似太郎さんの映画レビュー・感想・評価

似太郎

似太郎

8 Mile(2002年製作の映画)

4.2

毒舌ラッパー「エミネム」の半自伝的な作品で、典型的なアイドル映画。制作はブライアン・グレイザー、監督はカーティス・ハンソン、脚本はスコット・シルヴァーという布陣。

アメリカ映画によくある【音楽巡業モ
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ワンダー・ボーイズ(2000年製作の映画)

4.0

【ホモホモクラス会👨‍❤️‍💋‍👨】

脇役のロバート・ダウニーJr.が本物のゲイにしか見えない辺り、この映画の真のテーマである「ホモホモクラス会」の狂言回し的な役割を担っていて興味深い。

落ち目の
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

5.0

【調教・レッスン】

左派だったリチャード・フライシャー監督。ここに来て『風と共に去りぬ』の逆バージョンであり、人種差別映画の金字塔を作ることに成功した。その悪夢的ビジョンは真に圧倒的。🤯

巨大農園
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ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

4.2

【ジャンクだと分かっててジャンクフードばかり食べてるあいつは今…】

そんな馬鹿な!なラストは『猿の惑星』を想起させる。典型的な終末ディストピア映画。

主演がチャールトン・ヘストンだからこうなるのか
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ラスト・ラン/殺しの一匹狼(1971年製作の映画)

4.3

【ロンリー・ウルフ】

根っからの娯楽職人であるリチャード・フライシャー監督と主演ジョージ・C・スコットの渋いオーラが光る激走🚘カーアクション。70年代ニューシネマの隠れた秘宝。

脚本は『さすらいの
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ハードコアの夜(1979年製作の映画)

4.4

脚本がジョン・ミリアス。主演は怒ると怖そうなジョージ・C・スコットの父っつぁんという異色な人選のサスペンスドラマ。

ポール・シュレイダー監督らしくアメリカの暗部、または禁忌(タブー)に言及する作風は
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ブルー・カラー/怒りのはみだし労働者ども(1978年製作の映画)

4.4

ポール・シュレイダーの監督デビュー作。工場で過酷な労働を強いられる男たちの軋轢を描いたシリアスドラマ。

まるで東映やくざ映画のような苦労人の話になっている辺りが面白い。さすがは高倉健主演で『ザ・ヤク
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.3

【落とし前をつける】

スコセッシの『タクシードライバー』や『救命士』、シドニー・ポラックの『ザ・ヤクザ』など常に「業を背負った男の贖罪」をテーマに脚本を書いてきたポール・シュレイダー監督作。オスカー
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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

4.3

主演の浅野忠信が段々と老けてきて味のある中年男になった記念碑的作品。日本の中流家庭が抱える問題にメスを入れたシリアスドラマ。原作が重松清という所が意外。👔

脚本を書いた荒井晴彦の独壇場とも言える小市
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私の男(2013年製作の映画)

4.0

【地獄へ道連れ】

熊切和嘉監督は毎回イキそうでイカない「う〜〜っ」て感じの消化不良感が付き纏う作品が多いのだが、とにかく画作りが重厚で『空の穴』や『海炭市叙景』など地元である北海道の雄大な景色を眺め
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

【0から−1.0へ】

さて、去年最大のヒット作『ゴジラ−1.0』であるが、やっとこさアマプラで鑑賞できた。☺️

監督は『Always 三丁目の夕日』『寄生獣』『永遠の0』などの特殊効果の達人・山崎
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捨てがたき人々(2012年製作の映画)

4.5

【ナマナマしい生き様🐙】

食べる、寝る、セックスする、これだけありゃ十分じゃねーか!と豪語する無教養な中年男の主人公によるアナーキーな生き様を描いた作品。

ジョージ秋山原作の漫画を大森南朋主演で実
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WILD LIFE(1997年製作の映画)

