Lipthinksさんの映画レビュー・感想・評価

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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

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白塗りに少女趣味のドレスを着た老婆、ベティディヴィスの怪演。

もともとおかしくなりかけだったジェーンが完全に正気を逸してしまった瞬間の演じ分けがすごい。

自動車事故に関する真相も当時としては新しか
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地獄の警備員(1992年製作の映画)

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邦画ホラーらしい高湿度な雰囲気の中で洋画っぽいスラッシャーをやっている印象。

大杉漣の演じる上司の変態ぶりや、女性を閉じ込めたロッカーにタックルをして圧死させる殺害方法など目を引くところは沢山ある一
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

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ドキュメンタリーの体を装いながらフィクションであることを認識させる演出があって不思議な心地になる。

オープニング、トンネルの中息子の寝顔を映しながらのクレジットが観終わってみると1番安らげる。

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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

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8歳の主人公アハマッドの目線がこれ以上ないくらいリアルに描かれている。

自分の話をまともに聞いてくれない大人ばかりが出てきて、彼らの一方的な要求に応えないといねない理不尽さに胸が痛むばかり。

終盤
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桜桃の味(1997年製作の映画)

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単純なメタ構造とも違うような終わり方がなかなか衝撃的だった。

殆どが車を運転しているシーンで構成されていて、登場人物も少ない中で映像の美しさと主人公バディのひりついた目的が退屈させない。

脱輪した
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未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

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過剰なまでのアイディア、ユーモアが詰まっていてずっとワクワクする。

終盤、母の葬式からのスピード感がある畳み掛け方と唐突な終わりも良かった。

観たことのある人と好きなシーンについて話したくなった。
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マリとユリ(1977年製作の映画)

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登場する人物のいずれもまったく美化されていないので、しばしば嫌な気持ちになる。

女性同士の友情が主軸になっているけれど、そこも仲良し一辺倒でない。

また登場人物が最後まで成長するような兆しがないの
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天使の影(1976年製作の映画)

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戯曲のように映像でなく台詞が主になっていて演劇みたい。

ビジュアルもデカダンで特徴的。

脚本を書いているファズビンダーが主人公のヒモを演じていて、良い味を出していた。

肝心の伝えたいことは難解で
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

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冒頭、爆撃のさなかに結婚式を挙げるシーン、ドラマチックですごく良い。

夫と幸せな生活を送る目的のなめに、道徳的には裏切るような形で猛進していくマリアブラウン。

行動が心を変えるように、仕事などを通
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

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ファスビンダーの作品の中ではストーリーがはっきりしていて露骨な芸術表現みたいなものは少ないけれど、舞台や構図に対する美意識は十分に堪能できる。

相手を利害関係でしか捉えていないような人たちの軽い差別
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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表面通りに捉えれば、さまざまな性質を持つものを一元的に断罪することはできない、ということを描いているように思える。
一方でそれだけがテーマとは思えないラストがなかなか衝撃的だった。

ドライブマイカー
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エリザベート 1878(2022年製作の映画)

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映像の美しさと物語の息苦しさが印象的。

求められる、押し付けられる役割への反発する奔放さや負傷兵や精神患者の慰問時のあたたかさが魅力的に映る一方で、眠っていた娘を夜明け前に連れ出したり、馬車の中で相
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8 1/2(1963年製作の映画)

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ほぼほぼ体を成していない物語に回想と妄想が入り混じって、幻惑的な映像が続く。

あまりに観た感想を言語化できないので、いつかまた観ようと思う。

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

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吸血鬼という存在しない者の生活を細部にまで拘って描いている。

設定の全てが出鱈目なのだからと切り捨てることも可能だけれど、それに没入して観ることで耽美な世界観を楽しめる。

終わり方が皮肉めいていて
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

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OP、クレジットとともにテレビに主人公が脚本を書いたドラマが流れる演出が良かった。

昔のものだとしても演技がくさい。間の取り方だったり、仕草だったりがわざとらしくて慣れるまでノイズになった。

小説
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

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舞台は現代だけれど、軽率な若者が恐怖に襲われるところは王道中の王道。

直接対峙するような場面は少なくて狡猾な幽霊に主人公ミアが騙されていくところは、ミアのその他の行動性格もあってもどかしくさせられる
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チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

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ホンサンス作品に携わっていたプロデューサーの監督作品。

劇中で大きな出来事は起きないところや
プロローグの映像からアスペクト比が変わって本編が始まるような細かい演出は共通するところがあるかも。

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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

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表面上はキラキラしていたり、目を引くような舞台が多く出てくるけれど設定を踏まえた上だと痛々しくて観ていられない。

ウィレムデフォーが子供達に向けるやるせない視線と愛のある接し方にとても共感する。
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Here(2023年製作の映画)

