蛇らいさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

嵐の中で(2018年製作の映画)

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いくつかの人生の可能性を並べて、こっちの方が良さそうだからこっちにしようっていうわがままがまかり通って良いのか。

ジャングル・クルーズ(2020年製作の映画)

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やはりエミリー・ブラントはコスチュームじみた衣装もさまに着こなす。船長に踊らされ金をせびられる金持ちの乗客、ネズミを撃ち殺してピラニア食べさせるアンチディズニーの側面もあり笑える。

後半は失速気味な
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トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.0

『バンブルビー』ではバンブルビーの元々の可愛さをフィーチャーしていて、愛着に繋がっていたが、今後のシリーズの方向性として本作はキャラクターへの愛着を持てるかという点を気にしていた。

結果として、本作
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トランスフォーマー(2007年製作の映画)

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侵略するエイリアンの要素が強めに作用している。物体を破壊する描写とトランスフォームする滑らかな動きが圧巻。話のまとまりが悪く、長めに感じるのが欠点。

歩けなくなったバンブルビーを牽引車で引きずって、
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ドラえもん のび太の恐竜(1980年製作の映画)

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原作由来のケレン味のある演出で可笑しみを踏襲しつつ、現代のドラえもんシリーズにはない情緒のあるシーンが際立つ。

ピー助と遊んだバレーボールで、寂しそうに壁当てをするのび太を見つめるセリフのないドラえ
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.4

火と水の持つ特性を活かしたアクションが躍動していた。生活に多少の支障が出て、動作のおぼつかなさが可愛げに繋がっているのだが、『トイ・ストーリー』のおもちゃ的な不器用さを感じてよかった。火の光源を水に透>>続きを読む

夜を走る(2021年製作の映画)

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どうしようもない場所にいたとしても、どうしようもない人間だけにならなければ活路はあるだろうと。

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

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何故に誰かを傷つけてしまうのか、子どもには分からないように世界はできている。でも、自分だけが知っていることは絶対に手放してはいけない。

エクソシスト(1973年製作の映画)

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カッティングのテンポで恐怖を捲し立てるのが上手い。公開当時に観ていたら年間ベストは堅いだろうな。

バービー(2023年製作の映画)

3.9

自分自身に最も影響を与えたフィルムメーカーの1人、グレタ・ガーウィグ。グレタが作家として、1人の女性としてどう本作に向き合ったのか、グレタのパーソナルな側面とフィルモグラフィを参照して紐解こうと思う。>>続きを読む

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

3.5

こんな面白いエピソードがバンバン出てくる人間性と制作現場なのかとしみじみした。彼自体が映画的な側面を孕んだ存在なのだ。

作品毎のエピソードをキャストとスタッフがインタビューに答える形式なのだが、回答
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赤い靴(1948年製作の映画)

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『バービー』に影響を与えた作品③

要所でキマッたショットはあるものの、ダイナミズムに欠けるが、逆にドリームバレエ的ではない舞台劇のリアリズムは感じられ、荘厳なルックが素晴らしい。恐らくスコセッシが着
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

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単純に作法をわきまえているということなんだろうが、常に映画を観ているなという実感が付きまとう。

チップ渡す渡さないの押し問答の駄話は不思議にずっと見ていられる。脚本家タランティーノとしての筆致も光っ
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トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

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何度目かの。

親に連れて行ってもらったレンタルビデオショップでレンタルするのは8割は本シリーズだった。

子どもたちがおもちゃへの空想を具現化したような大活劇。1作目から子どもたちに気に入られる、捨
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シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

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『バービー』に影響を与えた作品②

色彩が美しく煌びやかである反面、気品のあるショットとケレン味とのバランスが上手く取れている。全編ミュージカルパートで進行することに面くらったが、プロダクションデザイ
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ハンナだけど、生きていく!/ハンナはいつも、アイされたい(2007年製作の映画)

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目指しているところも理解できるし、意義も感じられるが、作為という楽しさとのバランスはもっと上手く取れるのではないか。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.7

マクガフィンである鍵の使い方をクリアできている作品は、それだけで評価に値する。二分する仕組みになっていて、二つのパーツが合わさって機能する仕組みは、鍵の行方を画面上で巧妙に動かして、手品的なトリックを>>続きを読む

