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たまの映画のarchのレビュー・感想・評価

たまの映画(2010年製作の映画)
2.8
かつて一世を風靡した全員がシンガーソングライターの"たま"。現在は解散し、それぞれがソロで活動している。
この映画は何周年でもなく、誰かが死んだ訳でも無く、ただ解散後の"今"を記録する。

今泉力哉と"たま"の縁に関しては一切知らず、何故今泉力哉が撮ったのかは定かではないが、"たま"というバンドとそれを構成していたアーティスト達の個性について、本作を見ることで知ることが出来る。

四人中三人しか登場しないが、それぞれの演奏スタイルの違いが面白い。そこに"たま"というバンドの異質さや解散の必然性を感じさせられる。

ドキュメンタリーとしては、無難な音楽ドキュメンタリーとして演奏で話のテンションを保っていく。かれらにかつて住んで居た場所に向かわせる、そうすることで過去を振り返らせていき、そこにインタビュー音声を挟むことで、たまというバンドの歴史を振り返っている。
ところどころ上手い編集があり、最終的に死へのシニカルな達観こそがバンドの根源にあるものだという流れを作り上げていて良い。よく素材を観ているなぁって感じ。
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