風ノ助さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

風ノ助

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哀しみのトリスターナ(1970年製作の映画)

4.0

亡くなった母の遺志により老貴族ドン・ロペの元へ引き取られる16歳のトリスターナ
ロペは弱者の味方だと言いながら絶対に逆らえないトリスターナを力で自分のものにしてしまう

トリスターナは自由になりたいと
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小間使の日記(1963年製作の映画)

3.5

パリから田舎のお屋敷に小間使いとしてやってきたセレスティーヌ
そこには女好きで狩りばっかりやってる主人とセレスティーヌにきつく当たる夫人、靴フェチの夫人の父親、感じの悪い下男、一家と仲の悪い高飛車な隣
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グロリア(1980年製作の映画)

4.5

「強くなれ、誰も信じるな」
「あんたは僕のママでパパで家族だ それに親友だね 恋人でもある」
「おばあちゃんにキスは?」
ヨウムに『グロリア』のこのセリフを覚えさせるくだりがある小説を今読んでいてとて
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太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.0

中学の理科教師城戸は昼は原子爆弾の作り方ばっかり教える授業をして夜は自室で原子爆弾を作る
家で原爆作るなんて絶対あり得ない事なのになんか作れるかもって思わせてくれる説得力がすごい
この製造過程見てるの
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ハードエイト(1996年製作の映画)

3.5

長ーいトレーラーが横切っていったあと初老の男シドニーはダイナーの前に座り込むジョンに声をかける
二人が去ったダイナーのテーブルを映すカット
オープニングがかっこいい、『パンチドランク・ラブ』っぽさがあ
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デッドマン(1995年製作の映画)

4.0

職を求めてやってきた町でうっかり人を殺してしまったウィリアム・ブレイクは賞金首となってしまい原住民ノーボディに助けられながら一緒に旅をしていく
ナーバスな青年を演じるこの頃のジョニーデップは美しいです
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

4.0

亡くなった恋人ギヨームの葬儀のために彼の実家を訪れるトム
閉塞感のある田舎で暮らしている彼の母親も兄のフランシスもなにかおかしい
こんな所早く逃げ出せばいいのにトムは出て行かない

フランシスに暴力を
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.5

とことんツイてない男カスリネンは失業しても家族を失っても強盗に有り金盗られても冤罪で服役させられても前へ前へと進んでいきます

ライトに描いてるけどかなりヘヴィな状況をロマンスと友情とノワールと盛りだ
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ゴミ清掃人のニカンデルとスーパーのレジ係イロナのロマンスストーリー

ニカンデルは自分の仕事を恥じることなく真面目に取り組んでいて、部屋はいつも片付いていて自炊もするという丁寧な暮らしをしている
ごみ
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私が、生きる肌(2011年製作の映画)

4.0

形成外科医のロベルは自分のお屋敷の中に手術室を持っていて何かの実験をしている様子
ここまではジャケットからなんとなく想像できる

閉じ込められた部屋に住んでいる女性は一体誰なのか

えー‼︎‼︎っ全っ
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ブラッドシンプル ザ・スリラー(1999年製作の映画)

4.0

浮気している妻とその相手の殺害を依頼したことから起こる事件が登場人物たちの勘違いで思わぬ方向へ話が進んで行く
映画を観ている私たちだけが事態を把握できていて登場人物たちはみんな浅はかなので最後まで勘違
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冒険者たち(1967年製作の映画)

4.5

夢に敗れた3人の男女が海底の宝探しに行くというキラキラ眩しい大人の青春映画でした
飛行機、海、ヨットというおしゃれアイテムも出てくるので当時の若者たちには憧れの映画だったんじゃないでしょうか
そんな気
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冬の光(1962年製作の映画)

4.0

親に聖職者になれと言われなんとなく牧師になったトマス
愛する妻が亡くなったことで信仰心が薄れかたちだけの聖職者となっていることに悩み苦しむ

信仰心についての悩みは宗教に理解がないとわかりづらい
栄養
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預言者(2009年製作の映画)

4.0

アラブ系のマリクはフランスの刑務所で誰とも関わらずに無気力に黙々と服役してたらマフィアに目をつけられ死にたくないから従っているうちに刑務所内でのし上がっていく

最初の頃マリクは無学で野心もなく度胸も
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アメリカの影(1959年製作の映画)

4.0

マンハッタンに暮らす黒人の血を引く3兄妹の日常を描く
外見は長男が黒人寄り、次男と長女が白人寄りなので抱える葛藤もそれぞれ違う

脚本がなく役者たちに即興で演出をつけたというのを事前に知った上で観たの
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ある事件をきっかけに穏やかな家庭人であるトムの過去と秘めていた暴力性が発露してしまう
家族はそれを受け入れることができるのか

平凡な家族のさえないお父さんが実は…という設定の映画はたくさんあるけどこ
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バッド・エデュケーション(2004年製作の映画)

3.5

映画監督のエンリケの元へ初恋の相手だったイグナシオが16年ぶりに会いにくる
二人の寄宿学校の思い出を基にして書いた脚本を渡し俳優として使って欲しいというが何か違和感を覚える

現実の話と映画の脚本が同
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サクリファイス(1986年製作の映画)

