Itaji

宇宙戦争のItajiのネタバレレビュー・内容・結末

宇宙戦争(2005年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

スピルバーグの恐怖描写の集大成!
世間的にはあまり評価が高くないが、個人的に人生で初めて映画館で観た洋画であり、同監督作「ジョーズ」、「ジュラシックパーク」に並ぶ位大好きな映画

ジャンルは公式だとSFアクションと言われてるがこの映画はSFホラーだと思っている。
冒頭から雷が同じ場所に落ち続ける不穏な嵐がやってきたかと思ったら、雷が落ちた場所から怪獣が出てくるかの如く巨大ロボットが地面から這い出てきて轟音と共に人々を虐殺していく…
そこから真夜中の飛行機墜落、燃え盛る列車、フェリー乗り場での襲撃など、絶望に次ぐ絶望で観客を恐怖のドン底へと叩き落とすスピルバーグの演出力で当時観たときは恐怖で縮み上がった。

この映画が他の侵略系映画と違うところは逃げ惑う一般市民の視点で描かれていることだと思う。
よくある侵略系映画なら軍人の視点で描かれて侵略者達をどう倒すかという所に焦点が当てられるがこの映画はひたすら侵略者から逃げる。
だからこそ終わりの見えない恐怖描写に磨きがかかるし、観ている人間の没入感も増す。
主人公を演じるトム・クルーズもこの映画だと子供達とまともなコミュニケーションができない頼りない父親で映画が進むにつれて父親として成長していく過程もリアリティがあって良い(何でもできるスーパーマンのトム・クルーズも大好きなんだけど、たまにはこういう演技も観たい!)

ただ気になる所もある
娘のレイチェルが怖いとはいえ叫びすぎな事と息子のロビンがなぜか火の海に飛び込んでちゃっかり生きてた事(最後にひょっこり出すなら途中で助け出す描写入れるとかでも良かった気がする…)
ラストの微生物によって宇宙人が自滅する展開に関して批判は多いが原作が100年以上前の作品だし、人類側が突然テクノロジーの力で逆転しましたとかだと今までのリアリティある描写からかけ離れてしまうので仕方ないと思う。(侵略する前に下調べしとけよとは思うが笑)
Itaji

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