あの衝撃作「岬の兄妹」の片山慎三監督最新作
話としては指名手配犯を探す父を探す娘の話というシンプルでありながらかつて日本で実際に起きたあの事件を彷彿とさせつつ展開が二転三転としていきサスペンス映画として飽きないストーリー展開となっている。
役者の演技も素晴らしく
主演の佐藤二朗のシリアス演技は今まで観た事が無かったので新鮮でしたし、伊東蒼は「空白」の時とは違った存在感を放っていましたし、カメレオン俳優とも言われている清水尋也の名無しの怪演も見事でした。
カメラワークや構図にも随所に拘りが感じられ、冒頭の不安になるようなカットから伊東蒼演じる楓がスーパーに向かって走っていく「空白」を思い出すかの様なシーンの流れで一気に作品に引き込まれました。
他にも外から照明が差し込む智の暗い部屋の中だったり、電車の中から乗っている人物をずっと追いかけるカメラ、名無しとムクドリが会話している海辺、そして極めつけラストの長回し等とにかく印象に残るシーンやカットが多いです。
「岬の兄妹」同様万人には簡単には勧められないけれども観終わった後に一言では片付けられない様な色んな感情が溢れ考えさせられる傑作なので、気になる方は余計な情報は入れず観る事をオススメします！
