アむーレ

余命10年のアむーレのレビュー・感想・評価

余命10年(2022年製作の映画)
4.0
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100万人に1人と言われる難病である肺動脈性肺高血圧症を患い余命10年と向き合うことになった主人公=茉莉。
自分の病を言い訳に恋人は作らないと決めていたが、中学の同窓会で久々に出会った仲間との再会をきっかけに茉莉は1人の男を愛することになる。
楽しい時間は最高潮となり結婚目前まで迫るが茉莉の残された命はあと少しだった…
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無事、ギャン泣きボロ泣き。
よくある闘病、余命もので、先はどうしても見えてしまうのだけれど、やっぱりこういうのには弱い。

あなたの命は残り10年と言われたら自分はどうするかな…とずっと自問自答しながら観てた。
確かに別れが間もなく必ずやってくると思えば恋人を作るのは躊躇すると思う。相手のことを思えば思うほどね。
自分の人生なんだからと後先考えなければ、好きなことやって悔いの残らないように色んなとこ出掛けたり遊んだりもしたいけど、人生何が楽しいってやっぱり人との関わりだよなぁ。
そう考えると主人公のように恋愛を我慢するというのは相当に苦しい、それこそ生き地獄だと思う。

残された時間の中で、結婚や子供を作ることは叶わなかったけど、家族や恋人など自分を愛してくれる人に囲まれて生涯を閉じることがやっぱり人としての幸せなのかなと思う。

他の闘病もの作品に比べて特筆すべきオリジナリティは特にないので予想できる展開そのまま進んでいき終わるので、そこは物足りなさを感じる。茉莉の最期は意外とあっけなく感じてしまって盛り上がりには今一つかな。自分的に涙のピークは恋人とのスノボ旅行から帰ってきたあとの母親に泣きつきながら「もっと生きたいよ」って叫ぶシーンでした。

この作品にも出版本として登場する原作本『余命10年』を執筆した小坂流加さんも同じ病で、文庫版の編集が終わった直後に病状が悪化しその後亡くなったそうで、この小坂さんが映画のモデルとなっているとのこと。

この同じ世界の中に余命10年を告げられて人生のピリオドが見える中で一生懸命生きる喜びを見出だそうとしている人がいるのだから、健康である自分はもっともっと生きることに貪欲にならないと駄目だなと気持ちを律しました。

あと、小松菜奈ちゃんは可愛い。
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