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ブラック・フォンのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

イーサン・ホークの無駄使い。子供向けの域を出ない、退屈で子供騙しのスリラー。

連続少年誘拐殺人犯に監禁された主人公が、これまでの犠牲者たちからかかってくる電話の情報をもとに犯人と戦い脱出する話。同時進行で超能力者の妹が予知夢により監禁場所を突き止める話も進む。これがどちらも本当に退屈。

予知夢を見たという少女の証言のみを頼りに、警察が一斉にその家に突入していくくだりはあまりにゲンナリ。しかも結局少年は自力で脱出するから、警察は一切関係がないし。どうやらこの辺りは映画化にあたり原作にはなかったシーンを足しているらしく、本当に蛇足もいいところ。妹のシーンは全部カットしても成り立つレベルで、むしろただただテンポを削いでいるだけ。

少年の脱出も上手く行き過ぎており嘘くさい。そもそも監禁されてから少年がずっと冷静なままなので、ちっとも焦燥感や緊張感がない。普通もっと取り乱したり泣いたり怯えたりするものでは?そのせいでちっとも犯人も怖く見えないという演出ミス。

あの屈強なイーサン・ホークをいとも簡単にやっつけるのも無理がある。何かとっておきの作戦でもあるのかと思いきや、黒電話に土を詰めて物理で殴れ!だもんなぁ。一応それまでのアドバイスが何となく活かされる形にはなっていたが、たまたまハマっただけですべてが偶然だし。一度逃げられているのに玄関のロックの番号がそのままになっているのもあり得ない。

ジャンプスケアも使われているが、ホラーとしては驚くほど怖くない。小学校高学年~中学生なら楽しめるかもしれないが、児童虐待描写もあるのであまり子どもに見せたくはない映画。
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