最初の文字で画面が埋め尽くされるところから節が全開であることが伝わる。
屠殺場や修道院など、とにかく絵力が強い舞台で語られる主人公の過去。
他人によって救われようと自分にとって大事な人に会いに行くが、求めるものは得られずどん詰まりになっていく。
とんでもなく暗い話なのだけれど、
舞台の耽美さで誤魔化されながら話が進む。
登場するキャラクターは人格より、伝書鳩のように伝える言葉が先行して伝わるような印象を多く受けた。哲学的な言い回しも多くて、すべて受け止めるのは難しい。
アントンのビルで繰り広げられるダンスは振り切れすぎていて堪えきれず笑ってしまった。