徹底したショットの良さは言わずもがな。
観ていて心身ともに癒されるというか、正確には「回復していく」感覚になる。
【演出/映像面】
洗練され徹底された画作りは、それだけで物語の脚本と同値、それど…
何食って生きてたらこんな素晴らしい画を思いつくんだろう。
物語に派手さはないし、目を見張るような動きがあるわけでもないのに、素朴な余情と、そこにインクをぽたりと垂らしたように滲むひとひらの鮮烈な色…
小津作品で特に好き。何より映像感覚がとても好み。冒頭からばっちり画が決まっていて、夏の暑さがありありと伝わってくる。帰郷したような懐かしさもありつつ、旅芸人の悲哀を感じつつ、色々な感情が混ざる。若尾…
>>続きを読むこれ、長いけど面白い。
小津が大映で撮った一本。
そして「浮草物語」のセルフリメイク。「浮草物語」は未見なのでいつか見てみたい。
京マチコ、中村鴈治郎、若尾文子、川口浩、そして杉村春子、芸達者な…
【辛酸舐め郎】
小津さんの戦前作品『浮草物語』のセルフリメーク。大映配給。主演の中村鴈治郎がまさに適役。小津作品にしては熱情の迸ったドロリとした感触のある映画。女に向かって怒鳴り声を上げるシーンが…
このレビューはネタバレを含みます
戦前の作品のリメイクだからだろうけど、同監督の同時期の他作品とはまた違う味わいがあった。舞台が地方の港町だったり、家族とは別に旅芝居の一座が共同体として出てきたり、口調が関西弁だったり。主人公の男性…
>>続きを読む泣いた
やはり小津とチェーホフは似ている。
地獄への目のつけどころや、台詞選びや、悲喜交々としたところが似ている。
と思って調べたところ、チェーホフの何かの文庫版の解説にて、既にその指摘が存在す…