archさんの映画レビュー・感想・評価

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恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

4.2

『小悪魔はなぜモテる?』なんかのウィル・グラックのウェルメイドなラブコメ。
1度ワンナイト(行為なし?)を経験しながらもすれ違いで、仲違い。偶然彼らの親類友人が結婚することになり、顔を合わせることに。
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終わってる(2011年製作の映画)

3.2

青春Hシリーズ第10作目。矢印がすれ違いにすれ違う〇角関係の恋愛劇。如何にその角数を増やして、矢印をしっちゃかめっちゃかに交差させるか。その辺のテクニックがとにかく上手い。本作以前でもそういったテクニ>>続きを読む

有頂天時代(1936年製作の映画)

3.1

フレッド・アステアの魅力が全開。
おもしをドレスの端に入れてダンスが映えるようにしていたそうで、中盤の黒ドレスの動きが素晴らしい。

スティング(1973年製作の映画)

4.3

久しぶりの鑑賞。
スリ仲間の為の復讐劇ながら、ウェットにならないバランス感で進んでいくのがとても良い。それはひとえに有名なThe Entertainerの楽観的な劇伴による空気感の醸成が上手くいってる
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グレイテスト・ヒッツ(2024年製作の映画)

4.2

黙々とレコードに針を落として、回転とともにルーシー・ボイントンが回転する。すると場面は車内に。そこには
先程まで幸せなそうな回想の中に居た彼がいる。この冒頭の一連のシーンで主人公ハリエットの忘がたい思
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.3

本作を鑑賞後、家に帰って夕寝をしていると 家族の住む家が爆撃され、土砂降りの中腰まで水につけて避難している夢を見た。(なんか知らない家族がプラスされてたけど)

目が覚めた時、あぁ夢でよかったと安堵し
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ナショナル・シアター・ライブ「ベスト・オブ・エネミーズ」(2023年製作の映画)

5.0

大傑作だった。ロバート・ケネディが暗殺され、ジョンソンも辞退。民主党候補が立たず内部分裂しかけてる中、1度JFKに敗北したニクソンが共和党候補として挙がる。
舞台はTV。右派代表のバックリーと左派代表
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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

2.5

劇場で初めての鑑賞
世代としてはプリクエル世代で思い出深いのだが、EP1は元々そんなに好きじゃない。

好きじゃない理由としては、ナブー-タトゥーイン-コルサントの行ったり来たりする構成故になんだか
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ファンボーイズ(2008年製作の映画)

3.5

中学生ぶりくらいに観る

改めて観ると『ノッキングオンヘブンズドア』と何ら変わりない死を目前としたご褒美のようなロードムービー。
劇中の旅の中で病気についてはほとんど触れず 楽観的なロードムービーに徹
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マン・オン・ワイヤー(2008年製作の映画)

4.7

74年8月7日に起こったフィリップによるWTCでの綱渡りをこれでもかとケイパームービー的に演出し、そして1つの偉業として描いて見せたドキュメンタリー。こんだけ再現映像が入ってるドキュメンタリー映画も少>>続きを読む

成功したオタク(2021年製作の映画)

3.3

よく整理されたセルフドキュメンタリー。
自分と同じく裏切られたファンの十人十色な心理や意見を介して、自身の気持ちの整理をしていき、映画としての結末にたどり着く。言ってしまえば珍しくもないものではあるけ
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青春(2023年製作の映画)

3.3

長江デルタ地域の子供服工場で住み込みで働く10代の若者たちの生活を追ったドキュメンタリー。ワン・ビンのドキュメンタリーは初。

10代の若者たちが、手慣れた手つきでミシンの針を走らせる。背後では爆音の
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

4.1

クローン制度のSF的な面白さよりかは、そもそもその金持ち優遇の法制度自体に本作の根本的なテーマと結びつくところがあるので、そこに期待してると満足度が足りない気もする。


本作における死罪を大金によ
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辰巳(2023年製作の映画)

4.2

伊能昌幸は分かったけど細川岳は見つからなかった…後藤の後ろにいたか…?悔しい。



『ロード・トゥ・パーディション』や『グラン・トリノ』のような子連れ狼的なストーリーを屋台骨に、現代日本(ガラケー時
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.7

ハッピーアワー、この映画におけるどの瞬間を指すのか。4人が一緒に居られた瞬間を指すのだろうか。でも彼女たちは皆何かを隠していた。
では、それらが暴かれた最後、"本当"に近づいた瞬間だろうか。
とてもそ
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キングオージャーVSキョウリュウジャー(2024年製作の映画)

2.5

ちっちゃい頃よく見た戦隊モノVSシリーズの方がなんだか話としても面白かった気がするな

キングオージャーのファンサービスにもなってないし、作品としてもキョウリュウジャー関連の隙間を埋める話ながら、特に
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キングオージャーVSドンブラザーズ(2024年製作の映画)