アーロと少年(2015年製作の映画)

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天変地異が起こったとしても何も変わらないディストピア。恐竜が知能を有した世界でも家父長制と強さを求められる。家族というコミュニティから外れた少年すら、最後は結局、家族に帰属させられる。

スマイル(2022年製作の映画)

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ファーストシークエンスの高揚感が着火してから沸点に達するまでの素早さには驚いたが、それ以降の凡庸さは否めない。

呪いのルールが明確になり、主人公が精神的な専門性から攻略していくことが決まってからは、
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死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

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映画館で暗殺の一報が伝言されていく描写そのものが、この作品を体現している。影の演出が冴えていて、時に実態のないものへ恐怖を抱いたり、群集心理による人々の情動が禍々しい。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

※ネタバレを含む。また、以下の感想は正解ではなく、個人的に腑に落ちた解釈でしかないのであしからず。


恐らく本作についての前情報に初めて触れたのは、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』制作前の庵野秀明か
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

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何度目かの。

ここ数年の映画界の移り変わりが激し過ぎて、素直に楽しめなくなってる。

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

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『バービー』に影響を与えた作品①

モーニングルーティーンの一連の流れが軽やかで見事。ジーン・ケリーとレスリー・キャロンの身体性で表現される心象風景が芸術的だ。物語をすっ飛ばした怒涛のミュージカルシー
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

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人間や飛行機、弾丸と、カメラに向かってくるものの殺意に満ちた演技が素晴らしい。

意外と状況説明のセリフが多いが、記憶に残るものも多い。飛行体への異常なまでの執着と、アクションの艶かしさは生きいきして
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

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暗殺未遂されるし、身を投げ打って行動起こしても投獄されるし、もっと大きな連帯をしていくしかないな。

崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

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スケッチのような美術のルックと、絵本のようなキャラクターとタイトルに見事に踊らされる。ポニョが血を飲んで人間化するところから、すでに常識から逸脱した物語は始まっている。

別れる決心(2022年製作の映画)

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出会う場所とタイミング、状況、すべてが掛け違えたボタンの世界の中で、出会ってしまった美しすぎる生きる理由。驚くほどに言葉を失う。

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.0

序盤のハイライトは、過去の最盛期だった頃のインディとハリソン自身の冒険活劇を回想しているような構成で、両者の終わりと始まりを示唆している。

絞首刑にさせられそうなインディは、間一髪でピンチを潜り抜け
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X エックス(2022年製作の映画)

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ジャンル映画としての滑らかな話運び、いわゆる神の視点からの俯瞰のショットが秀逸。映像的な恐怖と、老化による心身の不全への恐怖を相対的に配置した作劇は、予定調和から脱している。

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

1.9

本作がなぜワンショット撮影で撮られたのかという点について考えた。ヘイトが起きる構造へ寄与しているのは確かで、タイトルのように穏便に静かに膨れ上がるものではなく、小さな火種にガソリンを注いだ時のように瞬>>続きを読む

コップランド(1997年製作の映画)

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忘れられない人の命を救ってしまったこと、警察官の腐敗、そこに所在する自信を慰めるように気丈に生きる主人公が物悲しく、それこそが物語として機能する。

こんな奇跡みたいな映画に出会うと多幸感えげつない。
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.3

ヒーローの能力、武器やギミックの見せ方が斬新でとことん楽しい。タイムトラベルやマルチバース云々のビジュアルも既視感がなく、端々にまで創意工夫が感じられる。特にフラッシュがタイムトラベルする時に出現する>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

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ヴィオラ・デイヴィスの並大抵の文句では口説き落とせなそうな強者感が圧巻。誰が履いたかが物語になっていくという言説は、マイケルに限らず、身につけるアイテムひとつの文脈がいかに重要なのか身につまされる。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.0

「選択の余地はない」
「選ぶ自由なんてあるの?」「今はない」
そんなセリフが交錯していた前作『スパイダーマン:スパイダーバース』から5年。研ぎ澄まされたマイルスの成長譚としてのストーリーに仕上げてくる
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