3.0

【ゾナー🍜】

たぶん、この監督の中でも相当開き直ったコメディじゃないかなー? 。我が尊敬するミッキー・カーチスの無駄遣い。トホホ。

「村の娘とヤル時にゃ〜ホイホイ〜♫」「親の許しを得にゃならぬ〜、
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シェイディー・グローヴ(1999年製作の映画)

3.2

【ハローでございます✌️】

昔観たのだが、話があっち行ったりこっち行ったり随分と落ち着きが無い。構成がヒドイのかなー❓こんな映画、高校生でも撮れる。

青山真治は『ユリイカ』で一躍巨匠になったのを除
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あんにょん由美香(2009年製作の映画)

4.7

【射精のための準備】

AV女優の林由美香に思い入れが無ければ完全にチンプンカンプンな内容で、単なる「作り手の思い入れ過多なドキュメンタリー映画」とも言える。いわゆる【一見さんお断り】作品。

構成に
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イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

3.7

【映画というよりCM】

全編、タランティーノらしく映画オタクの脳内世界が反映されている。はっきり言って現実味は『キル・ビル』同様にゼロで自閉的・自己補充的な雰囲気がプンプン漂っているから困ったもの。
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終電車(1980年製作の映画)

5.0

【フランス人的性格🍷】

💃トリュフォー版『天井桟敷の人々』meets『生きるべきか死ぬべきか』といった趣向の、演劇俳優たちの恋のいざこざをヒューマンなタッチで描いた大人のためのファンタジー。

時は
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世紀の取り引き(1983年製作の映画)

4.0

鬼才ウィリアム・フリードキンによるB級コメディでかなりの異色作。

🪖死の商人である兵器開発者たちとCIAの連中を毒気タップリに風刺したブラックな作品。アンドリュー・ニコル✖️ニコラス・ケイジの『ロー
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シカゴ・コネクション/夢みて走れ(1986年製作の映画)

4.3

【実写版シティーハンター?】

🌴当時(80年代)らしく健康的でバブリーな娯楽に徹した刑事アクションもの。エディ・マーフィー主演の『48時間』や『ビバリーヒルズ・コップ』よりも硬派で、ベタなお笑いの要
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サンダーパンツ!(2002年製作の映画)

3.7

【キミもやってみなよー】

オナラで空を飛ぶ少年の冒険譚。英国映画らしく毒のあるユーモアと人を食ったストーリー展開(不条理系?)が見所の一つ。💨

茶番と言えば茶番だし、ちっともダウナーで笑えないのが
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恋のためらい/フランキーとジョニー(1991年製作の映画)

4.3

【心もよう】

都会派監督のゲイリー・マーシャルらしい叙情的でありながらも老成した激渋の恋愛映画になっている。すごい。

その熟練した心理描写と主演の二人=アル・パチーノとミシェル・ファイファーの【自
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恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

3.7

台湾ニューウェーブの代表格、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督作品。どのサイトでも高評価のようだが、私には正直「❓」だった作品。どこまでも真っ直ぐ!みたいな主人公が記号的で面白味がないのかなー?

それ
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藍色夏恋(2002年製作の映画)

3.7

良い意味でソフィティスケートされた台湾ニューウェーブ映画。全編に渡り胸キュンキュン!な青春映画の佳作と言える。🤔

いわゆるジブリとか大林宣彦とか岩井俊二辺りの作る【青春の初々しさ】が特徴でもある映画
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火事だよ!カワイ子ちゃん(1967年製作の映画)

4.2

チェコ時代のミロス・フォアマン監督による、権力者を痛烈に茶化したドタバタ喜劇。アカデミー外国語映画賞にノミネートされた事でも有名。

如何にも『カッコーの巣の上で』や『パパ・ずれてるゥ!』の監督らしい
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ブロンドの恋(1965年製作の映画)

