蛇らいさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

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何度目かの。

大人からの抑圧がウォンカを育み、子ども相手に正面からむきになったりする幼稚さのロジックを、フラッシュバックによって説得力を持たせている。

ティム・バートンのアシッドな作家性との相性が
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夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

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スタジオ撮影っぽさが逆に工場感のリアリティを生んでいる。ティム・バートン版と比べても遜色のない仕上がりなのが意外だった。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

2.7

ミステリー的な展開として物語を追い始めたが、そこかしこに要素を散らばした割には、肩透かしな結果と無理矢理に感じるこじつけに上手く乗れず。一族の結末としては、水木とゲゲ郎がいなくてもそうなったんじゃない>>続きを読む

雨月物語(1953年製作の映画)

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美しいカメラの動線に説得力があり、幻想とリアリティの対比の鋭さが光る。

(2023年製作の映画)

3.4

史実という名目の裏にあったであろう人間模様を、誇張と皮肉、ダークな笑いに変換している。しかしすべてがうまく噛み合っているとは言い難い。たけしの芸能界や社会での処世術を形容したかのような秀吉の立ち振る舞>>続きを読む

長靴をはいた猫(1969年製作の映画)

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国産アニメとしての気高さすら感じられる傑作。映画的なアングル、ユーモア溢れる演出が全ショットに張り巡らされている。

石川進の演技も素晴らしい。

銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)

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青森県立美術館 映画上映会
世界に誇る日本のアニメ
年代でさかのぼる厳選映画4本
1960ー1985
35mmフィルム版上映にて

猫たちの純真な眼差しがこちらを見透かしているようで、身が引き締まる思
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マーベルズ(2023年製作の映画)

2.3

いとも簡単に邂逅してしまう3人のキャラクター達に唖然とした。それぞれに出会うべきタイミングがあり、シチュエーションに基づくストーリー展開にするべきであるのに、スタジオ都合の投げやりな姿勢は許容範囲を超>>続きを読む

ゴジラの逆襲(1955年製作の映画)

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初代ゴジラの評価が決定的になる前に、フランチャイズ化してしまった弊害が見て取れる。

氷山を爆撃するショットは神々しくずっと見ていられる。

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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父と娘、夏、バケーション、久方ぶりの再開。ソフィア・コッポラの『SOMEWHERE』をも想起させる。

親しくも決して相容れない2人の関係は、大人と子どもであること以上に大きな壁がある。ベランダ、電話
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.4

VFXの凄まじさが使うべきタイトルに使われたという満足感でいっぱいだった。脚本、特にセリフと演出面での相変わらずな山崎貴感を打ち消す程の素晴らしさだった。

序盤の特攻兵が帰還する島での一連のシーンは
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

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モノローグの度に音楽と環境音が完全に止まる演出に度肝抜かれた。完璧なようでいて、どこか可愛げのあるキャラクターにも求心力がある。

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.8

デンゼル・ワシントンは仕草の演技が素晴らしい。ナプキンを取り出して机に並べるまでの手の動きや、視線を向けて歩き出すまでの間合いなど、独特のタイミングが良いテンポ感を生み出す。

脚本の上手さも際立って
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ALWAYS 三丁目の夕日(2005年製作の映画)

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何度目かの。

良くも悪くも後のフィルモグラフィに連なる土台がここに。VFXに関してはさすがの領域。

キリエのうた(2023年製作の映画)

3.1

本作を観るに当たり最も懸念していた、SSWという存在にあらゆる事象を背負わせてしまわないかという点はクリアしていたと思う。純粋に歌手として描けていたのは良かった。

あらゆる局面で有害な男性性に翻弄さ
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

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何度目かの。

再撮影や再編集、共同監督へ変更など歪な素材をほぼ違和感なく、万人が満足する作品に仕上げたなと思う。

物語上ではそうかもしれないが、ラストのレイアとベイダーの登場は本当に余計だと感じる
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.4

