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告発のときのbutasuのレビュー・感想・評価

告発のとき(2007年製作の映画)
3.0
地味だがズシンと来る映画。トミー・リー・ジョーンズの存在感が素晴らしい。逆にシャーリーズ・セロンはこの映画に必要だったのかかなり疑問だが、これくらいの華を入れないと地味になりすぎてしまうということか。

しかしこの邦題は酷い。全然「告発のとき」ではない。ラストに何か重大な告発がされるのかと構えて観てしまったがちっともそんなことはなく、邦題のせいで肩透かし感を覚えてしまい残念だった。

事件の顛末は予想の範疇を超えるものではなく、医者でもない息子に"ドク"のあだ名が付いていたことから現地での息子の様子は早々にわかるし、そもそも冒頭のシーンから息子が病んだきっかけも読める。伏線を序盤で出すのは良いが、ちょっと丁寧すぎて話が完全にわかっている状態で延々と主人公と無能刑事の謎解きを見せられるのはきつい。

ともあれ本当にトミー・リー・ジョーンズが醸し出す苦悩感が凄まじいので、観ている最中も観終わってからもずっと心が痛くなる映画であることは間違いない。
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