butasuさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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エピデミック〜伝染病(1987年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ラース・フォン・トリアー初期の実験的作品。モノクロ映像なのに常に左上に表示されている赤文字の"EPIDEMIC"、現実(荒い映像)に劇中劇(鮮明な映像)が侵食していくかのような構成、全編に散りばめられ>>続きを読む

離ればなれになっても(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前半は割と冷めた目で見ていたのだが、終盤に行くに従って尻上がりに良くなり、ラストシーンでは完全に心を掴まれてしまった。

男三人女一人、10代を共に過ごした彼らは、くっついたり離れたり再会したり揉めた
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エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

3.0

映像が本当に素晴らしい。全編統一された黄色いセピア調の色彩に、独特の浮遊するようなカメラワーク。この映画自体が主人公が催眠術で過去を回想している夢であり、さらにその中で容疑者の行動に自分を同化させてい>>続きを読む

神様メール(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

最高だった。ジャコ・ヴァン・ドルマル監督がどストライクなのかもしれない。

大好きなのだが、何が好きなのか説明するのが難しい。まず主人公の少女エアが神様の娘であるという突飛な設定と、それをさらりと描い
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

決して悪くはないのだが、前二作があまりに好きだったので、期待値が上がりすぎてしまったのかもしれない。これまでほど心を揺さぶられることはなかった。

まずは何よりも草薙役の北村一輝の熱演について触れたい
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

2.0

アニエス・ヴァルダ監督はやはり演出が素晴らしい。精密検査の診断結果が出るまでの不安な2時間を淡々と描いた映画で、主人公の揺れ動く気持ちを繊細に描写している。ただそれはそれとして、さすがにストーリーが無>>続きを読む

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

絵に描いたような幸福な一家だったが、夫が浮気をする話。終盤まで本当にそれだけでそれ以外は一切ない映画なので、かなり肩透かしというか「何だこの胸糞の悪いだけの映画は」と違和感を持って観ていた。それでも場>>続きを読む

RED/レッド(2010年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。サクッと楽しめるザ・娯楽映画。引退した元CIAたちが現CIAに命を狙われるストーリー。話として目新しいことは特にないのだが、とにかく全編ユーモアに満ち溢れており、観ていてずっと楽しい。ちっ>>続きを読む

告発のとき(2007年製作の映画)

3.0

地味だがズシンと来る映画。トミー・リー・ジョーンズの存在感が素晴らしい。逆にシャーリーズ・セロンはこの映画に必要だったのかかなり疑問だが、これくらいの華を入れないと地味になりすぎてしまうということか。>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

イーサン・ホークの無駄使い。子供向けの域を出ない、退屈で子供騙しのスリラー。

連続少年誘拐殺人犯に監禁された主人公が、これまでの犠牲者たちからかかってくる電話の情報をもとに犯人と戦い脱出する話。同時
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

2.0

いかにも"クール"と"キュート"だとか言われて特に女性から絶大な人気が出そうな主人公ペアだが、自分は一切共感できなかったし好感も持てなかった。

確かにレイプをする男は悪だが、ルイーズが撃ったのは正当
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

前半の繊細さは本当に素晴らしかった。売れないYouTuberの優里(岸井ゆきの)とそれを"善意"で支える田母神(ムロツヨシ)だったが、優里は人気YouTuberと出会うことでどんどん調子に乗って田母神>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

最高だった。こんな映画がほぼたった一人の日本人によって作られたなんてとても信じられない。

世界観の構築の上手さ、デザインにおけるかわいいとグロテスクのバランスのとり方、キャラクターたちの圧倒的な魅力
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ミナリ(2020年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

そんなに良くもないがそんなに悪くもない映画。家族(大人たち)が全員とても人間臭く、善人でも悪人でもないところが良い。ただそのせいで観ていて不快感もある。

夫は自分の夢を叶えることばかり考え、家族を気
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マーターズ(2007年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

界隈での有名作だがあまりに怖そうなのでビビって敬遠していた。今回意を決して鑑賞。やはり怖かったが、映画としての面白みともったいなさも感じた。

まずリュシーが自殺するまでの前半は、バイオレンスホラーと
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ギリギリの暮らしを送る母と息子が、それでも「生きる価値」を見出して懸命にもがく映画。

もうずっとひたすら胸糞展開なので、観ていてかなり辛い。ただ、主人公である良子役の尾野真千子の凛とした佇まいが素晴
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痛くない死に方(2019年製作の映画)

2.0

ちょっと思想の押しつけが強すぎてキツかった。「病院で管を繋がれまくって痛く死ぬくらいなら、家で穏やかに死ぬ方が人間の尊厳が保たれる」という、その思想自体には何の異を唱えるつもりもない。しかし、この映画>>続きを読む

エリザベス∞エクスペリメント(2018年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

男が愛玩用に育てたクローンが反逆して男を殺しました、というだけの映画。演出やビジュアルがかなり良いので最後まで観られてしまったが、ストーリー的にはさんざん手垢の付いたベタなもの。

男の行動原理に納得
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かくも長き不在(1960年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

