IKUZAGIE

サン・セバスチャンへ、ようこそのIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

3.1
監督・脚本が巨匠ウディ・アレンともなれば、別段ファンでなくても、半ば職場へ出勤するような感覚で、予備知識ゼロで劇場へ。まあまあ面白かった。
他の巨匠と呼ばれる監督達もそうですが、ウディ・アレンも最近の映画についてあれこれと物申したくなるのかなあという印象で、ストーリーがどうというより、劇中の会話を通してウディ・アレン大先生のお言葉を頂く、という感じの映画でした。説教臭くはない。いい感じでセリフが軽い。心にグサっと刺さる訳ではないが、「今なんかいい事言ってたけど、なんて?」程度のお説教といった感じなので、全然嫌味にも聞こえず、ひたすら気楽に聞いていれました。ただ、観るべき映画についての話はちょっと意表をつかれて頭に残った。
昔の名作映画、たぶんウディ・アレンが影響を受けたであろう映画のオマージュが、夢という形で出てきますが、ベルイマンやゴダールくらいはパッと分かるが「あれ?このシーンの元ネタは何だっけ?」みたいに考え込むと映画への意識がちょっと外れるので、いっそ鑑賞前にネタバレ知っておくのも悪くないかも。いづれにせよ、詳しい方の解説は欲しいところ。
ということで、「ウディ・アレン、それ誰やねん」という方にもオススメの映画かというと、ちょっと微妙。でも、つまらない映画かと言われるとそんな事もない。最近のウディ・アレンのヒット作っていうとなんでしょう?『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』もまあまあ面白かったけど、『ブルージャスミン』や『ミッドナイト・イン・パリ』の方が面白かったかなあ。映画の通常料金が今や2,000円という事を考えると、配信まで待つのもアリかも…と思いつつ、ウディ・アレンもだいぶ御高齢なので、十数年後くらいに「ウディ・アレンは大体映画館で観たよ」的な思い出作りの為には、ここはひとつ、劇場で鑑賞して損はない。どっちやねん!
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