Itaji

ヒメアノ〜ルのItajiのネタバレレビュー・内容・結末

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

原作は未読だし、原作ファンからは厳しい評価もされている今作だが個人的に1番好きな邦画であり、それまで舐めていた邦画のイメージを大きく変えてくれた1本
未だに当時劇場で何となく「面白そうだし観てみるか〜」と軽い気持ちでこの映画を観た衝撃は忘れられない…

何と言っても観た人全員が評価しているであろうコメディタッチの前半から一気にサイコホラーへと変貌するタイトルの出る瞬間…
映画館であれ程まで鳥肌が立ったのは後にも先にもこの映画だけだと思う。
森田剛演じる森田君の非常に残忍な殺人鬼像は異常な位リアリティーがあり、現実にもこんな殺人鬼がいるんじゃないかと錯覚するほどの演技力で、彼が出てくるシーンは会話が噛み合わない所含め常にゾワゾワする緊張感が漂っていた。
バイオレンスシーンも途中退出者が出たのも頷ける程非常に生々しく、森田君の異常性に拍車をかけている。
そんな最低な殺人鬼である森田君も昔は大人しい少年だったのだがイジメをきっかけに変貌してしまった悲しい人物でもある。
最後の岡田君また遊ぼうねのシーンは何とも言えない感情になり観終わった後も暫く引きずってしまう程感情を揺さぶられた…

作風的に気分を悪くする人がいた位人を選ぶ作品ではあるし、後味が悪い映画ではあるけれども、それまで生温い演出ばかりでドラマの延長線の様な映画ばかりだと思っていた自分の邦画に対するイメージはこの映画を観た瞬間に180度変わり、同年公開の「シン・ゴジラ」、「アイアムアヒーロー」、「葛城事件」や「日本で1番悪い奴ら」と邦画の豊作年が重なったの相まって映画の幅を大きく広げてくれた大切な作品。
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