KSatさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

スピルバーグ!(2017年製作の映画)

3.5

スピルバーグ好きにはたまらないドキュメンタリー。スピルバーグという人の凄さだけでなく、人間らしさにも注目している。

前半はただただ「スピルバーグすごい!」だけでちと退屈だけど、後半になると、彼のユダ
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

4.2

カサヴェテスの最高傑作ともいわれることが多い一本。やっと観れた。想像以上にコメディだった。

「ラヴ・ストリームス」というタイトルとか、予告編やポスターの感じから、孤独な人たちが愛を獲得したり、熟年夫
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ブラ! ブラ! ブラ! 胸いっぱいの愛を/ブラ物語(2018年製作の映画)

2.9

どこかの国、機関車の運転士をしてるおっさんが、風に乗ってやってきたブラの持ち主を探す物語。

「ツバル」が結構良かったから、ファイト・ヘルマーの最新作ということで楽しみにしてたのだが、ちょっと微妙。
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.9

90年代後半のトルコのリゾート地、娘と父のひと夏の思い出。

といえば聞こえは良いが、そうは問屋が卸さない。

どうやらお父さんは何かに絶望しているらしいのだが、それが何なのかハッキリとは明かされない
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ヴィジット(2015年製作の映画)

3.3

アメリカのホラー映画に出てくるアメリカ人のキャラクターに対して毎回思うんだけど、すぐ近くにバケモノがいるのに、なんで声をひそめないでそんな大声で喋れるの?黙れないわけ?「誰かいる!」「見てくる!」じゃ>>続きを読む

DOOR III(1996年製作の映画)

3.4

やっぱり黒沢清の映画はツッコミを入れながら観ると楽しいなあ、と思ったが、割と普通に怖かった。

ジョン・カーペンターやトビー・フーパーらのホラーへのオマージュが特徴的ではあるが、実は「CURE」におい
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少年、機関車に乗る 2Kレストア版(1991年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

初フドイナザーロフ、初タジク映画。

土食癖がある弟とチンピラ崩れな兄貴が、離れて暮らすお父さんに会いに行くため、機関車に乗る珍道中。前半は機関車に乗って展開されるロードムービー、後半は地元でお父さん
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華岡青洲の妻(1967年製作の映画)

4.3

日本人が世界に誇るべき発明といえば、何があるか?カラオケ、絵文字、プレステ、味の素、VHS、カッターナイフ、インスタント麺、LEDライト、カーナビ、、、

そして、全身麻酔である。これは、江戸時代に史
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イディオッツ(1998年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

言わずと知れたトリアーの問題作。

ぶっちゃけ、ドグマ95のアプローチやら「知的障害者を演じることで解放されていく健常者の集団」というモチーフやら、いかにも手段やテーマが先走りすぎたクソ映画だろうなと
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水の精 マーメイド(1996年製作の映画)

4.3

レンブラントの絵画やソクーロフの映画を思わせる、圧倒的な画の力。アニメ芸術の極北。

如何様にも解釈できる物語だけど、人魚の美しさは忘れられない。

老人と海(1999年製作の映画)

4.1

結構前から気になっていた作品。

とにかく、バショウカジキの躍動感や海の描写が感動的。凄すぎ。

改めて観ると、「ライフ・オブ・パイ」みたいなカットがめちゃくちゃ多いんだけど、この映画の画は感動するの
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エデンより彼方に(2002年製作の映画)

4.4

もしも1950年代にヘイズコードがなく、そこでダグラス・サークが映画をとったら?/もしもダグラス・サークが現代で映画を撮ったら?

そんな実験的な映画。

下敷きとなるのはサークの「天はすべて許し給う
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黄金の馬車(1953年製作の映画)

3.8

18世紀、スペイン統治下の南米を舞台に、何故かめちゃくちゃモテまくるアンナ・マニャーニの姿を描いた、ジャン・ルノワールらしいラブコメディ。

マニャーニはイタリアの旅芸人一座の花形女優の役で、一座に同
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ひゃっかずかん(1989年製作の映画)

3.7

日本語と英語で同時にしりとりをするというスゴさ。

映像コラージュの楽しさが炸裂してる。

バベルの本(1996年製作の映画)

4.0

子供の頃にNHKで放送されて何気なく観てトラウマになった作品。山村浩二、許さん。

赤線地帯(1956年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

溝口の遺作だけど、これは凄い!

