風ノ助さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

風ノ助

風ノ助

映画(383)
ドラマ(2)
アニメ(0)

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

昏睡状態の二人の女性をそれぞれ愛する男性二人
看護師となって4年間ずっと献身的に世話をするベニグノに対して触れることも話しかけることもできないマルコ
病院内で見かけて次第に打ち解けていく

罪を犯した
>>続きを読む

コレクションする女(1967年製作の映画)

4.0

アドリアンは友人と二人別荘でバカンスを過ごすはずだったがそこには女の子もいた
男に奔放なアイデのことを彼はコレクションする女と名付ける

アイデは肌色多めでも健康的でエロくないクールな感じの女の子、お
>>続きを読む

スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.0

貧しいけど仲の良い家族
幸せなそうクリスマスの朝
でもビリーとニコの姉弟はつらい現実を抱えていた

両親はアル中の親父と家出して暴力男に依存する母親というダメダメの大人
パパとママの名前はアダムとイヴ
>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

5.0

映像が良すぎて見入ってしまい台詞がなかなか追えませんでした
でもこれは言葉よりも映像そのもので表現している映画だと思うので画に集中して観てみました

光と影のコントラストが印象的で視覚的に美しいだけで
>>続きを読む

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

4.5

「ブエナビスタソシアルクラブ」はキューバ革命以前に音楽好きたちが集まっていたクラブの名前で、そこで演奏していた老ミュージシャンたちのバンド名でもあります

音楽から離れていた彼らを見つけ出し世に送り出
>>続きを読む

運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

4.5

修理に出していた妹の靴を失くしてしまい一足しかない靴を妹とシェアして交代で学校に通うアリ
男女で授業を受ける時間が分かれているという時代に取り残されたような社会だからこそできることです

当然色々と問
>>続きを読む

アリスの恋(1974年製作の映画)

4.5

夫を亡くしたシングルマザーのアリスが歌手になりたいというかつての夢を叶えるため12歳の息子トムとともに故郷モンテレーを目指すロードムービー

タイトルからラブストーリーを想像しそうだけどアリスとトムの
>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.0

ドラマ性がなく誰にも共感や肩入れする事のない戦争を描いている

暴言を吐き続ける鬼教官のもとで従順に訓練をこなしていく兵士たち
側から見るとコメディにも見える馬鹿馬鹿しさ
疑問を持てば精神をやられてし
>>続きを読む

袋小路(1965年製作の映画)

3.5

満ち潮で孤島状態になる古城に暮らす中年男と若い妻
そこへ怪我を負ったギャングが逃げ込んでくる

古城に住むフランソワーズ・ドルレアックなんてお洒落感満載そうだけど観終わってみるとなんか変な映画だったな
>>続きを読む

水の中のナイフ(1962年製作の映画)

4.0

倦怠期の夫婦の前に現れたヒッチハイカーの青年
夫は気まぐれに青年をクルージングに誘う

裕福だが妻からの愛情を感じられず自信もなくなっていた夫は若くお金がなさそうな青年を見下すことでプライドを保とうと
>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

4.0

8歳のエストレリャは両親とスペインの北部に暮らしている
父親の心は此処にはなく手放した故郷エル・スール(南部)へと向いている
エストレリャは尊敬する大好きな父を理解したくてエル・スールに想いを馳せる
>>続きを読む

マチネー/土曜の午後はキッスで始まる(1993年製作の映画)

4.0

B級ホラー映画の監督が先行上映会で客を怖がらせるため劇場に様々な仕掛けを施す
ヒートアップしていくにつれどこまでが仕掛けでどこからが現実か分からなくなってしまう
キューバ危機で人々の高まる不安と青春物
>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

5.0

有名な映画で結末も知ってるけどそこはそんなに重要じゃなくて、改めて観ても本当に素晴らしい作品でした、シンプルで面白いです

陪審員裁判は陪審員12人全員の一致が必要で最初は有罪票11人無罪票1人から始
>>続きを読む

緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

3.5

『飾窓の女』と対になっている作品だというレビューを読ませていただいき興味を持ち鑑賞しました

飾窓〜は面白かったんだけど終わり方が好きじゃなかったので全体の印象も悪くなってしまいました

主要人物が同
>>続きを読む

サンドラの週末(2014年製作の映画)

4.5

病気で休職中だったサンドラが突然解雇宣告される
雇用主は従業員たちにサンドラの復職かボーナスかを投票で選ばせようとする
雇用主は責任を負わなくていいし同僚たちはどっちを選んでも後悔が残ってしまうという
>>続きを読む

ミルク(2008年製作の映画)

3.5

ゲイであることを公表して同性愛をはじめあらゆるマイノリティのために活動したハーヴェイ・ミルクの8年間の軌跡をたどる

人物やエピソードを深く掘り下げるのではなくドキュメンタリーのように彼の活動と人間関
>>続きを読む

アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)(1969年製作の映画)

3.5

動乱や飢饉、疫病などの困難が続き人々の救いが宗教にしかなかった中世ロシア時代の実在の宗教画家アンドレイ・ルブリョフの苦悩を描く

絶対的な体制と個人の思いとの相違によるルブリョフの葛藤は相当なものだっ
>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

4.0

田舎町をクルマで飛び出し旅に出る男二人
開放感に浸りはしゃいで武勇伝を語りたおす

途中女性二人を港まで送るために車に乗せた途端に無口になりレストランで4人は無言で煙草をスパスパ喫い続ける

タイトル
>>続きを読む

或る終焉(2015年製作の映画)

