしてきたけれど
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悲しき天使(1991年製作の映画)

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レニングラード・カウボーイズのプロモーションビデオ

Valimo(2007年製作の映画)

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4分のショートフィルム

工場労働者たちが仕事を終え映画館へ行き受付にチケットを渡す
もぎりのおじさんが帽子とコートを脱いで映写機をまわす
労働者たちは軽食を摂りながら『工場の出口』を鑑賞する
もちろ
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白い花びら(1998年製作の映画)

4.0

始まりは幸せそうな田舎暮らしの夫婦の日常
ある日都会からやってきた中年男が何も知らず幸せだった妻に不安の種を植え付ける
すれ違っていく夫婦の価値観
悲劇へと向かっていく運命

悲劇の中にもかわいらしさ
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ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

4.0

お金はなくても芸術家として生きていく3人の若くはない男たち

オレは家具を持ってない、オマエは家が無い、一緒に暮らそう

奢ってくれるなら条件がある、コーヒーとつまみは私が払おう

お金がなくても女に
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祇園囃子(1953年製作の映画)

4.5

まだ若く世間知らずでちょっと生意気にも見える榮子は母を亡くし芸妓の美代春を頼ってやって来る
一年経ってお座敷に上がるようになった頃、榮子を襲ってきた客を怪我させてしまいお座敷から干されてしまう
保護者
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ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

4.0

ストーリーはなくいくつかの説話から成り立っていて、夢の話をしたり、後になって実は夢でしたという話も入り混じってだから何みたいなよくわからない内容でした

各話に共通してるのは6人のブルジョワジーがいつ
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