KSatさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

最強のふたり(2011年製作の映画)

4.0

「ショーシャンクの空に」や「スタンド・バイ・ミー」、「グッドウィル・ハンティング」と並び、そんなに映画を観ていない人でも好きな映画として挙げることが多い映画、という印象で食わず嫌いで観ていなかったんだ>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.1

ここ最近増えているフェミニズムの視点で男性の有害性を皮肉るコメディとして、「バービー」よりはよっぽどマシなんだけど、微妙。。。

なんでウィレム・デフォーなのかなあと思ったが、途中で気付いた。トリアー
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夜の大捜査線(1967年製作の映画)

3.9

ノーマン・ジュイソンの訃報を聞き、そういえば「月の輝く夜に」しか観てなかったため、観てみた。

公民権法が成立して3年後に製作されたこの映画は、今観ると、なかなか厳しいモノがある。黒人であるシドニー・
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

「お前、さすがにそれは死ぬやろ」とか、「いや、その作戦はおかしいやろ」とか、「そうはならんやろ」って感じのツッコミどころのオンパレード。

何より、タイパ重視でTikTokやYouTubeショートしか
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カラーパープル(1985年製作の映画)

3.9

リメイクされると聞いて、初鑑賞。

当時、スピルバーグが賞を獲りに行ったと批判されたらしいが、普通に面白かった。

ゴスペルやブルース、R&Bにも見られるような、アメリカの黒人の過酷で悲惨な状況をその
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破局(1961年製作の映画)

3.5

失恋した男が、手紙を書こうとするが、何故か書けない、というスラップスティックコメディ。エテックスの処女短編。

エテックスの自室にある愛用品が、何故かこの時ばかりは言うことを聞いてくれない。

確かに
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版(1984年製作の映画)

4.7

これこそが、人生だよ、、、これから先の人生で何度でも観たくなることが確定した映画。

4時間もあるのに、むしろ、たった4時間で一人の人間の一生を追体験したことに驚きを禁じ得なくなる。そんな映画だった。
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.2

良い意味で、今の映画。

近い未来における家族像、思索、自然と人工物の対比と相似、そして、喪失。それらの要素を、これ以上ないほどやさしい眼差しで、ただ見守る。

そこに批判的な観点は一切ない。ただ、見
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ヨーロッパ(1991年製作の映画)

4.2

ラース・フォン・トリアー初期の傑作。

だが、これを観ると、マジでトリアーという人がいかに特定の方法論を持たず、ただただ新しい映画のスタイルを模索することに終始しただけの人なのではないか、と思わされる
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ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

3.7

30分で終わるはずだったのにどんどん泥沼化していったモガディシュの戦闘を描いた、戦争映画の金字塔。

やはり金字塔というのは、良くも悪くもベタになってしまうんやな、と思い知らされた。2000年代以降の
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.5

さすがに今度こそは黒人問題関係ないSFホラーなんやろ?と思ったら、初っ端からO・J・シンプソンネタで観る者を苦笑いさせるイジの悪さが炸裂。完全にアメリカの黒人が作った映画やね。スティーヴン・ユァンの使>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.1

濱口國雄が書いた「便所掃除」という、個人的に大好きな詩がある。これは、掃除夫の男の主観でひたすら便所を掃除する様をありのままに描写した、極めて露悪的な詩である。

しかし、その詩の最後に待っているのは
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11'09''01/セプテンバー11(2002年製作の映画)

4.0

9.11から1年後、世界各国の11人の監督が、9.11をテーマに、11:09:01という尺でそれぞれ制作した、オムニバス。

かなり前に観たきりで、いくつか記憶が曖昧なものもあったのだが、この映画は公
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少年の君(2019年製作の映画)

3.5

映画としては、ちょっと生真面目な演出だし、なんだか「ヒミズ」みたいな噺で、とにかく暗いなあという印象。救いがなさすぎ。

面会室での切り返しのしつこさとか、いかにも最新のスタビライザー使いましたって感
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

ジャズって何やろね。よう知らんけど、個人的に思ってたジャズとは違いすぎるし、色々ツッコミどころ多すぎてなあ、、、

なんか気合い入ってるのはわかるんだが、演奏シーンすら、クサイと思ってしまった。岩井澤
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グロリア(1980年製作の映画)

4.0

カサヴェテス大好きなのに、なぜか観れてなかった、、、一番、商業映画してるカサヴェテス映画。

他のカサヴェテス映画のような荒削りで生々しいドラマの臨場感やケレン味には欠けて少し物足りないが、これはこれ
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(2023年製作の映画)

3.2

BL要素を入れたり切り株要素を盛り込みまくったりして、大河ドラマみたいな行儀の良い戦国モノの映像作品に一石を投じたかったのはわかる。「戦国時代なんて、こんなものよ」というね。

でも、ちょっと噺がとっ
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彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

2.7

ネタバレ厳禁的な触れ込みの叙述型ミステリーだと思って、ちょっと期待値高めに観てみたら、まあ、それはそうなんだけど、ちとダルすぎる、、、

どうやら、ヒロインの精神世界を展開しているようだが、映されてい
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ロッキー(1976年製作の映画)

