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テルマ&ルイーズのbutasuのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
2.0
いかにも"クール"と"キュート"だとか言われて特に女性から絶大な人気が出そうな主人公ペアだが、自分は一切共感できなかったし好感も持てなかった。

確かにレイプをする男は悪だが、ルイーズが撃ったのは正当防衛でも何でもない、ただの個人的な苛つきによるもの。レイプされた過去があるからといって別に関係のない男を撃つことが許されるわけでもない。そしてテルマは「誰も傷つけなかった」と自分の強盗の腕前にうっとりするが、たまたま運が良かっただけでいくらでも不幸は起こり得た。大体店主が金に困っている人で自殺でもしたらどうするのか。どうして自分がされて絶望したことを全く関係のない他人に同じように実行して楽しそうに笑えるのか。もう不快感しかない。

真面目な警官をトランクに閉じ込めたのもそう。あの暑さで熱中症で死んだらどうするの?ちょっと下品なからかいをしてきた男に対する仕返しも度が過ぎているし、とても感情移入できず気持ちがついていかなかった。
あと刑事が終始彼女たちに同情的だったのにもハテナだった。「運が悪かっただけ」というが、あの刑事は実際の現場はちっとも目撃していないわけで、自分の妄想で女二人に夢見てるだけにしか思えない。というか普通に殺人に強盗に監禁だから、運とかのレベルじゃない。一つも事故ですらないし。ちょっと意味がわからなかった。

ブラピはちょい役だがさすがの存在感。調子こいているだけの若者なのだが、見た目と雰囲気が良すぎる。

リドリー・スコットだけあって、映画の"ルック"は素晴らしい。映像の見せ方や演出は映画のお手本のようだった。

フェミニズム全盛の今にリバイバル上映とかしたらめちゃくちゃ大ヒットしそうな映画。
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