4.0

チェコ時代のミロス・フォアマン監督作品。彼の声高に叫ぶ反体制メッセージが時折、うるさく感じられる自分でもこれは普通に楽しめる作品。🌸

『カッコーの巣の上で』とは全くベクトルの異なる青春映画で、甘酸っ
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愛の亡霊(1978年製作の映画)

4.3

👻不倫によってその存在が脅かされる【怪談仕立て】のメロドラマ。大島渚らしく「目に見えない何か」と一組の男女の破滅を描いた狂った日本の風習&システム批判劇。90年代後半から流行るJホラーの始祖的作品でも>>続きを読む

マックス、モン・アムール(1986年製作の映画)

4.3

大島渚による「ルイス・ブニュエルごっこ」といった映画で主演はシャーロット・ランプリング。脚本はジャン=クロード・カリエールが担当。

『愛のコリーダ』『愛の亡霊』につづく【愛の三部作】の完結編なのだが
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昼顔(1967年製作の映画)

4.5

美女カトリーヌ・ドヌーブがブルジョワであり変態さんの妻を快演した、いわゆる「二重生活」を繰り広げるブニュエルお得意の人間観察コメディ。

全編無音で不吉なムード漂う映像になってるがどこか偽善的な人間性
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子連れ狼 冥府魔道(1973年製作の映画)

4.3

若山兄貴演じる孤独な一匹狼の、渋みがかった演技と大五郎のあどけなさが印象的で、なぜ人は人を斬るのか?という問いもあり塚本晋也『斬、』に通じるテーマもある。まさしく正攻法の時代劇。🥷

「ちゃん!」と叫
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子連れ狼 死に風に向う乳母車(1972年製作の映画)

4.3

和製『ワイルドバンチ』みたいになってしまった東宝ドル箱シリーズ『子連れ狼』だが、やっぱり主演の若山富三郎の濃ゆいマッチョイズムが全編クサイ程炸裂していて痛快そのもの。

後半のマシンガン連射シーンで思
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大魔神怒る(1966年製作の映画)

4.2

前作の二匹めのドジョウを狙って作られた『大魔神』シリーズ二作目。監督は三隅研次に交代。この監督らしい色彩豊かな映像美がお見事。

大魔神のいる海🌊がパカっと割れるチャールトン・ヘストンの『十戒』みたい
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大魔神(1966年製作の映画)

4.2

【許しておけぬ!】

庶民を苦しめる権力者に天誅を与える大魔神の活躍ぶりが見もの。はっきり言って『ゴジラ』の数倍は怖い。大映京都らしいジャパネスク+怨念に満ちたドロドロ感を満喫できる作品。

最後は女
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斬る(1962年製作の映画)

4.0

【ザ・殺陣】

三隅研次監督✖️市川雷蔵主演作。全編ストイックな映像様式美に惚れ惚れする時代劇の佳作。

どこまでも生真面目で硬直した、メタリックな画面造形が印象的。これぞ日本映画🇯🇵だなぁ〜、と痛感
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「粘土のお面」より かあちゃん(1961年製作の映画)

4.7

何かと怪奇モノが多い中川信夫監督だが、こういう庶民派の人情劇を作らせても巧いのですね。😁

主演の伊藤雄之助の終始ヘタレみたいな父っつぁんが味わい深い名演技を披露する。気丈な母親を演じた望月優子もホッ
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チェンジリング(2008年製作の映画)

4.5

【権力の闇】

巨匠イーストウッドだけに地に足のついた演出力で全くブレが無かった。ラストまで見入ってしまう【重厚感】がハンパではない作品。

主演のアンジェリーナ・ジョリーが演じる肝っ玉母さんの貫禄あ
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母なる証明(2009年製作の映画)

3.6

【展開の無茶苦茶ぶり🌋】

全体的にノワールっぽい意匠を纏ったマヌケな母親の奮闘日記みたいな構成になっていて大いに白ける出来栄え。こんな強引な展開で観客は本当に納得するのか❓🤔

本作に関しては真剣に
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