3.5

THE今更初見シリーズ。

正直、ちょっと長いし、バート・ヤング演じるポーリーがクズすぎる(七面鳥投げ捨てんなよ!!!)し、少し中途半端なところもあるけど、クライマックスの試合はさすがに胸熱すぎるし、
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燃えよドラゴン ディレクターズ・カット版(1973年製作の映画)

2.4

実は観たことなかったんだけど、なんというか、ハリウッドが関わってダメになった映画の典型って感じがする。表面的には他の香港製李小龍映画と何も変わらないが、明らかに映画としてのテンポが悪く、全然面白くない>>続きを読む

伯爵(2023年製作の映画)

2.4

もしもピノチェトが吸血鬼だったら、という設定の下で展開される、チリ製ダークファンタジー。まあ、設定はオモロいけど、ホンマに設定勝ちな映画。

撮影がエド・ラックマンなだけあって、確かにモノクロームの画
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イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

3.7

ヴィゴ・モーテンセンのフルチン格闘シーンで知られる、おそロシアなノワール。

最近観た「オーケストラ!」だとロシア人はみんなアホみたく描かれてたけど、この映画とか「ジョン・ウィック」だと、ロシア人はみ
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ボス・オブ・イット・オール(2006年製作の映画)

2.7

ラース・フォン・トリアーが「イディオッツ」以来、久しぶりにデンマーク語で撮った劇映画で、初のコメディ。とはいえ、ちょっとカフカ的ともいえる不条理モノだ。

あまり自信がないのか、最初に自分で「これはコ
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.5

女、車、犬を失ったキアヌが、復讐に燃える噺だって聞いてたけど、ホントにそのまんまだった。

アクションに全振りするために物凄く設定を単純にしてるのは好感。ファーストフードみたいに単純。

でも、薄暗く
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極私的エロス 恋歌1974(1974年製作の映画)

3.4

大学時代、授業サボりまくったせいで観られなかった一本、今更ながら。

原一男が、今カノ・小林佐智子と一緒に、元カノ・武田美由紀を撮りに沖縄へ向かう。

もうね、この人間関係からして意味わからんのよ。ま
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オーケストラ!(2009年製作の映画)

3.5

ソ連時代にボリショイの指揮者だったのに色々あって掃除人のオッサンになってしまった主人公が、ひょんなことからボリショイになりすまし、かつての仲間たちを集めてパリ公演を敢行しようと目論む。

ルーマニア人
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ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

3.6

自分の娘が1秒だけ映ったニュース映画を観るため、労働改造所から脱走してきた男。

もうお分かりですね。チャン・イーモウが監督した文革の映画です。

フィルム缶をめぐって砂漠で繰り広げられる活劇とか、村
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MAMA(2013年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

森の中の廃屋で「ママ」と呼ばれる存在に育てられた幼い姉妹と、2人を預かることになった子供が苦手な女ロッカーの生活。

ジワジワくる系のホラーかと思ったら、結構見た目的に色々ヤバいやろってこと(家に変な
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.8

観終わった後、ションベン横丁で生呑みたくなるように作られた史上初のハリウッド映画。たまたま歌舞伎町で観たから、終わってすぐに駆け込んだわなあ。

でも、TOKYOの描写がまだまだ微妙だったし、ゲームゲ
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につつまれて(1995年製作の映画)

3.4

初河瀬直美。河瀬直美が、一度も会ったことがない父を探して彷徨う中編セルフドキュメンタリー。

河瀬直美引越しし過ぎやろ、、、昔済んだ住所を読み上げながら、その場所の細部を映していくところは、無機性と有
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ZOO(2004年製作の映画)

2.5

乙一の短編集を原作にしたオムニバス。

面白くはないけど、2000年代前半の雰囲気は感じられて嫌いにはなれない。


カザリとヨーコ

ニンジンの切れ端だって喰ってやる!!

SEVEN ROOMS
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ザ・シャウト/さまよえる幻響(1978年製作の映画)

3.7

いやあ、これはマジで頭おかしい映画。でも、ちゃんとサスペンスではあった。

蝿、羊、ワイン、教会、犬など、あらゆる象徴から明らかなように、クロスリーはたぶん悪魔だろうし、ものすごく深読みすると、これは
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シテール島への船出(1983年製作の映画)

3.8

アンゲロプロスが描く、無国籍者の郷愁と彷徨。

ふさわしい役者が見つからずに苛立つ主人公の映画監督が、たまたま見つけた老人を追いかけるところからはじまる物語。しかし、なんの説明もないまま、同一カットの
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太陽に灼かれて(1994年製作の映画)

1.9

ミハルコフ初めて観たけど、驚くほど退屈でびっくりした。

ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

3.6

大学時代に観た時は、何だか凄いものを観てしまった気になり、もう一度だけ観たいと思っていた。確かに、全編50mmレンズだけを使い、モノクロ画面で、ほとんどカフェとアパートの部屋ばかりが出てくるこの映画は>>続きを読む