行方不明の夫アルベールにそっくりな記憶喪失の男に執着する女の話。結局本人だったのかどうか言葉では明かさないものの、アルベールと呼ばれてとっさにホールドアップしてしまう男を見せるラストシーンで余韻を残そ>>続きを読む

午後3時の女たち(2013年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

夫は多忙で構ってくれないし、専業主婦のコミュニティにもうんざりしている主人公のレイチェルが、売春婦のマッケナを自宅に招き入れる話。非日常を求めマッケナを招き入れたものの、彼女に連れられて行った売春の現>>続きを読む

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

1.5

界隈では人気のあるアキ・カウリスマキを初鑑賞。結果、自分にはまるで合わないことがわかった。ちっとも面白くない。コメディにしても笑えないし、ヒューマンドラマにしてはリアリティがなさすぎるし、そもそも展開>>続きを読む

沈黙の戦艦(1992年製作の映画)

2.5

最強コックがジャックされた戦艦を救う!という本当にそれだけの映画だが、テンポが良いしキャラも立っているので普通に楽しめた。登場時にウザかった女が後半で活躍するのとか、チーム皆でミッションをやり遂げるの>>続きを読む

(r)adius ラディウス(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

佳作。結構面白いのだが、「二人が半径15m以上離れると男の周りが全員即死する」という設定が良すぎるあまり、そこに過度な期待をすると肩透かしをされる作品。この設定はあくまで本作のエッセンスにすぎず、メイ>>続きを読む

ノア 約束の舟(2014年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

ずーっとイライラした。どうやら主人公の身勝手さに怒る人が多いようだが、自分は完全に逆。むしろ家族に対してイライラが止まらなかった。これは少数派だろうな。

「神のお告げのままに、家族以外の人間を救わな
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

2.5

ワンカットで撮られたレストランの騒動。かなり工夫して撮影されているのはわかるし、リハーサルは相当大変だったんだろうなとも思う。何か取り返しのつかないことが起こりそうな不穏な雰囲気がすごいので、飽きずに>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

ずっとイライラし通しだった。冒頭の時点で、街がめちゃくちゃヤバい状況であることが馬鹿にだってわかる。明日にでも幼い息子が殺される可能性がある。そんな状況で、この母親は「家族がいる、親戚がいる、友だちが>>続きを読む

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

よくある"邦画大作"かと舐めていたのだが、普通に面白かった。

菅田将暉は相変わらず上手いが、とにかく田中泯が素晴らしすぎる。演技というか、佇まいが唯一無二。終盤で急に圧倒的な存在感を示し、ラストでは
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マダム・イン・ニューヨーク(2012年製作の映画)

3.0

良い映画だった。抑圧されていた女性が自分らしい生き方を取り戻す、という、言ってしまえば元祖フェミニズム映画なのだが、本作には近年のフェミニズム映画のような押し付けがましさやいやらしさは全く無い。主人公>>続きを読む

フロッグ(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前半と後半で同じ時系列を繰り返すのだが、ホラー風味の前半に撒いた伏線をサスペンス風味の後半できれいに回収していく。そうして前半とは違った側面が見えてくる…といった話。とにかく脚本が良くできていて、この>>続きを読む

あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

御曹司と使用人の恋、なのだが、全く感情移入ができなかった。お互い、どうして恋愛感情を持ったのかがまるでわからない。主人と使用人としての信頼関係が築かれていく(この過程の描き方も割と雑だが)ようにしか見>>続きを読む

ドアロック(2018年製作の映画)

2.5

ホラーかと思いきや割と真っ当なサスペンスだった。ストーカーに狙われた女性を描く話としては王道の展開。急に無音が挟まる冒頭のシークエンスがかなり怖かったのでドキドキしたのだが、中身は大して怖くなかった。>>続きを読む

RENT/レント(2005年製作の映画)

1.5

冒頭だけ凄く良かった。特にあの「RENT!」を連呼する歌のシーンは、完成度が高く圧巻だった。日本語にすると「家賃!」なのも面白い。ところがいざ本編が始まってみると、これが酷くつまらない。キャラクターた>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

驚くほど可もなく不可もない映画だった。予想以上のことは何も起こらないし、観終わった後にも何も残らない。今の時代に改めてこんな何ということのない映画が評価されるんだなぁ、とちょっと置いてきぼりの気分。い>>続きを読む

3つの鍵(2021年製作の映画)

2.0

モヤモヤした。登場人物はどいつもこいつも自分のことばかり。自己中で後先を考えずに行動するため、観ていてずっとゲンナリする。酒気帯び運転で女性を轢き殺して保身ばかり考え反省ゼロのクソ息子、そのクソ息子を>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

前半、部長がブレスレットを叩き割るところまではめちゃくちゃ面白かった。タイムループもので、タイムループに最初に気付いているのが主人公以外であるという新しさ、そこからメンバーを一人ひとり説得して味方につ>>続きを読む

パディントン 2(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

安定の面白さ!脇役に至るまで魅力的なキャラクター、思いもよらぬピタゴラスイッチによる爆笑パニック、勧善懲悪でスッキリするストーリー、驚くほど細やかな演出、そして何より鑑賞後の何とも言えぬ多幸感。とにか>>続きを読む