横山ミィ子

世宗大王 星を追う者たちの横山ミィ子のレビュー・感想・評価

世宗大王 星を追う者たち(2019年製作の映画)
4.0
(「映画ランド」にも同じ内容の投稿をしています)


サブタイトルの「星を追う」とは、自国独自の暦を作ろうとする試みを表す。その当時韓国は明国の暦を使っていたとのこと。暦は単なる時間的基準ではなく、ローカルの自然のリズムに基づかないと、農作物の収穫にも大きく影響する大事なもの。賢帝と言われた「世宗(セジョン)大王」と、彼を支えた男、チャン・ヨンシルの、国家的プロジェクトと言っていい努力のエピソード。厳然たる身分の差があった当時において、才能・知識・実績に基づいた登用はとても画期的なことだったことだろう。血筋にも、伝統にもよらない二人の信頼関係が、星空やそれを模した光で描かれるシーンには、とても心打たれた。

拷問の場面では、辛くて体に力が入ってしまったけれど、それをかわそうとする人間の強さやユーモアにも救われるものがあった。そして役者の皆さん、実にいい顔をしてらっしゃった。

不満があるとすれば、公開時に、劇場や公式スタッフによる宣伝をほとんど見かけなかったこと(私が知らなかっただけなかもしれないが・・・)。情報不足で観られなかったとしたら、もったいない!とてもいい映画でした!
横山ミィ子

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