アむーレ

ズートピアのアむーレのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
3.7
ズートピア界のマフィアに始まり裏社会に足を突っ込み始める主人公。事件の真相に近づくと現場にはまさかの人物が…!?しかし本当の黒幕はその奥に隠れていた…
サスペンスドラマばりの緊張感とまさかまさかの展開と真犯人を巡るどんでん返し。
ストーリーとしてはとてもよく出来た内容で面白かったです。

強者と弱者(大国と小国、権力の大小)…
経済格差の二極化(貧富の差)…
政治的な考え方による二極化(民主主義と全体主義or右派と左派or人種による差別)…

リアルな人間社会にも現在進行形で存在する分断された社会をズートピアの肉食動物と草食動物という比喩で表現し、そこでどちらかがマウントを取る世界が良い世界ではなく多様性を認め共存する社会を作ろうという、最近のディズニーにありがちなメッセージ。

この作品はアカデミー賞(長編アニメ)とってるけど、こういうメッセージ性…特に多様性の共存をテーマにした作品って最近アカデミー賞取りやすいよね。映画のエンターテイメントとしての面白さや映像技術の表現よりも作品が示すメッセージのほうが大事にされる最近のアカデミー賞。
道徳的で教科書のような作品…子供向けアニメとしてそれも悪いとは思わないけど、それをセリフとして直接的に表現してるのって価値観の押し付けされているようで観ているこちらとしてはあまり良い気分はしないのよね。

本作品で語られている多様性を認め合うことは間違っていないし賛成だけど、もっと観ている側が自発的に感じるような表現にとどめて欲しかったとも思いました。

また、ウサギの中で警察官になった者はいないから諦めろ→なら、ウサギ初の警察官に私はなる!
…この考え方は好き。
先入観に囚われずスタンダードを良い意味で壊していく、変革していくことって大事だと思うし、夢を持てない世の中なんて嫌だ。
誰もが夢を掴める希望が持てる社会であるべきだし、当人たちがまずこの考えを持つということがその第一歩だと思うから。
(現実問題、真っ黒な社会が多くてウンザリするけどね)


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肉食動物と草食動物が共に社会を作り共存する世界。ウサギのジュディは子供の頃からの夢だった警察官になるために努力し警察学校を首席で卒業してウサギ初の警察官となり都市ズートピアの警察署に配属されるのだけれど、草食動物だからと警察内部でも馬鹿にされ仕事は交通違反の取り締まりにまわされる。

ズートピアでは肉食動物の行方不明が絶えず、ある日カワウソの家族が夫が帰らないと警察署に相談に来ていた。偶然、その場に居合わせたジュディは私が見つけ出します!と意気揚々と宣言してしまう。
上司の許可なく勝手に宣言したことで警察署長を怒らせてしまい48時間で見つけ出すことができなければクビと告げられる。

交通違反取り締まりの道中に出会った詐欺師のキツネ=ニックの手を借り、事件解決の糸口を探し始める。
しかし事件は一匹のカワウソ探しだけに留まらず他の行方不明事件とも繋がる壮大なカラクリの一端に過ぎなかったのだった…
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