4.5

自身の誕生日に幼い息子に命の樹の伝説を話しながら枯れた木を植えるアレクサンデル
同日に突然の核戦争勃発のニュース
親しい者たちが恐怖に怯える中、無神論者だったアレクサンデルは神にその身を捧げ救いを求め
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.0

マッチ工場で働く少女?というにはちょっとお姉さんすぎるイリス
今まで誰にも大事にされてこなかったイリスがやっと優しくしてくれる男性と出会う
でも男性からは一晩だけの遊びの関係と言われてしまう
もうね、
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エレナの惑い(2011年製作の映画)

4.0

資産家と再婚した元看護師のエレナ
元夫との間の無職の息子に経済支援をするためにエレナがとった行動とは

映像は静謐なのに内容はかなりダークで衝撃的でした
エレナは決断早くて惑ってたようには見えなかった
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裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)

4.0

ロシアの海辺の閉鎖的で小さな町の市長は市民の私有地を不当に安価で買収しようとしていた

土地を取られる男は感じは良くないけどウォッカを飲んで騒ぐのが楽しみという善人でも悪人でもない普通の人

ロシアの
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.0

『こわれゆく女』と同じく圧倒的なジーナ・ローランズ劇場でした

酔っ払ったジーナが初日舞台に上がるまでは演技ってわかっててもハラハラした
あの独特のカメラワークも相まってすごい緊張感
劇中劇の演技もホ
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

4.0

映画監督になることを夢見ながらもグズグスしているアルドルフォに映画制作の出資を申し出るジョー
胡散臭いけど不思議な魅力のジョーに振り回されて全然映画作りができないアルドルフォの情けなさが見ていてとても
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ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

敬虔な修道女ビリディアナは、亡き妻のハイヒールやコルセットを身につけてウットリするような変態叔父さんに求婚され強姦未遂までされる
その後叔父さんは自殺してしまい罪悪感から叔父の屋敷を貧しい13人の人へ
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

仲良しの呑み友だちコルムから突然絶縁されて戸惑ってしまうパードリック
心当たりもなく理由を聞くと「お前は退屈だから」と
パードリックは納得できないしこの時点では観てるこちらもよくわからない、他に何か理
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.0

ジーン・セバーグに会いたくて気付いたら観てました

鏡の前でポーズをとる
ミシェルの帽子をかぶる
大きなサングラスのジーンセバーグがホントにかわいい
ウエストをキュッと絞ったワンピース姿が一番似合って
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悲しみよこんにちは(1957年製作の映画)

3.5

ジーン・セバーグがすごくかわいいです
ショートヘアが似合ってて氷まくら乗せてても絵になる

セシルの浅はかで不安定な感情が17歳らしく瑞々しく描かれてました
対して大人二人はバカっぽかったのですが18
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毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)

4.0

支配と服従の逆転という点が『赤い航路』と共通してそうなので続けて鑑賞しました

登場するのはマゾの語源となったマゾッホの小説を戯曲化する演出家のトマとオーディションに遅れてやってきた無知で品のなさそう
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赤い航路(1992年製作の映画)

4.0

豪華客船で知り合った車椅子の作家オスカーに延々と自分たち夫婦の赤裸々な性生活を語られる男ナイジェル

オスカーは健常だった頃に出会った若い女ミミと変態的な性生活を楽しんでいたが唐突に冷めてしまいミミを
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オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

4.0

息子を懸命に育ててきたシングルマザーのマヌエラがその最愛の息子を事故で失ってしまいます

その後彼女は望まない妊娠をした女性、病気を持って生まれたその子ども、ヤク中の女優、同性愛者、トランスジェンダー
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.0

ひたすら気まずくていたたまれない気持ちにさせられるエピソードが連なる150分間
特に盛り上がるドラマもないのでこの長さは苦痛

目の付け所が面白くて不快なのに引き込まれました

どこかから「助けてー」
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シンプル・シモン(2010年製作の映画)

3.5

こだわりの強いシモンが自分のせいで恋人と別れてしまった兄に新しい恋人を見つけようと奮闘するお話
お兄ちゃんがほんっとに優しい人でホロッとします

カラフルな色彩に溢れたポップな映像でロケットに見立てた
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ベティ・ブルー/インテグラル 完全版(1992年製作の映画)

5.0

ゾルグの心情に沿って編集し直されたインテグラル完全版
ゾルグの一途な思いには心が締め付けられました

一瞬たりとも見逃したくない美しい映像にひたすら圧倒される

バンガローにペンキを塗る二人、グラスを
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.5

『ザ・フライ』しか観たことがなかったクローネンバーグに挑戦
どんな映画なのかは大体知ってたけど痛いのと汚いのが苦手なので恐る恐る‥
‥意外にも楽しめました

当時の最新メディアであるビデオに撮られた世
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リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

4.5

内気で孤独なリザは昭和歌謡の日本人歌手トミー谷の幽霊が唯一の友だちで日本の恋愛小説みたいなロマンスに憧れている
嫉妬深いトミー谷はリザに近づく男たちを次々と殺していく

70年代のハンガリーが舞台なの
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東京暮色(1957年製作の映画)

4.0

複雑な環境で暮らしてきた家族が最後まで分かり合えずに離れていってしまう重い話でした

孝子の夫といい憲二といいなんだこの無責任な男たちは
この時代の男と女は考え方も立場もまるっきり違っていて分かり合え
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