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恋するプリテンダーのarchのレビュー・感想・評価

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)
4.2
『小悪魔はなぜモテる?』なんかのウィル・グラックのウェルメイドなラブコメ。
1度ワンナイト(行為なし?)を経験しながらもすれ違いで、仲違い。偶然彼らの親類友人が結婚することになり、顔を合わせることに。

出会い、仲違い、結婚旅行での偽装カップルに、という状況の連続を非常に見事に構成していて、「運命の出会い」と「犬猿の仲」の天秤を上手く作り出していて面白い。

また単なるラブコメと侮れない現代的な視座。男性のやや強引なアプローチを肯定しつつ、前時代的なやりすぎなアプローチはセリフでちやんと咎める。ベンという一見完璧な男の弱点をちゃんとさらけ出させる。『トップガン』よろしく、意外と親想いだとか悲しい過去があるだとかは、ラブコメの常套句だ。だがそういうのにとどまらず、外見重視の見掛け倒し男であること、男性性の滑稽さを露呈させて、「あの女は空っぽ」という言葉の裏には自己言及的なニュアンスがあるのがいい。
それを相互にケアするようなヘリ上でのUnwrittenのアカペラ合唱、「タイタニック ミー!」の10倍ロマンチックだよ!


トップガンマーヴェリック経験者のグウェン・パウエルに飛行機苦手設定を付けたりも良かった

今年1番のクレジットでした。



アカデミー賞のジョン・シナもそうだが、全身無毛男性の全裸が最近ブームになってる気がする。気がするだけだけど。
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