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DOGMAN ドッグマンのIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.8
「リュック・ベッソン監督、完全復活!」との事で、公開初日に観ました。鑑賞直後は「『ニキータ』や『レオン』と比べても遜色ない!」と思ったほど、かなり面白いと感じました。人間同士の信頼や愛情は歪んでしまうが、信頼する人間に向ける犬の愛情はいつまでも真っ直ぐなのだろう…ペット飼うならやっぱ犬がええのう!と、映画に満足して就寝。
しかしやね、よくよく思い返すと「犬、賢すぎるな」とか「あんな全員ヤバすぎる家族とかある?」とか考え始めると、まあ、犬と意思疎通ができるのは良いとしても、犬が人間の命令を理解して単独行動するのはちょっとあり得なくないか?とか思ったり…。でも、壮絶なドッグマンの幼少期の代償として、神は犬と完璧に会話できる特殊能力をドッグマンに与えたのだとしたら…。
映画は実際にあった「犬のケージに閉じこめられていた男の子」の事件から着想したらしいが、全体的にはフィクションとリアリティの中間にあるような印象でした。それでもストーリーに説得力があって、話がどう展開するのかヒヤヒヤ感もあるし、結末も潔いし、続編ありきでダラダラやる最近のスーパーヒーロー映画と比べると物語の構成が圧倒的に良かった。
主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズもとても良かった。妖しいというのも違う、なんとも汚くて美しいドッグマン(ブサイクと言う意味では無い)に引き込まれました。共演したワンちゃん達も「CGか?」と思うくらいちゃんと演技してて、とても良かった。しかもベッソン監督の愛犬も出演してたらしい。
脚本・制作した『TAXi』シリーズや『トランスポーター 』シリーズなど、最近のリュック・ベッソンはアクション映画のイメージが強く、「きっと商業映画の方に重心を置いてしまったのだろう」と勝手に思ってましたが、『ドッグマン』は「リュック・ベッソン監督、完全復活!」と思わせてくれるのに充分な映画でした。派手なアクションは無いし、明るい話では無いし、スカッとする話でも無いですが、個人的にはかなりオススメ。
(最高傑作では無いと思うけどね〜。)
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