メモ魔

ガタカのメモ魔のレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.7
[お前にはどうせできない。]
が科学により証明されてしまう世界で、自分の運命に抗う男の話。

ヒトについての研究が今後も加速を続ければ、いつかこんな世界が来てしまうのかと考えると恐ろしい。
人が頑張って生きていける理由って、努力の可能性は無限大なんだって心のどっかで信じてるからだと思うんだけど、、、
進歩しすぎた科学はその努力が超えられない壁を根拠と共に提示してくる。
怖すぎるわ、、、
だって結論がわかってることに対して人って頑張れないでしょ?
ジェロームが最後、自殺した理由は、終わりが無いなら自分でやめればそれが終わりになる。そう思ったんだろうな。このシーンには自殺してまで終わりを探そうとする人間のさがを見た気がする。
ここまでヒトの研究が進んだらみんな自分から死んでいくんだろうな。
この映画が伝えたいポイントはそこが一つだと思った。

んでもう一つのポイントはこのシーンにあると思う。
[何が不可能か君にはわかるはずだ。欠点を探すのに必死で気づかなかっただろ。
こんな言葉は慰めにならないだろうが。可能なんだ。]
科学に自分の可能性を否定されたからもう頑張らない?努力しても無駄?そうやって欠点ばかりを探してそれを見つめるばかりじゃだめだ。自分の可能性は、自分が変われば自ずと付いてくるものなんだ。だから諦めないで。不可能は可能になるんだ。
そんなメッセージがこのシーンにはあった気がする。

ジェロームは自分の有り余る可能性の中に自分を見出せなかった。
ヴィンセントは、自分の限りある可能性の中になりたい自分を見出し、その殻を破る努力で結果を掴み取った。
どちらもポテンシャルこそ違えど可能性を否定された訳だ。それでも結果にここまで差が出るのは、夢を抱けるか否か。志の強さがどこまでもヒトに[可能性]を与えるんだってことをこの映画は伝えたかったんかなと思う。

あと個人的にこのシーンめっちゃ好きだった。尿検査のおじちゃんがヴィンセントを庇うシーン。
[息子が君に憧れてここを応募したんだ。
でも遺伝子に問題があって通らなかった。、、
それでも希望は捨てないんだ。そうだろ?]
尿検査で遺伝子不適正が出る
[今後の参考に。右利きの人間は左手でコップを持たないものだ。]
不適正を適正に変更してくれる。
[早く行け。]
このシーン良かったなぁ。遺伝子で息子の夢が途絶えてしまったと告白する医者。その医者の前で、遺伝子不適正を跳ね除けここまでのし上がってきた人物が現れるんだから。これ以上なく勇気を貰っただろう。遺伝子は可能性を否定するだけであって、結果を断固拒否するわけじゃないんだ。いつだって志だけが、自分の可能性の上限を引き上げてくれる。
そんなメッセージを感じた。

総評
ヒトの原動力はいつだってその志なんだって部分を強くこの映画から感じることができた。夢を追いかける時、お金の問題とか、家族に反対されるとか、体がついていかないとか、歳だとか、、、
自分の欠点ばかり見出しては諦める人が大勢いる。でもそんな欠点だって、あたなの強い志によるアドバンテージに比べたら、些細な問題なんだ。って後ろから押してくれるようなそんな作品。

3.7点
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