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淡い。

土木作業員と蘚苔学者の2人が主人公。
それぞれの生活が丁寧に描かれていて、2人が交わるのが結構後半なところが新鮮に感じた。

終盤、植物のグラビア映像集みたいな時間があってただただ目の保養に
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

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誰もいないリビングに夜がくることから始まり、同じリビングに朝が来て終わる。

荒い画質と明暗に拘りを感じる。夜を夜として映していて、灯りのささないところは何も見えない。

序盤の固定でリビングを映し続
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地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)

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一番長いバージョン。

シーンを切り貼りして、監督が実現したかったことは何だろう。

ファイナルカットになくてこのバージョンにあるもの
・プレイメイトとの情交
・農園での会話の一部(ベトコンはアメリカ
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バッド・チューニング(1993年製作の映画)

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70年代アメリカ、夏休み前日の群像劇。
カーストの上から下までが参加できるパーティーが舞台で、新入生イビりという最悪の風習から始まる。
女性の間でもイビりがあることを初めて知った。そりゃそうかと思う。
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地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

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30分長くなってるだけあって、オリジナル版とだいぶ印象が違った。

キルゴア中佐のサーフボードを盗むシーンがあることで、ウィラード大尉のイメージがだいぶ変わる。イタズラ好きな一面も持っている彼がこの作
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Mr.BOO!ミスター・ブー(1976年製作の映画)

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徹頭徹尾バカバカしくてすごい。

次々と巻き起こる出来事、表情や仕草、効果音や音楽など全ての要素が観ている人を笑わせようとしていて感心してしまった。

終わり方もこの時代の喜劇ど真ん中で、清々しい気持
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

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顔に吹き出す大粒の汗まで美しく映る。舞台美術、演出の美しさが恐ろしさを増長していた。

ベトナムで出会う人はそれぞれの狂気に飲まれていて、まともな神経で戦争なんてできないんだという事実をはっきり伝えて
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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

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映画を撮る目的が人間関係に現れる感情の機微でも、物語でもなく、思想や主張の気がするけれど肝心のそこが読み取れなかった。

長回し、というよりはタルベーラの1シーンにおける尺の長さの感覚が他と違う、とい
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グリーンバーグ/ベン・スティラー 人生は最悪だ!(2010年製作の映画)

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とにかく邦題がダサすぎる。

レコードデビューしかけたという何とも言えない昔取った杵柄一本槍で、中年になっても何もしていないベンスティラー。
そんな人に惹かれるグレタガーウィグ、リアリティはまったくな
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フィラデルフィア(1993年製作の映画)

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トムハンクスの凄み。
やつれていく変化やホームパーティーのあと、オペラを流すシーンは鬼気迫っている。

台詞で述べているように、裁判で思わぬ証人の登場や劇的な逆転劇は起きず、ドラマは裁判所の外で起こる
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狩人の夜(1955年製作の映画)

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ニセ伝道師を演じるロバートミッチャムの怪演。最序盤から出てきて語りだしたので、この悪者を見ろ、という意思に思える。
それにしても左手指にHATE、右手指にLOVEの刺青っていう設定がイカつい。

子供
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

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モラルの優先順位がとても低くて、かなりぶっ飛んでいる。

良いところも悪いところも含め、子供の純粋さがリアルだった。
序盤からお母さんがひどい人物すぎてついていけるか心配だったけれど、登場人物が多くて
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

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初めから最後まで、仕草に舞台にすべてが愛おしいロードムービー。

どこまで冗談で、どこまでマジなのかが分からない。もしかしたら10:0で振り切っているのかもしれないし。その雰囲気も大好き。

女性2人
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

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最初の文字で画面が埋め尽くされるところから節が全開であることが伝わる。

屠殺場や修道院など、とにかく絵力が強い舞台で語られる主人公の過去。

他人によって救われようと自分にとって大事な人に会いに行く
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リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

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冒頭のシーン。誰がどんな役割を担っているのかまだ分からない中暴力が飛び出して、この映画に巻き込まれていくのを感じる。

保安官側も殺し屋側も抜けたところがあって、西部劇なのに緊張感みたいなものがあまり
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小説家の映画(2022年製作の映画)

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物語だけ追っていればシンプルすぎるくらいな一方、メタ構造的な台詞が多くて、作品に対する手引きが十分すぎるような気もする。

出向く先で出会った人に連れられて新しい場所に行く中盤までのテンポの良さが小気
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夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

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孤独な主人公のストーリーにふいに混じる虚構。

映画の中で何かが起こることはなく、描かれなかったものによって主人公の心情の変化があったことを次の章で知らされる。

ホンサンスの映画では友達と明確に区別
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正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ホンサンスの作品はこれで3作目。

誰をどのくらいの遠近感で映すかに拘りを感じる。
会話していても片方だけを映したり、丁寧に喋っている方にパンを振ったり。
あとは出てくる男の人が大体気持ち悪い。あまり
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