売春防止法が公布された昭和31年の吉原を舞台に、したたかに男を騙して儲けるやすみ(若尾文子)、病気の旦那と子供を養うハナエ(木暮実千代)、結婚に憧れるより江(町田康子
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江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

4.2

恥ずかしながら、初岡本喜八。

冴えないサラリーマン・江分利満(Every man)氏が、独り寂しく呑み歩いていた時に偶々出会った出版社の社員たちに促され、突如小説を書き始める噺。

岡本喜八はコマ単
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清作の妻(1965年製作の映画)

5.0

とんでもない傑作。震えた。

増村保造の他の映画同様、一々画とんでもない画が続く中、若尾文子の艶めかしくも哀しい姿が目に焼き付いて離れない。

日露戦争の頃の男女の悲恋を描いた切ないドラマ、、、のよう
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無気力症シンドローム(1989年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

観てるこっちが無気力になる2時間半だった。正直、かなり辛い。

夫の死を機に狂っていくオバサンの姿を延々と見せられて、「ああ、ソ連にもジーナ・ローランズみたいなスゴいオバサンがいたんやなあ」と感心して
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冬の旅(1985年製作の映画)

4.5

上映中、サンドリーヌ・ボネールに対して「なんやねん、コイツ」と心の中で100万回くらいツッコんでしまう105分。

今のところ観てきたアニエス・ヴァルダの映画にハズレがないんだけど、これはその中でも屈
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チコタン ぼくのおよめさん(1971年製作の映画)

3.7

何度観ても怖すぎ。昭和40年頃の日本における児童向け作品の水準の高さを伺える。

これを撮った岡本忠成が、後にあの「注文の多い料理店」を作ってるのは知らなかった。あちらは、個人的に子供の頃のガチトラウ
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DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

3.0

ソ連時代の研究施設を実際に再現し、延べ1万人の人を集め、昔のライフスタイルを徹底的に叩き込んで時には監督が役者やスタッフを洗脳しながら2年間暮らさせ、実際に科学実験をさせながら合間合間で映画を撮るって>>続きを読む

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

3.5

毎回、最初の15分くらいで寝落ちしてしまい、ちゃんと観たことがなかった、、、

言わずもがな、ジャームッシュの卒制。おそらく世界で一番観られている卒制だろうなあ。

ジャームッシュにしては珍しく、ちゃ
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グレート・ウォリアーズ/欲望の剣(1985年製作の映画)

3.7

ウァーホーヴェンの本当は怖い栄光のルネサンス、って感じ。

ルネサンス時代やバロック時代のヨーロッパ絵画を見ていると、「○○の略奪」というタイトルの作品が沢山見受けられる(「エウロペの略奪」、「レウキ
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ライアー ライアー(1997年製作の映画)

3.6

小学生の頃にこの映画をテレビで観て、「なるほど、弁護士というのは嘘を吐くのが仕事なのか!」と納得したのに、後々逆転裁判で遊んだ結果そんなことはなくて、めちゃめちゃ混乱した記憶がある。

ジム・キャリー
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

1.9

町山が褒めそうな映画やなあ、という感想しか湧かん。移民、格差社会と貧困、家族やジェネレーションの壁、LGBTQ、暴力と、いかにもなリベラルなテーマがこれでもかと盛り込まれてる。

けど、それらの要素は
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エース・ベンチュラ(1994年製作の映画)

2.8

顔面の筋肉が人より柔らかくてよく伸びるおかげでスターになった男ジム・キャリーの、その顔面の筋肉の動きを堪能できる探偵映画。

最初は、これはジム・キャリーの顔面ありきのくだらねえコメディかと思ったが、
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上飯田の話(2021年製作の映画)

3.1

知り合いが出演していたので鑑賞。

個人的に横浜市内の相鉄線沿線や横浜線沿線の絶望的に家しかない感じがそんなに好きではないので、ハマれず。

1話目の不気味さは良かった。あのリアルな保険屋の演技の積み
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コーカサスの虜(1996年製作の映画)

3.5

初ボドロフ。チェチェンに派兵された2人の兵士が捕虜になり、村人たちに監視されるうちになんか仲良くなっちゃう噺。「鬼が来た!」みたいな。

主人公の若い兵士役はボドロフの息子らしいが、なかなか可愛らしく
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