4.0

終末期患者をケアする看護師のデヴィッドは患者と真摯に向き合った介護をしている
どうしてここまでできるのだろうとちょっと不審に思うくらい献身的で、亡くなった後葬儀に出席したり家族だと嘘を言ったり仕事につ
>>続きを読む

ショート・カッツ(1993年製作の映画)

4.5

レイモンド・カーヴァーの9つの短編と1つの詩をアルトマンが同時進行する9組の群像劇に見事にまとめ上げています
それぞれのエピソードが関係があったりなかったりしますが繋がりが見えて来るとどんどん面白くな
>>続きを読む

自由が丘で(2014年製作の映画)

3.5

愛しいクォンに会うために韓国へやって来た日本人のモリは会えない日々を手紙に綴る
クォンは受け取った手紙を落としてしまいそのバラバラになった時系列で物語は進んでいく
1通だけ拾われなかった手紙がある
>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

4.5

相変わらずの動く絵画でした
時々本棚から取り出してページをめくりたくなる画集のような作品です

さまざまな人たちの何気ない日常或いは非日常を一定の距離を置いたワンカットで撮っています
マットペイントと
>>続きを読む

TOKYO!(2008年製作の映画)

3.0

日本に住んでいない三人の監督たちがTOKYOを舞台に描いたオムニバス映画
自国はどんな風に見られているのだろう

『インテリア・デザイン』
オープニング、クルマの窓から見る雨の風景が幻想的で美しい
>>続きを読む

その手に触れるまで(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アメッドは13歳、思春期のこの頃はそれまで唯一絶対と思っていた親の価値観に疑問を持ち始める時期
兄と違って真面目で無垢なアメッドの心にするりと簡単に新しい価値観が入り込む

イスラム教の教え自体は他の
>>続きを読む

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

4.0

いつもと違う道を通っていたら、5分前に家を出ていたら、私が声をかけていたら‥
起こってしまった事をあの時ああしていればと後悔するのは誰しもあることだけど殆どはどうしようもないことだと思う

ジェニーが
>>続きを読む

海の沈黙(1947年製作の映画)

4.0

ドイツ占領下のフランスで郊外の家庭に同居するため黒い森(ドイツのこと)からやってきた将校

礼儀正しく、毎夜フランスへの愛を語る将校にその家の主人と姪は海(フランスのこと)の沈黙で応じた

芸術を愛す
>>続きを読む

シャンドライの恋(1998年製作の映画)

4.0

シャイで無口な英国人ピアニストのキンスキーは彼のお屋敷に住み込みで働くことになったアフリカ人女性シャンドライに恋をする
でも彼女は反政府活動で逮捕され拘束されている夫の帰りを待つ身だった

キンスキー
>>続きを読む

シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)

3.5

壊れかけた夫婦関係を修復しようとモロッコへ旅行する結婚10年目の倦怠期の夫婦
なんか既視感あると思ったら『バベル』でも同じような設定があったような‥
モロッコってそういう土地柄なのかな
でも着いた早々
>>続きを読む

ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男(2014年製作の映画)

-

ハリウッドに嫌われてるというよりソリが合わなかっただけで多くの映画人に愛されていたことがわかるドキュメンタリー

アルトマンのキャリアを振り返る形で作品のオフショットやメイキングが流されアルトマン自身
>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

5.0

1960年代、政権が目まぐるしく変わる台湾で人々は不安で鬱屈した毎日を送っていた
大人たちの不安を嗅ぎ取るかのように街には不良グループが蔓延る
小四(シャオスー)はグループのリーダーの彼女小明(シャオ
>>続きを読む

ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)

3.5

冒頭8分の長回しに惹き込まれる
登場人物たちが過去の映画について語ったりしていてこの人たちがどう関わって何が起きるのかワクワクと期待する

80〜90年代ハリウッドの商業主義をめちゃめちゃ皮肉ってて
>>続きを読む

僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

4.0

冷戦下の東ドイツで高校生たちがハンガリーの民衆蜂起の犠牲者たちに2分間の黙祷を捧げる

子どもだから正義感が強くて軽いノリでやっちゃった事を大きな力を持った大人たちが見咎めて見せしめの対象にして彼らの
>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.0

ケン・ローチ監督が引退宣言を撤回してまで描きたかったのは労働者の過酷な現実
『わたしは、ダニエルブレイク』よりもっと深刻で重い作風になっていました

主人公と妻は宅配ドライバーと介護士
日本でも今、最
>>続きを読む

陽炎座(1981年製作の映画)

3.5

『ツィゴイネルワイゼン』と同様生と死の境目が曖昧な幻想世界を描いている
前作と比べると余計なことを考えずにただ目の前の映像を楽しむことができた

序盤の階段に佇む日傘をさした着物姿の女性や病院のステン
>>続きを読む

ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)

3.5

実在の画家ゲルハルト・リヒターをモデルにした物語

戦争とドイツの東西分断に翻弄されながらもそれを芸術を生み出す原動力にしてより昇華させていく主人公

一方で戦時下で植え付けられた優生思想に引きずられ
>>続きを読む

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

4.5

絵を描くことが好きなモードはリウマチで身体が自由に動かせないが明るく前向きでたくましい

住み込みで働くことになった質素で小さなエベレットの部屋の中がモードの絵でいっぱいになる頃に二人は一緒になる
>>続きを読む