壮大な山岳地帯や海辺、砂漠地帯などの実景にAIロボットが、説得力を持って浮かび上がっているルックには驚かされた。実景に照射されるロケットの青い照準がリアルすぎてかなり怖かった。かつて見たことのない映像>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

重厚そうな題材と長すぎるランニングタイムを懸念していたが、開始早々に映画を観ているんだというありありとした実感で、幸せの坩堝に叩き落とされた。

石油が掘り起こされてからのオセージ族の乱舞の後ろに流れ
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

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こんなボクシング映画を観たことがない。想像もしないアプローチに面食らった。タイトルバックのかっこよさが凄まじい。

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

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いい大人になってこれを真顔で作れる岩井俊二は、良い意味でどうかしてると思う。

タクシードライバー(1976年製作の映画)

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何度目かの。

汚れた世界から逃れられない孤独感だけではなく、一緒に抜け出して救おうとした誰かでさえ、それを望んでいなかった絶望感まで描いたことが素晴らしい。

売春宿に乗り込むシークエンスは統制され
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

2.8

移動という事象に対して強いこだわりを感じ、それによって生まれる映画的な側面を感じられたのが良かった。場面から場面へ転換するときに、カットで飛ぶのではなくなるべくキャラクターが徒歩や車などで次のシーンへ>>続きを読む

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

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主人公の首吊りの長回しが辛くもあり印象的だった。美しいショットではあるのに人間のおぞましさを描いてもいて、気持ちの持って行き方の悩ましさが素晴らしい。

ハリー・ポッターと賢者の石(2001年製作の映画)

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何度目かの。

よく考えると親族だからという理由で、話し合いもなしに玄関先にハリーを置いてくだけのホグワーツサイドがやばい。無条件でハリーを育てたダーズリー家を責め切れないし、育ての親を魔法で脅して、
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.7

原作は未読である。分かりやすいサスペンス要素に傾倒してしまいそうな展開を、演出や役者の演技、キャラクターの配置によって人間の本質に迫るという主題から逸脱しないように抑制されている。

本質に迫るセリフ
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HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

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狂気と野心が絶妙なバランスで結実した一本。おそらく当時の最先端に追いつこうとしたわけではなく、可能性の追及であろうと感じる。

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.0

いつものキアヌと、見たことのあるドニー・イェンと真田広之が引き際の悪いアクションを延々と垂れ流す。

前作までは残っていた、ストーリーテリングが牽引する高揚感は完全に消え去り、妻と犬と家を奪われた悲哀
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福田村事件(2023年製作の映画)

2.5

関東大震災後の朝鮮人虐殺を示唆した作品に触れたのは『いだてん〜東京オリムピック噺〜』が初めてであり、事実として認識したのも初めてであった。前述の作品では本題のオリンピックとはかけ離れているが、今となっ>>続きを読む

ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.3

ホラー映画のゲートウェイとして、小学生くらいから楽しめる作品が目立たなくなって来ている現在において、その役割を充分に果たしていた。『ホーンテッドマンション』(03)でのエディ・マーフィーが牽引した明朗>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

2.9

『THE LAST OF US』や『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に続き、ゲーム原作の作品の隆盛前夜に新たな可能性を示唆する一本になったと思う。

ゲーマーが実際のレースのドライバーとして運
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バッド・ヘアー(2020年製作の映画)

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端正なルックと洗練されたアングルのセンスが光るが、髪の毛のアクションシーンが上下左右にだけしか躍動せず、奥行きのアクションが感じられなかった。

ホーンテッドマンション(2003年製作の映画)

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プロダクションデザインにめちゃめちゃ力が入ってる。「怖くていい 誰だって怖い」がかなりいいセリフ。亡霊が天国に旅立って行くシーンが楽しそうで何より。

嵐の中で(2018年製作の映画)

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いくつかの人生の可能性を並べて、こっちの方が良さそうだからこっちにしようっていうわがままがまかり通って良いのか。