-

ドンブラ見てないせいもあってか流石に俺を対象外にした作品なので、なんにも言えない

異人たち(2023年製作の映画)

4.5

大林宣彦版と比べる全く「やりたいこと」が異なっている作品で驚いた。
両作品はある男性が「孤独」に襲われ、その心の隙に亡くなった両親という「ノスタルジー」が忍び寄るというところから始まる。この「孤独」へ
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たまの映画(2010年製作の映画)

2.8

かつて一世を風靡した全員がシンガーソングライターの"たま"。現在は解散し、それぞれがソロで活動している。
この映画は何周年でもなく、誰かが死んだ訳でも無く、ただ解散後の"今"を記録する。

今泉力哉と
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うたうひと(2013年製作の映画)

3.9

震災後の東北記録三部作第3部として製作された本作は、東北で活動する「みやぎ民話の会」のメンバーを中心とした民話と継承についての映画となっている。

・カメラワークについて
とにかく「物語を語る」という
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.5

かなりスロースタートの印象ながら、アメリカでの「黒人」が如何なるステレオタイプを押し付けられているのかを風刺し、現代において活発になり始めている有色人種の人権運動が、白人にとっての「ファッション」に成>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

5.0

大傑作。デンマーク人の若い宣教師がアイスランドの最果ての地に教会にを建てに行く、というあらすじ。


デンマーク人宣教師が未開の地に教会を建てる旅に孕む植民地主義的で差別的な態度が、カメラというモチー
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

4.3

大林宣彦作品はあまり観ていないが、『HOUSE』に連なる「家」の異質な空間として存在感や、それこそ"罠"的な性質が、物語の不気味さを作り上げていて、セットや書割によって作られるフィクション空間が持つ「>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

2.8

エルヴィス・プレスリーの人生の傍らに常に置かれていたプリシラの人生を寄り添う形で描く。
その行為には意義もあれば弱点もあるとわたしは思う。


この企画最大の面白みは、秘められてきたエルヴィスの"本当
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アリラン(2011年製作の映画)

3.6

究極のセルフドキュメンタリー。
撮り手と被写体が同一の時に、どうしても漂う嘘くささを逆手にとったような作品。
サバイバル生活している様子を1台のカメラ「マーク2」で撮影していき、映画を撮れなくなった自
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.4

「もしも」を語る男たちと「もしも」を語らないヘソン、その対比にどうしようもない感傷を覚えた。
第三者の視点からのズームアップで始まる本作は、丁寧に観客を三者の視点に誘導していく。
カメラは三者に視点を
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百円の恋(2014年製作の映画)

4.0

やりたいことを見つける、そのフレッシュさとその気持ちが駆動させる人生や営みの快活が安藤サクラの闇雲さを通して描かれていく。

本作はニートがやりたいことを見つけて、恋をして、ボクシングという「人生の目
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貴公子(2023年製作の映画)

3.5

ブルジョワが酷い目にあう、そのカタルシスに全力投球の作品で見事だった。
蓋を開けてみれば主人公は巻き込まれただけ、彼が不幸な事態に巻き込まれて何かを得る訳でも無く、成長する訳でもない。ちゃんと「巻き込
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.5

アニメーションの不定形の楽しさが詰まった傑作。

黒にカラフルな水玉に始まり、白にカラフルな水玉で終わる対比もよく、あんだけイカれた珍騒動を起こしながらしっかり受容の話になっていてよかった。

遠近感
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毒娘(2024年製作の映画)

3.3

毒親、に対する形での毒娘。
過去に母親の放った火で火傷し不登校気味の萌花とまるで怪異のように存在するチーちゃん、その2人を指すタイトルなのだと思う。

最近流行りの真綿で首を絞めるような家父長制を発揮
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GO(2001年製作の映画)

4.3

この映画は何度も「恋愛映画」であることを主張する。
決して在日三世の苦境や、民族や国境という単位への疑念をテーマにした物語ではなく「俺」の物語だと主張するのだ。

そこには徹底された民族や血筋、国籍が
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足手(2010年製作の映画)

2.4

芹澤興人演じる主人公をまともな人間に見せ掛けて、ちゃんとキモイというオチ

毎回今泉力哉作品に思う「なんでこの人のこと好きなんだ…」という理解不能感が毎回の作品のアクセントにしている気がする。そこには
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微温(2007年製作の映画)

4.0

同じ部屋で撮ってるだろう初期短編だとこれが一番上手い。
1Kぐらいの手狭の部屋、敷きっぱなしの布団、そこに男女が居る。大学生的(働いてなさそう)生活感が漂い、二股浮気はデフォルトの恋愛映画。
恋愛ぐら
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

5.0

大傑作。ナン・ゴールディンのアクティビストとしての一面を彼女のバックボーンや姉の人生からの影響を背景にすることで、芸術と人生と政治的なことを一本見事に筋の通った物語にして見せた。(勿論それらは元々深い>>続きを読む

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